経鼻チューブを抜いてしまう利用者
私が担当している利用者は、経管で経鼻チューブ栄養剤を滴下しています。入所前の事前訪問で、経鼻チューブを自己抜去することがあるという情報はありましたが、ここ数日の間、毎日自己抜去し、看護師も困っています。何かよい対応法はありませんか? なお、この利用方は胃ろう・腸ろうの造設ができない事情があります。
自己抜去する「理由」をよく考えてみよう
自己抜去するという点で、何か不快なことや嫌いなことに思い当たることはないでしょうか。この利用者の経鼻チューブが『絶対に必要』というのはどのような理由でしょうか。
ケアをする側は「必要だ」ということが前提になっていますが、利用者にとっては「嫌」ということ以外に『何も受けつけられない理由』があるのではないでしょうか。ケア側は『抜くから取れないような方法を考える』、高齢者は『嫌だから、何としても今度も取るための挑戦を続ける』の追いかけっこを続けるケースがよくあります。
このような場合、どうすれば抜くことをやめるのでしょうか。チューブを頑丈に固定するか、手が届かないように拘束するかになってしまいませんか。どんなことが「嫌」なのか、もう一度観察してみましょう。この利用者には、固定したチューブを頻繁に取ってしまう力があります。その力は栄養剤の滴下で保たれているのでしょうか。それとも、施設ケアの効果で体力が向上したのでしょうか。チューブを抜く力がある点と、嚥下力はまったくなくなっているのかという点から、なぜチューブによる栄養なのかを再アセスメントしてみてはどうでしょうか。
同じような例で、どうしてで栄養は経管じゃなければいけないのかという点に注目して対処したことがあります。わずかな嚥下力を確認して、十分なカロリー摂取という条件を除外して、口から栄養が摂れる努力をしました。その結果、自分の口で栄養を摂ると、少ないはずの栄養が意外なほど吸収され、生活を維持することができました。
(回答者:川崎千鶴子)
ケアをする側は「必要だ」ということが前提になっていますが、利用者にとっては「嫌」ということ以外に『何も受けつけられない理由』があるのではないでしょうか。ケア側は『抜くから取れないような方法を考える』、高齢者は『嫌だから、何としても今度も取るための挑戦を続ける』の追いかけっこを続けるケースがよくあります。
このような場合、どうすれば抜くことをやめるのでしょうか。チューブを頑丈に固定するか、手が届かないように拘束するかになってしまいませんか。どんなことが「嫌」なのか、もう一度観察してみましょう。この利用者には、固定したチューブを頻繁に取ってしまう力があります。その力は栄養剤の滴下で保たれているのでしょうか。それとも、施設ケアの効果で体力が向上したのでしょうか。チューブを抜く力がある点と、嚥下力はまったくなくなっているのかという点から、なぜチューブによる栄養なのかを再アセスメントしてみてはどうでしょうか。
同じような例で、どうしてで栄養は経管じゃなければいけないのかという点に注目して対処したことがあります。わずかな嚥下力を確認して、十分なカロリー摂取という条件を除外して、口から栄養が摂れる努力をしました。その結果、自分の口で栄養を摂ると、少ないはずの栄養が意外なほど吸収され、生活を維持することができました。
(回答者:川崎千鶴子)