第36回 夏場の“顔のむくみ”は発汗で解消を
水分が溜まって生じる顔のむくみ
夏場に来院される患者さんの中には、朝起きて鏡をのぞいたら、「顔がむくんでいる」「なんだか目が腫れぼったい」といった症状を訴える方がいます。特に女性に多い傾向があります。
「カラダがむくむ」という症状は、一般的には、リンパ液や汗といった体液の流れが悪くなることで生じます。漢方では、こうした状態を体内の水(すい)の異常と考えて、水毒(すいどく)と呼んでいます。
水毒は、季節に関係なく起こる不調ですが、夏の水毒、中でも中高年の朝の顔や目のむくみの場合は、水分がうまくカラダを巡っていないことから生じることが多いので、水分補給にあたっては、ちょっとした“コツ”が必要になります。
夏場は、熱中症対策もあり、こまめに水分補給をすることが大切なのですが、同時に、体内に入った水分をうまく巡らせたり、余った水分はきちんと体外に出す――といったことも行わないといけません。
「カラダがむくむ」という症状は、一般的には、リンパ液や汗といった体液の流れが悪くなることで生じます。漢方では、こうした状態を体内の水(すい)の異常と考えて、水毒(すいどく)と呼んでいます。
水毒は、季節に関係なく起こる不調ですが、夏の水毒、中でも中高年の朝の顔や目のむくみの場合は、水分がうまくカラダを巡っていないことから生じることが多いので、水分補給にあたっては、ちょっとした“コツ”が必要になります。
夏場は、熱中症対策もあり、こまめに水分補給をすることが大切なのですが、同時に、体内に入った水分をうまく巡らせたり、余った水分はきちんと体外に出す――といったことも行わないといけません。
代謝が衰える中高年の女性は要注意
中高年は、若いころよりも代謝が衰えてきています。そのため、水分を体内に巡らす力も低下しているために、せっかく補給した水分が1カ所に溜まってしまったりすることがあります。
また、あまり汗をかかなくなってきているために、カラダのなかに余ってしまった水分を発汗とともに体内から排出する機会が少ないがために、余分な水分が残ってしまうことにもなります。
その結果、顔がむくんだり、目が腫れぼったくなったりするのです。女性に多いのは、男性にくらべて基礎代謝が低く、冷え症が多いことなどが影響しています。
「朝、顔がむくんで仕方がない」と悩む50代の女性患者さんは、1日中クーラーのついた部屋で過ごし、夜はシャワーを浴びてからクーラーをつけっぱなしで寝る、というのが夏の一般的な過ごし方でした。
今年は、節電ということもあり、夜は29度に室温をセットしてはいたそうですが、特に起床時に「むくみ」が出るのは、平たく言うと、前の日の日中に摂取した水分が、クーラーの中で発汗もせずにいたために、体内にうまく回らず余ってしまった蓄積分が朝にドッと出た結果です。
また、あまり汗をかかなくなってきているために、カラダのなかに余ってしまった水分を発汗とともに体内から排出する機会が少ないがために、余分な水分が残ってしまうことにもなります。
その結果、顔がむくんだり、目が腫れぼったくなったりするのです。女性に多いのは、男性にくらべて基礎代謝が低く、冷え症が多いことなどが影響しています。
「朝、顔がむくんで仕方がない」と悩む50代の女性患者さんは、1日中クーラーのついた部屋で過ごし、夜はシャワーを浴びてからクーラーをつけっぱなしで寝る、というのが夏の一般的な過ごし方でした。
今年は、節電ということもあり、夜は29度に室温をセットしてはいたそうですが、特に起床時に「むくみ」が出るのは、平たく言うと、前の日の日中に摂取した水分が、クーラーの中で発汗もせずにいたために、体内にうまく回らず余ってしまった蓄積分が朝にドッと出た結果です。
飲んだら出す、出したら飲む
朝にむくみを感じたら、すぐに半身浴でいいですから、シャワーではなく、お風呂に入るようにしてください。汗を出して、前日からの余分な水分をカラダの外に出してしまいましょう。
夏場は水分を多くとる必要があるだけに、日ごろの水分補給のコツとしては、「水分を飲んだら、出す。出したら飲む」という繰り返しを意識することです。「出す」とは、尿や汗をかいて余分な水分を体外に排出すること。
夏場は水分を多くとる必要があるだけに、日ごろの水分補給のコツとしては、「水分を飲んだら、出す。出したら飲む」という繰り返しを意識することです。「出す」とは、尿や汗をかいて余分な水分を体外に排出すること。
入浴での発汗は、手軽なうえに、クーラーによるカラダの冷えを改善することにもなるので、「夏の入浴」をぜひ習慣にしてみてください。
そして、入浴後は、すぐに水分を補給することを忘れずに。
次回は、9月15日(木)更新予定です。
そして、入浴後は、すぐに水分を補給することを忘れずに。
次回は、9月15日(木)更新予定です。
(2011年8月18日)
- 木村容子先生のお勤め先
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東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
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【木村先生の書籍が刊行されました】
タイトル:『女50歳からの「変調」を感じたら読む本』(静山社文庫)
定価:¥680(税込)