第7回 冬はエネルギーを蔵(きす)む
蔵する季節
さらに、冬は「万物の生活機能が潜伏閉蔵する季節」「蔵する季節」です。動物は代謝活動を低くして、活動をほとんど休止して冬を過ごしますが、冬眠をしない人間の場合は、エネルギーを蔵む(きすむ=大切におさめる)必要があります。
早寝・遅起
冬の暮らし方について、中国最古の医学書と言われる「黄帝内経(こうていだいけい)」には、以下のように記されています。
「冬に人は陽気をかき乱してはならない。少し早く眠り、少し遅く起きるべきである。心を埋め伏し、しまい隠しているかのように安静にさせる。厳寒を避け、温暖に保つ」
冬場は、こうした生活習慣を心がけてようやく健康を保てるわけで、同書にはこのほか、
「この道理に反すると、腎気を損傷し、来春になって病を発生し、人が春の生気に抵抗する能力を減少させてしまう」
ともあります。つまり、冬に適した養生を怠ると春にツケが回ってくるという意味です。
「冬に人は陽気をかき乱してはならない。少し早く眠り、少し遅く起きるべきである。心を埋め伏し、しまい隠しているかのように安静にさせる。厳寒を避け、温暖に保つ」
冬場は、こうした生活習慣を心がけてようやく健康を保てるわけで、同書にはこのほか、
「この道理に反すると、腎気を損傷し、来春になって病を発生し、人が春の生気に抵抗する能力を減少させてしまう」
ともあります。つまり、冬に適した養生を怠ると春にツケが回ってくるという意味です。
感情をコントロール
「腎気」とは、五臓の1つの「腎」のエネルギーという意味です。漢方でいう「腎」は、臓器としての腎臓だけを指すだけでなく、水分代謝や内分泌系機能、成長や発育、生殖や老化などに関係しています。
ただでさえ、冬場は寒さから身を守るために、夏場よりも10%程度多くエネルギーを使ってしまいます。冬の腎気の無駄遣いは、老化を加速させかねないので、腎エネルギーを使ったら補い、さらに余計なエネルギーを使わないように心がけましょう。
ただでさえ、冬場は寒さから身を守るために、夏場よりも10%程度多くエネルギーを使ってしまいます。冬の腎気の無駄遣いは、老化を加速させかねないので、腎エネルギーを使ったら補い、さらに余計なエネルギーを使わないように心がけましょう。
冬の季節に適した養生を怠ると、免疫力が落ち、風邪をひきやすくなったり、インフルエンザにかかりやすくなったりします。さらに、その影響は次の季節である春にも持ち越されてしまいます。
植物の芽が出る春は、エネルギーに満ちあふれています。冬場にカラダのバランスを崩したまま春を迎えると、季節が持つエネルギーに自らのカラダがついていけず、さらに体調を崩すことになりかねません。
例えば、例年よりも花粉症がひどくなったりするケースです。花粉症で悩んでいる方こそ、冬場の養生を実践してみてください。
次回は、12月24日(木)更新予定です。
(2009年12月10日)
- 木村容子先生のお勤め先
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東京女子医科大学 東洋医学研究所
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