第3回 腎を補う「しおからさ」+「ネバネバ」
遺伝よりも環境が左右する寿命
前回、同じ年齢や年代でも、見た目に差が生じるのは、先天の生命力(エネルギー)を蓄えている「腎」の働きに差があることが理由の1つであるとお話しました。
しかも、私が実際に診察をしていると、年代が高くなるにつれて、いつまでも若く見える人や、一方でひどく年老いて見える人などの個人差が大きくなっていくように感じます。
一説には、人の寿命を規定しているのは、遺伝要因が25%、環境要因が75%。つまり、若々しく長生きするためには、親から譲り受けた遺伝要因よりも、どのような環境下で暮らしているか、養生をしているか、という方が重要だということです。
養生の際に重要な役割を担っているのが、「腎」ということなのです。
しかも、私が実際に診察をしていると、年代が高くなるにつれて、いつまでも若く見える人や、一方でひどく年老いて見える人などの個人差が大きくなっていくように感じます。
一説には、人の寿命を規定しているのは、遺伝要因が25%、環境要因が75%。つまり、若々しく長生きするためには、親から譲り受けた遺伝要因よりも、どのような環境下で暮らしているか、養生をしているか、という方が重要だということです。
養生の際に重要な役割を担っているのが、「腎」ということなのです。
「しおからさ」には「苦味」をプラス
加齢とともに衰えてしまった腎の働きを、日々の生活で補うにあたっては、まずは食事に気を付けます。
漢方では、すべての食べ物を「甘い」「辛い」「しおからい」「苦い」「酸っぱい」の5つの味(五味)に分けて、それぞれの味覚に特有の効能があるとし、さらに五臓に対応して、その働きを助ける役割をすると考えます。
腎と対応する味覚は、「しおからさ」。塩やみそ、しょうゆなどが代表的です。日ごろから、意識的に摂取するようにすることが大事なのですが、一方で塩分の過剰摂取には注意しないといけません。血圧の上昇など、カラダに弊害をもたらすので、あくまで適度な量であることが大切です。
また、漢方では、腎の働きが失調すると、五臓六腑の「心」に影響を与え、血液循環、睡眠や物事の思考・判断に異常をもたらすと考えます。そこで、塩分を摂る際には、常に心の働きを補うと言われる味覚「苦み」を意識するようにしましょう。
例えば、塩の場合でも、苦味成分の「にがり」が入った天然のものを選べば、腎の働きを補いながら、心の負担を和らげる効果が期待できます。
また、腎の働きを補う食材としては、山芋やオクラ、納豆、ナメコなどの「ネバネバ食品」がおすすめです。
特に山芋は「山のウナギ」とも呼ばれ、エネルギーが衰えだしている年代には欠かせない食材です。実際に漢方薬の中にも「山薬(さんやく)」という生薬として含まれているものもあり、男性の機能回復や前立腺を柔軟にする効果があると言われています。
また、クルミや黒ゴマ、ニラ、貝柱、エビ、ウナギ、ドジョウ、スッポンなども、いずれも腎を補う食材です。
漢方では、すべての食べ物を「甘い」「辛い」「しおからい」「苦い」「酸っぱい」の5つの味(五味)に分けて、それぞれの味覚に特有の効能があるとし、さらに五臓に対応して、その働きを助ける役割をすると考えます。
腎と対応する味覚は、「しおからさ」。塩やみそ、しょうゆなどが代表的です。日ごろから、意識的に摂取するようにすることが大事なのですが、一方で塩分の過剰摂取には注意しないといけません。血圧の上昇など、カラダに弊害をもたらすので、あくまで適度な量であることが大切です。
また、漢方では、腎の働きが失調すると、五臓六腑の「心」に影響を与え、血液循環、睡眠や物事の思考・判断に異常をもたらすと考えます。そこで、塩分を摂る際には、常に心の働きを補うと言われる味覚「苦み」を意識するようにしましょう。
例えば、塩の場合でも、苦味成分の「にがり」が入った天然のものを選べば、腎の働きを補いながら、心の負担を和らげる効果が期待できます。
また、腎の働きを補う食材としては、山芋やオクラ、納豆、ナメコなどの「ネバネバ食品」がおすすめです。
特に山芋は「山のウナギ」とも呼ばれ、エネルギーが衰えだしている年代には欠かせない食材です。実際に漢方薬の中にも「山薬(さんやく)」という生薬として含まれているものもあり、男性の機能回復や前立腺を柔軟にする効果があると言われています。
また、クルミや黒ゴマ、ニラ、貝柱、エビ、ウナギ、ドジョウ、スッポンなども、いずれも腎を補う食材です。
ツボ指圧を習慣に
また、ツボ押しも、腎の機能を補うにあたって気軽な方法です。ツボは、全身のエネルギーの流れを調整するスポットです。押すと痛い場合は、エネルギーの流れが滞っている証拠と言えます。
ツボを使った治療は、中国が発祥で2000年以上の歴史があり、欧米でも効用に関する科学的な研究が進められています。ツボの位置や名称についても、1989年に世界保健機関(WHO)が361カ所の名称を統一し、国際番号をつけました。さらに2006年のWHO国際会議では、361カ所のうち6カ所を除いてツボの位置に関する国際基準が決められました。
このように国際的に注目されているツボの効用を積極的に毎日の生活に取り入れてみませんか。ツボ指圧は、道具もいらず、いつ、どこでも手軽にできます。
ツボを使った治療は、中国が発祥で2000年以上の歴史があり、欧米でも効用に関する科学的な研究が進められています。ツボの位置や名称についても、1989年に世界保健機関(WHO)が361カ所の名称を統一し、国際番号をつけました。さらに2006年のWHO国際会議では、361カ所のうち6カ所を除いてツボの位置に関する国際基準が決められました。
このように国際的に注目されているツボの効用を積極的に毎日の生活に取り入れてみませんか。ツボ指圧は、道具もいらず、いつ、どこでも手軽にできます。
腎の衰えは、下半身にあらわれるのが特徴です。「足が妙に疲れるな」と感じるようなら、土踏まずのやや上にある、足の指を曲げた時にへこむ部分「湧泉(ゆうせん)」というツボを押してみてください。血液の循環がよくなり、足のむくみや疲れが取れます。
ツボの位置は、人によって多少異なるので、上記の場所を中心に周辺をさわり、「痛いけど気持ちいい」という“イタ気持ちいい”場所を探します。指で押すときは3段階くらいで徐々に力を強くして、5秒くらい一定の力で押します。その後、再び3段階くらいで力を抜いてジワーと離します。これを5回くらい繰り返してみましょう。
次回は、10月22日(木)更新予定です。
(2009年10月8日)
- 木村容子先生のお勤め先
-
東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/