女性用のパッドについて
現在、夜間帯におむつを提供している女性入居者に蛇腹(ジャバラ)にしたレギュラーパッドを装着していますが、「蛇腹は、尿が陰部に戻ってしまい、膀胱炎や尿路感染になってしまうので、最近は蛇腹にしません。敷きパッドにするべき」という一部の職員の発言があり、自分ならびに他の職員が悩んでいます。そのような可能性があるのでしょうか。
原則として、パッドは蛇腹の使用はしません
原則として、パッドは蛇腹の使用はしません。その理由は、尿の吸収が速やかに拡散するような構造になっていたり、尿道口にあたる部分に吸収体のポリマーが厚く配分されているといったパッドの特性が活かされないからです。また、ギャザーやカーブは股ぐりに合うように設計されており、蛇腹の形で使用するようにはなっていません。バックシートがついていないパッドは、蛇腹にして使用するように指示してあるものもありますが、特徴的な製品なので、その使用方法を一般化することはできません。
「蛇腹は、尿が陰部に戻ってしまい、膀胱炎や尿路感染になってしまうので、最近は蛇腹にしない」というご意見に関しては、蛇腹が膀胱炎の原因になるという根拠はありません。ただ、パッドを使用している人は、使用していない人よりも尿路感染が多いというデータはあります。尿路感染の理由はさまざまありますが、長時間交換しなかったり、吸収量が漏れ量より少ない場合、また寝たきりで残尿が多い、便失禁があるなどが挙げられます。
パッドの種類、交換時間、当て方は全員一律同じではなく、アセスメントをして一人ひとりに合わせた方法を選ぶことが原則です。もしかしたら、その中で蛇腹にして当てることが向いている方がいるかもしれません。大切なことは、試行錯誤しながら、その方にとってのベストをみつけることです。
(回答者:日本コンチネンス協会会長 西村かおる)