第8回 毎日が風邪予防
いつも風邪をひいている感じ
中高年の方が風邪をひくと、若い頃と比べてとかく悪化しやすく回復が遅くなりがちです。回復にあたっても、かなりのエネルギーを要するので、なるべくかからないように、日ごろから予防しておくことがポイントとなります。
特に高齢者の場合は、「ザワザワと寒気を感じやすい」「咳がでやすい」といった、「いつも風邪をひいている感じ」を訴える方が多いです。そのため、冬場の風邪シーズンにかかわらず、四季を通じて普段から予防することが肝要です。
「風邪」の語源は、漢方の起源である中国医学にあるといわれています。中国医学における「風」の「邪」、すなわち「風邪(ふうじゃ)」によって引き起こされる、発熱や寒気などの症状を伴う病気が日本に伝わったという説です。
「邪」とは、漢方では病気になる原因のことを指します。「風」のほか、「寒」「暑」「湿」「燥」「熱」といった天候の影響も「邪」の1つととらえ、老化を早める危険因子でもあるので、「たかが風邪」とあなどってはいけません。「風邪は万病のもと」でもあるのです。
特に高齢者の場合は、「ザワザワと寒気を感じやすい」「咳がでやすい」といった、「いつも風邪をひいている感じ」を訴える方が多いです。そのため、冬場の風邪シーズンにかかわらず、四季を通じて普段から予防することが肝要です。
「風邪」の語源は、漢方の起源である中国医学にあるといわれています。中国医学における「風」の「邪」、すなわち「風邪(ふうじゃ)」によって引き起こされる、発熱や寒気などの症状を伴う病気が日本に伝わったという説です。
「邪」とは、漢方では病気になる原因のことを指します。「風」のほか、「寒」「暑」「湿」「燥」「熱」といった天候の影響も「邪」の1つととらえ、老化を早める危険因子でもあるので、「たかが風邪」とあなどってはいけません。「風邪は万病のもと」でもあるのです。
カラダを温める
「風の邪」に冒されないための基本的な養生は、免疫力を高めることです。「免疫」とは、「疫(伝染性疾患)を免れる」。つまり病気にならないようにするという意味です。日ごろから、食事は腹八分目、夜更かしをしない―といった生活習慣に加えて、特に中高年は、カラダを冷やさないことに気を付けて下さい。
これまで毎月風邪にかかっていたという60代の患者さんは、カラダを温める漢方薬を処方し、日ごろの生活にも注意したところ、冬場でも風邪をひきにくくなったともに、疲れにくくもなりました。
これまで毎月風邪にかかっていたという60代の患者さんは、カラダを温める漢方薬を処方し、日ごろの生活にも注意したところ、冬場でも風邪をひきにくくなったともに、疲れにくくもなりました。
漢方薬は専門家の意見を仰ぐ
こうした対処法のほかに、薬局で「風邪に効く」とうたう漢方薬を購入される方もいらっしゃることでしょう。その際には、いくつか注意点があります。
例えば、一般的に風邪薬として広く知られている漢方薬の「葛根湯(かっこんとう)」。これは、「胃腸が丈夫な人や若者の、風邪の初期」に用いられる代表的な処方です。
しかし、胃腸が弱い人や体力がない高齢者が、長引いている風邪を治すために服用すると、かえって食欲低下や胃もたれなどを引き起こす場合があります。
このように、体質(漢方では体質を含めた症状を「証」と言います)に合わない漢方薬を飲むと、症状がよくならないばかりか、思わぬ副作用にみまわれてしまいます。漢方薬を服用する際には、薬剤師に相談するか、漢方に詳しい医者の診断を受けることをお薦めします。
次回は、新年1月14日(木)更新予定です。
例えば、一般的に風邪薬として広く知られている漢方薬の「葛根湯(かっこんとう)」。これは、「胃腸が丈夫な人や若者の、風邪の初期」に用いられる代表的な処方です。
しかし、胃腸が弱い人や体力がない高齢者が、長引いている風邪を治すために服用すると、かえって食欲低下や胃もたれなどを引き起こす場合があります。
このように、体質(漢方では体質を含めた症状を「証」と言います)に合わない漢方薬を飲むと、症状がよくならないばかりか、思わぬ副作用にみまわれてしまいます。漢方薬を服用する際には、薬剤師に相談するか、漢方に詳しい医者の診断を受けることをお薦めします。
次回は、新年1月14日(木)更新予定です。
(2009年12月24日)
- 木村容子先生のお勤め先
-
東京女子医科大学 東洋医学研究所
〒114-0014
東京都北区田端1-21-8 NSKビル3階
TEL:03(6864)0821(代表) TEL:03(6864)0825(予約)
http://www.twmu.ac.jp/IOM/