第9回 インフルエンザのカギは早期の気付き
高熱や筋肉痛がはっきり出にくい
「インフルエンザ」は、発病すると高熱や筋肉痛などを伴います。風邪の際にも同じような症状があらわれるときもありますが、風邪は、複数のウイルスや細菌が原因の普通感冒なのに対し、インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性感染症の一種で流行性感冒とも言います。伝播力が強く、急性脳症や二次感染により死亡することもあるので、風邪とはまた別に注意する必要があります。
さらに、中高年がインフルエンザに気を付けなくてはいけないのは、若い人と比べて、症状がはっきりと出ないことです。インフルエンザにかかっているのに熱が37度程度で「高熱」とは認識できなかったり、それほど激しい筋肉痛を感じない…など、発見が遅れ症状が悪化しがちなために、なかなか回復しにくいことが問題です。
さらに、中高年がインフルエンザに気を付けなくてはいけないのは、若い人と比べて、症状がはっきりと出ないことです。インフルエンザにかかっているのに熱が37度程度で「高熱」とは認識できなかったり、それほど激しい筋肉痛を感じない…など、発見が遅れ症状が悪化しがちなために、なかなか回復しにくいことが問題です。
病気反応における「虚」
第4回目のコラムで、加齢によってカラダが「体質が筋肉質でがっちり、積極的で疲れにくい、胃腸が丈夫」な「実」の状態から、「痩せ型や水太り、消極的で疲れやすい、胃腸が弱い」という「虚」の状態に進むと書きました。
病気にかかった時のカラダの反応についても、この「実から虚」への流れに沿って、「虚の反応」を示すようになります。インフルエンザにあてはめると、高齢になるに従い、高熱や筋肉痛といったカラダの反応がはっきりと出にくくなってしまうのです。
このため、カラダの反応がでるのを待ってから対処していては遅いので、「ちょっと熱っぽい」「ちょっとカラダの節々が痛い」程度の時に対処できるか否かが、インフルエンザを悪化させないためのポイントとなります。
病気にかかった時のカラダの反応についても、この「実から虚」への流れに沿って、「虚の反応」を示すようになります。インフルエンザにあてはめると、高齢になるに従い、高熱や筋肉痛といったカラダの反応がはっきりと出にくくなってしまうのです。
このため、カラダの反応がでるのを待ってから対処していては遅いので、「ちょっと熱っぽい」「ちょっとカラダの節々が痛い」程度の時に対処できるか否かが、インフルエンザを悪化させないためのポイントとなります。
ただ、「ちょっと熱っぽい」という場合、熱による脱水症状がカラダにあったとしても、口の渇きがはっきりでないこともあります。体温計で普段よりも「ちょっと熱がある」時には、脱水の自覚がなかったとしても、例えばポカリスエットなどのスポーツドリンクをコップに入れて、レンジなどで温めて少しずつ飲むようにするなどして、脱水症状になる前に防ぎましょう。
熱があると、冷たい飲み物のほうが気持ちよく感じるかもしれませんが、冷たいものは弱った胃に負担となり、体調悪化の原因にもなるので、温めるようにしてください。
とにかく予防
インフルエンザの主な感染ルートは、すでにかかっている人のウイルスが、鼻や口、目から体内に入る経路です。ただ、インフルエンザにかかっている人の傍にいながらも、うつる人とうつらない人がいるのも事実です。その違いは、前述の「ちょっと変」な段階での対処と、日ごろの予防から生じます。
予防にあたっては、手洗いやうがいで、ウイルスが体内に入らないようにします。特に、繁華街に行った後や、マスクをしないで咳をしている人の傍にいたときなどは念入りに。また、空気の乾燥や寒さといった環境因子や、免疫力が落ちていたり、疲労や脱水といった体調もウイルスにかかってしまう誘因となるので、カラダを温め、食事や飲酒は八分目、夜更かしをしない―といった生活習慣にも気を付けましょう。
漢方薬の中には、インフルエンザにかかってしまった場合についても適用が承認されているものもあります。特に新型インフルエンザの場合、日本感染症学会が2009年9月に発表した診療ガイドラインに、「漢方薬の診療に習熟した医師のもと」という前提で、漢方薬の投与が記載されました。
実際の診察にあたっては、高齢者の場合についても、症状や体質にあった漢方薬を、一般成人の服用量よりも減らして処方するなどしています。
次回は、1月28日(木)更新予定です。
予防にあたっては、手洗いやうがいで、ウイルスが体内に入らないようにします。特に、繁華街に行った後や、マスクをしないで咳をしている人の傍にいたときなどは念入りに。また、空気の乾燥や寒さといった環境因子や、免疫力が落ちていたり、疲労や脱水といった体調もウイルスにかかってしまう誘因となるので、カラダを温め、食事や飲酒は八分目、夜更かしをしない―といった生活習慣にも気を付けましょう。
漢方薬の中には、インフルエンザにかかってしまった場合についても適用が承認されているものもあります。特に新型インフルエンザの場合、日本感染症学会が2009年9月に発表した診療ガイドラインに、「漢方薬の診療に習熟した医師のもと」という前提で、漢方薬の投与が記載されました。
実際の診察にあたっては、高齢者の場合についても、症状や体質にあった漢方薬を、一般成人の服用量よりも減らして処方するなどしています。
次回は、1月28日(木)更新予定です。
(2010年1月14日)
- 木村容子先生のお勤め先
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東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/