排泄介助の間隔はどのくらい空ける?
私の職場では最近、高吸収パッドが導入され、19時から翌朝の5時までオムツ交換を行いません。パットの尿の吸収量は約1400ccです。以前は19時、0時、5時にみていました。利用者50名の認知棟で、夜間の職員は3名です。高吸収パッド導入の理由は、安眠のために加えて、最近のパッドは性能がよく吸収後の戻りがないので肌に良い、交換回数が減らせる(手間が減る、安眠の確保)からです。
使用を始めて5か月経ちますが、利用者のお尻は発赤や皮膚の黒ずみ、皮むけなど、オムツかぶれと思われる皮膚トラブルが増えている気がします。発赤のできた方には軟膏を塗布すればいいという職員もいますが、発赤ができないように予防するのが介護の仕事だと思います。私は、利用者のお尻は介護員の通信簿だと思います。毎日どれだけケアをしているか、その結果が出るのだと思います。
私には、利用者の不快感が無視されて、レベルを下げているようにしか思えません。当施設の排泄マニュアルにも「排泄の間隔は最高でも4時間」と決められているようですが、通常、排泄介助とはどのような間隔で行うべきでしょうか? 教えてください。
夜間の交換は利点が多い
●愛情と誠意があるケアになっている?
利用者に対して、とても愛情と情熱のあふれる文面に感激しました。私は、何はなくとも、まず愛情と誠意があるケアができるかどうかが、プロとしてのスタートだと思っています。
さて、オムツのことですが、夜間用あるいは長時間タイプといわれる大きいサイズの尿の吸収量は500cc〜1000cc程度です。この場合、長時間つけっぱなしになることが想定されているので、オムツの外側は通気性のよい不織布が使われています。
夜間のおむつ交換については、交換の時間を長くして睡眠時間を確保するのか、スキントラブルや尿路感染を防ぐために昼間と同じような時間で交換するのか、日本のみならず国際的な文献においても意見が分かれるところです。
しかし、個人的には(もちろん、着用者の希望が第一優先されるべきですが)、オムツを使う方は寝たきりの方が多いことも考え合わせると、夜間の身体状況の確認や睡眠できているかという観察、排泄物にまみれていないかどうかのチェックなどができること、あるいはオムツ交換の際に体位交換を一緒に行うことができるなど、夜間の交換は大いに利点があると思います。
また、自分がオムツを使って排泄してとても気持ち悪かった経験から、「長時間吸収できるオムツだから、4回分のおしっこが吸収されているオムツをつけて熟睡しても大丈夫」というのは、自分が受けるケアに置き換えることができません。
質問にもあるように、長時間交換しない場合はスキントラブルが多くなるという報告もあります。夜間の回数が多いオムツ交換の手間と、介護が原因で起きてしまったかもしれないスキントラブルの管理・ケアのどちらを行うほうがよいのかを考えると、当然前者のように思います。
●家族介護の負担を減らす
家族介護の場合、まったく別の考え方になります。家族介護では24時間介護が基本にあります。どんなに在宅介護サービスを組み合わせても、家族負担がゼロになることはありません。夜間、介護者の睡眠を確保するということも、介護職が支援すべきところです。
在宅介護の場合には、コストパフォーマンスのよい長時間、超吸収タイプのオムツをいくつも提案する、排泄介助の際の移乗動作を軽くする介護動作を伝えるなど、プロならではの仕事があります。
ぜひあなたも、施設の仲間たちとより良い排泄ケアについて話し合ってみてください。その際、「自分ならどうしてほしいのか」を基準に考える視点も大切です。
(回答者:田中志子)
利用者に対して、とても愛情と情熱のあふれる文面に感激しました。私は、何はなくとも、まず愛情と誠意があるケアができるかどうかが、プロとしてのスタートだと思っています。
さて、オムツのことですが、夜間用あるいは長時間タイプといわれる大きいサイズの尿の吸収量は500cc〜1000cc程度です。この場合、長時間つけっぱなしになることが想定されているので、オムツの外側は通気性のよい不織布が使われています。
夜間のおむつ交換については、交換の時間を長くして睡眠時間を確保するのか、スキントラブルや尿路感染を防ぐために昼間と同じような時間で交換するのか、日本のみならず国際的な文献においても意見が分かれるところです。
しかし、個人的には(もちろん、着用者の希望が第一優先されるべきですが)、オムツを使う方は寝たきりの方が多いことも考え合わせると、夜間の身体状況の確認や睡眠できているかという観察、排泄物にまみれていないかどうかのチェックなどができること、あるいはオムツ交換の際に体位交換を一緒に行うことができるなど、夜間の交換は大いに利点があると思います。
また、自分がオムツを使って排泄してとても気持ち悪かった経験から、「長時間吸収できるオムツだから、4回分のおしっこが吸収されているオムツをつけて熟睡しても大丈夫」というのは、自分が受けるケアに置き換えることができません。
質問にもあるように、長時間交換しない場合はスキントラブルが多くなるという報告もあります。夜間の回数が多いオムツ交換の手間と、介護が原因で起きてしまったかもしれないスキントラブルの管理・ケアのどちらを行うほうがよいのかを考えると、当然前者のように思います。
●家族介護の負担を減らす
家族介護の場合、まったく別の考え方になります。家族介護では24時間介護が基本にあります。どんなに在宅介護サービスを組み合わせても、家族負担がゼロになることはありません。夜間、介護者の睡眠を確保するということも、介護職が支援すべきところです。
在宅介護の場合には、コストパフォーマンスのよい長時間、超吸収タイプのオムツをいくつも提案する、排泄介助の際の移乗動作を軽くする介護動作を伝えるなど、プロならではの仕事があります。
ぜひあなたも、施設の仲間たちとより良い排泄ケアについて話し合ってみてください。その際、「自分ならどうしてほしいのか」を基準に考える視点も大切です。
(回答者:田中志子)