第28回 免疫力を整え花粉症に備える
花粉症でない人も要注意
来春のスギ・ヒノキの花粉の飛散量は、気象予報会社などの予測では、今年よりかなり多くなりそうです。
「これまで、かかったことがない」人であっても、油断は禁物です。吸った花粉の蓄積量が一定レベルに達すると発症するので、ある時を境に、「いきなり花粉症を患ってしまう」という事態になる可能性は否定できません。
特に来春のように、ただでさえ空中を飛び交う花粉の量が多い場合は、花粉症を発症する危険性が高まります。
備えあれば、憂いなし。これまで春先になると花粉症に悩んでいた人も、まだ悩んでいない人も、対策は冬の時期から行うことがポイントです。なぜならば、花粉症は「免疫」に大きく関わっているからです。
「これまで、かかったことがない」人であっても、油断は禁物です。吸った花粉の蓄積量が一定レベルに達すると発症するので、ある時を境に、「いきなり花粉症を患ってしまう」という事態になる可能性は否定できません。
特に来春のように、ただでさえ空中を飛び交う花粉の量が多い場合は、花粉症を発症する危険性が高まります。
備えあれば、憂いなし。これまで春先になると花粉症に悩んでいた人も、まだ悩んでいない人も、対策は冬の時期から行うことがポイントです。なぜならば、花粉症は「免疫」に大きく関わっているからです。
免疫力のバランスが崩れている花粉症
花粉症とは、花粉がアレルゲン(原因物質)となって、カラダが過剰反応してしまう症状です。花粉症をはじめとするアレルギー疾患のケースは、免疫力の働きの中でも、「免疫力のバランスが崩れた」ことが原因となっています。ほかには、膠原病などの自己免疫疾患も同じ要因です。
一方、「免疫力が低下した」ことによって起きる病気としては、風邪やガンなどが挙げられます。
花粉症を改善したり、予防するにあたっては、免疫力のバランスを整えることが大切になります。漢方は「カラダの歪みを調整して、自然に治る力を高める」ことを治療目的としているので、「花粉に敏感に反応しないカラダ作り」をするには、適切な治療方法がそろっています。
免疫力を整える、という体質改善は、一朝一夕にはいきません。たとえば、花粉症に10年間悩んでいたら、改善にあたっては、その半分の年月である5年間は必要と考えていてください。
一方、「免疫力が低下した」ことによって起きる病気としては、風邪やガンなどが挙げられます。
花粉症を改善したり、予防するにあたっては、免疫力のバランスを整えることが大切になります。漢方は「カラダの歪みを調整して、自然に治る力を高める」ことを治療目的としているので、「花粉に敏感に反応しないカラダ作り」をするには、適切な治療方法がそろっています。
免疫力を整える、という体質改善は、一朝一夕にはいきません。たとえば、花粉症に10年間悩んでいたら、改善にあたっては、その半分の年月である5年間は必要と考えていてください。
「冬の養生」で決まる春の健康
本格的な体質改善は、漢方の医師に相談していただくとして、花粉症にまだなっていない人も、今できることは、花粉が飛び始める前の冬の間から春に備えるための養生に気をつけることです。
冬の養生については、以前にも引用したことがある、中国最古の医学書と言われる「黄帝内経(こうていだいけい)」に書かれている記述が参考になります。
「冬の3カ月は万物の生活機能が潜伏閉蔵する季節。この時期には、人は陽気をかき乱してはならない。少し早く眠り、少し遅く起きるべきである。心も平穏な状態につとめるようにする。厳寒を避け、温暖に保つ」
冬の養生については、以前にも引用したことがある、中国最古の医学書と言われる「黄帝内経(こうていだいけい)」に書かれている記述が参考になります。
「冬の3カ月は万物の生活機能が潜伏閉蔵する季節。この時期には、人は陽気をかき乱してはならない。少し早く眠り、少し遅く起きるべきである。心も平穏な状態につとめるようにする。厳寒を避け、温暖に保つ」
冬場は、「早寝・遅起」「寒さを避け、カラダを温める」といった生活習慣を心がけてようやく健康を保てるわけで、同書にはこのほか、「この道理に反すると、腎気を損傷し、来春になって病を発生し、人が春の生気に抵抗する能力を減少させてしまう」ともあります。つまり、冬に適した養生を怠ると春にツケが回ってくるという意味です。
つらい症状緩和にも漢方薬を
体質改善中のくしゃみや鼻水、鼻づまり、眼のかゆみなど――といった、花粉症の症状はつらいものです。そんな症状に悩んだときも、漢方薬は有益です。
西洋薬の抗アレルギー薬は、ヒスタミン(アレルギー症状を引き起こす物質)の作用を抑える働きがあり、症状は楽になる一方で、眠くなるなどの副作用がある場合が多いです。
漢方薬にも、西洋薬と同様に、花粉症の症状を楽にするものがあり、しかも眠くなりません。体質改善だけでなく、対処療法にも使えますので、一度試してみてはどうでしょうか。
次回は、1月20日(木)更新予定です。
西洋薬の抗アレルギー薬は、ヒスタミン(アレルギー症状を引き起こす物質)の作用を抑える働きがあり、症状は楽になる一方で、眠くなるなどの副作用がある場合が多いです。
漢方薬にも、西洋薬と同様に、花粉症の症状を楽にするものがあり、しかも眠くなりません。体質改善だけでなく、対処療法にも使えますので、一度試してみてはどうでしょうか。
次回は、1月20日(木)更新予定です。
(2010年12月16日)
- 木村容子先生のお勤め先
-
東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/
【木村先生の書籍が刊行されました】
タイトル:『女40歳からの「不調」を感じたら読む本−カラダとココロの漢方医学−』(静山社文庫)
定価:¥680(税込)