第22回 熱中症を予防する
屋内熱中症にも注意
体温の上昇や脱水症状などが原因で頭痛やけいれん、意識障害を起こす「熱中症」。似た言葉に「熱射病」がありますが、これは熱中症の一種で、急激な体温上昇で意識障害を招く場合を言い、意識を失ったり、うわ言を言ったりしている時は命を落としかねないので、一刻も早く救急車を呼んでください。
熱中症は、炎天下で激しい運動をしたり長時間過ごしていることで起きる病気――というイメージがあるかもしれませんが、直射日光にあたらなくても自宅など日常生活の中でも、熱気のこもった室内で長時間過ごしているだけで体温が上昇し、発症するケースもあります。
特に高齢者の場合は、体温調整機能が衰えているので体温が上昇しがちです。また、老化の2つの流れでいう「燥」(乾燥)に向かっているので、体内の水分が少なく脱水症状を起こしやすくなっています。さらに、漢方では、「反応も虚になる」と考え、暑さやノドが渇いていることに対して感じにくくなっています。
高齢者が熱中症患者の過半数を占めるといったデータがあるほか、熱中症にかかった高齢者の半数が屋内で発症しているといった調査結果もあるように、特に注意が必要です。
熱中症は、炎天下で激しい運動をしたり長時間過ごしていることで起きる病気――というイメージがあるかもしれませんが、直射日光にあたらなくても自宅など日常生活の中でも、熱気のこもった室内で長時間過ごしているだけで体温が上昇し、発症するケースもあります。
特に高齢者の場合は、体温調整機能が衰えているので体温が上昇しがちです。また、老化の2つの流れでいう「燥」(乾燥)に向かっているので、体内の水分が少なく脱水症状を起こしやすくなっています。さらに、漢方では、「反応も虚になる」と考え、暑さやノドが渇いていることに対して感じにくくなっています。
高齢者が熱中症患者の過半数を占めるといったデータがあるほか、熱中症にかかった高齢者の半数が屋内で発症しているといった調査結果もあるように、特に注意が必要です。
自覚症状なくても水分補給を
まず熱中症の一般的な予防策としては、(1)こまめに水分を補給する、(2)通気性の良い洋服を着用する、(3)日傘や帽子、日陰やクーラーで暑さを避ける――ことです。
ノドの渇きの有無にかかわらず、飲み物を口に含むことを習慣化するようにするといいでしょう。ただ、水や麦茶ばかりを飲んでいると、汗によって失われた塩分の補給ができず、水分を取っていても熱中症になってしまい、筋肉の痙攣を起こすこともあります。適度な塩分を含む飲み物がオススメです。
ノドの渇きの有無にかかわらず、飲み物を口に含むことを習慣化するようにするといいでしょう。ただ、水や麦茶ばかりを飲んでいると、汗によって失われた塩分の補給ができず、水分を取っていても熱中症になってしまい、筋肉の痙攣を起こすこともあります。適度な塩分を含む飲み物がオススメです。
一方で、「ノド越しがいいから」と、冷たい物を一気に、大量に飲んではいけません。胃に負担がかかり、カラダが水分をうまく消化できず、体内に余分な水分が溜まり、別の不調を招きます。
寝ている間も熱中症対策
特に屋内熱中症の予防にあたっては、部屋の中に温度計を置き、室内温度を管理するとともに、クーラーを上手に使うことも大事です。都心部では、ヒートアイランド現象によって、窓を開けても室内の温度が下がらない場合も多いです。
ただ、クーラーの当たりすぎは、カラダを冷やし、これまた別の意味で体調を壊します。日中はもとより、寝苦しい夜はクーラーに頼りたくなると思います。就寝時間から数時間運転してから切れるよう、タイマーを活用するのも一案ですが、クーラーから出る「風」も漢方では、カラダに害を及ぼす一つ(邪)と考え、風が直接カラダに当たると、「風邪(ふうじゃ)」によってカゼを引きやすくなります。
風がカラダに直接当たらないように風向きを変えるか、寝室の隣り部屋のクーラーにタイマーをつけてドアを開けておくようにしたり、あらかじめ寝室をクーラーで冷やしておいて寝る直前に切る、といった工夫をすると、風邪(ふうじゃ)による悪影響は少なくなります。
寝る前に、寝ている途中でトイレにいきたくならない程度の量の水分をとっておくと、脱水症防止になります。就寝中も熱中症予防対策です。
次回は、8月12日(木)更新予定です。
ただ、クーラーの当たりすぎは、カラダを冷やし、これまた別の意味で体調を壊します。日中はもとより、寝苦しい夜はクーラーに頼りたくなると思います。就寝時間から数時間運転してから切れるよう、タイマーを活用するのも一案ですが、クーラーから出る「風」も漢方では、カラダに害を及ぼす一つ(邪)と考え、風が直接カラダに当たると、「風邪(ふうじゃ)」によってカゼを引きやすくなります。
風がカラダに直接当たらないように風向きを変えるか、寝室の隣り部屋のクーラーにタイマーをつけてドアを開けておくようにしたり、あらかじめ寝室をクーラーで冷やしておいて寝る直前に切る、といった工夫をすると、風邪(ふうじゃ)による悪影響は少なくなります。
寝る前に、寝ている途中でトイレにいきたくならない程度の量の水分をとっておくと、脱水症防止になります。就寝中も熱中症予防対策です。
次回は、8月12日(木)更新予定です。
(2010年7月22日)
- 木村容子先生のお勤め先
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東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/
【木村先生の書籍が刊行されました】
タイトル:『女40歳からの「不調」を感じたら読む本−カラダとココロの漢方医学−』(静山社文庫)
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