第38回 “秋バテ”を「エネルギー・ボール・セオリー」で乗り切る
「気」の総量が小さくなる――セオリー(1)
前回(第37回)や第25回で、涼しくなった秋口に体調を崩してしまうケースを紹介しました。これは、いわば“秋バテ”ともいえる症状です。
この原因には、漢方でいう「気」と呼ばれる「エネルギー」と関係しています。そして、このエネルギーは、年齢を経るごとに、どの方にもあてはまる特徴があります。1つは「加齢とともにエネルギー(気)の総量が小さくなる」ことです。
いつも患者さんにお話ししているように、エネルギーの総量をボールにたとえて説明しましょう。
まず、エネルギー・ボールの大きさは、生まれたときから個人差があります。子どものころから体力があり、若いころは疲れを知らず頑張っていた方は、大きなエネルギー・ボールを持って生まれてきたと言えます。
一方、幼少のころから病気がちで、華奢で、疲れやすい方の場合は、もともとのエネルギー・ボールが小さかったのだと考えられます。
そして、生まれたときのボールの大小にかかわらず、年齢とともにボールは小さくなっていきます。大きく生まれてきた方のボールは小さく、小さいボールはより小さくなっていくのです。
これを、私は「エネルギー・ボール・セオリー(1)」と名付けました。
この原因には、漢方でいう「気」と呼ばれる「エネルギー」と関係しています。そして、このエネルギーは、年齢を経るごとに、どの方にもあてはまる特徴があります。1つは「加齢とともにエネルギー(気)の総量が小さくなる」ことです。
いつも患者さんにお話ししているように、エネルギーの総量をボールにたとえて説明しましょう。
まず、エネルギー・ボールの大きさは、生まれたときから個人差があります。子どものころから体力があり、若いころは疲れを知らず頑張っていた方は、大きなエネルギー・ボールを持って生まれてきたと言えます。
一方、幼少のころから病気がちで、華奢で、疲れやすい方の場合は、もともとのエネルギー・ボールが小さかったのだと考えられます。
そして、生まれたときのボールの大小にかかわらず、年齢とともにボールは小さくなっていきます。大きく生まれてきた方のボールは小さく、小さいボールはより小さくなっていくのです。
これを、私は「エネルギー・ボール・セオリー(1)」と名付けました。
使える「気」が少なくなる――セオリー(2)
エネルギー・ボールの次の特徴は「使えるエネルギー(気)が年齢を経るごとに少なくなっていく」ということです。これは「エネルギー・ボール・セオリー(2)」と言っています。
たとえば、ある人のエネルギーの最大量が「100」だとします。若いころは、この「100」を日々の生活のために目いっぱい使うことができるとしても、加齢とともに、日々の生活を営む以外に、いろいろな変化に対する調整のためにもエネルギーが必要となります。
季節変わりの気温の変化に対応するために、女性であれば、女性ホルモンの減少に対応するために――そうしたことに余分なエネルギーを使わざるをえなくなるのです。
この「変化のために要するエネルギー」は、年齢とともに大きくなります。「100」ある最大量のうち、変化のためのエネルギーが「20」「30」……と増えていくと、日々の生活のために使えるエネルギーは、「80」「70」と減ってしまうのです。
エネルギーがマイナスになって起こる“秋バテ”
ましてや、エネルギー・ボール自体の大きさ(エネルギー総量)も小さくなっている、つまり、自身のエネルギー最大量が「100」から「90」に減っているところに、若いころと同じように、日々の生活のために「100」を使っていたら、エネルギーはどうなるでしょう?
カラダのバランスをとるためのエネルギーも差し引かれて、エネルギー・レベルはマイナスになってしまいます。
カラダのバランスをとるためのエネルギーも差し引かれて、エネルギー・レベルはマイナスになってしまいます。
夏から秋にかけては、気温の変化にエネルギーを使うほか、涼しくなって動きやすいことから日々の生活にもエネルギーを使いがちです。そのため、エネルギー・レベルが下がり、マイナスにまでなってしまう危険性があることが、“秋バテ”につながるのです。
これは、秋に限らず、季節の変わり目には起こりがちなことです。日本は四季があることが楽しみの1つでもあるので、ご自身の「エネルギー・ボール」の大きさを意識しながら、季節の変化を楽しんでいただきたいと思います。
次回は、11月17日(木)更新予定です。
これは、秋に限らず、季節の変わり目には起こりがちなことです。日本は四季があることが楽しみの1つでもあるので、ご自身の「エネルギー・ボール」の大きさを意識しながら、季節の変化を楽しんでいただきたいと思います。
次回は、11月17日(木)更新予定です。
(2011年10月20日)
- 木村容子先生のお勤め先
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東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
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TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
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