利用者に手を出してしまいそうです
私は夜勤中、拒否のある利用者に対して、気持ちが抑えきれなくなってしまいます。また、拒否をされても、今すぐやらなければならないと思い、きつい口調で怒鳴ってしまうこともあります。いつか手が出てしまいそうです。もしそうなれば、それは人間として最低の行為になりますし、犯罪者にもなってしまいます。
同僚や先輩に相談しようかと思いましたが、こんなことを相談したら軽蔑されると思い、相談できません。
犯罪者になる前に、なぜその利用者が拒否をするのかを考えることもありますが、実際にその場になると、『冷静に』という概念が抜けてしまいます。こんな私は、どうしたらよいのでしょうか?(ノリスケ)
手本となる先輩を見つけよう
質問を読んで、いくつかのことが頭をよぎりましたが、多くのことを言うよりも、役に立ちそうなことを一つだけお伝えします。
ノリスケさんからみて、お年寄りたちのかかわり方で「この人はすごいな」と思ったことのある先輩が、職場の中にきっといると思います。あらかじめその先輩と、もちろん上司にも相談しておいたうえで、先輩が夜勤の際にノリスケさんも同じ現場に立ち、業務には一切参加せずに少し離れて、その先輩の動きや仕事のすすめ方を観察してください。そして、観察しながら気づいたことを記録するようにしてください。
これはあくまで、ノリスケさん自らの意思に基づいた自主研修ですから、漠然と先輩の動きを追うのではなく、時間を追って先輩の動きや仕事のすすめ方、利用者へのかかわり方、声のかけ方などについて、自分との違いや印象に残ったこと、気づいたことをできるだけ記録してみましょう。
観察のポイントは、仕事の組み立て方やすすめ方ばかりでなく、『利用者のそのときどきの感情のとらえ方と感情のありように対して、どのように働きかけを変化させているか』です。
勤務が終了した時点で、記録に沿って「なぜそのような動き方をしたのか、なぜそのようなかかわり方をしたのか」を先輩に尋ねるのです。そして、よいと思うところや参考になるところを、自分が夜勤に入る際に、自分のできる範囲でやってみます。
もちろん、一度でうまくいくはずはありません。必ず課題が見えてきます。だから、同じことを3回は繰り返してください。繰り返すたびに、最初は見えてこなかったことがより深く見えてくることでしょう。
できれば3回目は、夜勤の中で少し業務が落ち着いた時間に(深夜になるかもしれませんが)、お年寄りの『拒否』はどこからくるのか、そのことをどう考えているのかをその先輩に尋ねてみるのもよいでしょう。
それは、先輩の人生から発していることかもしれませんし、その場の状況からきているのかもしれません。いずれにしても、先輩のとらえ方や人間観に触れてほしいのです。
経験のある職員は、時間に沿ってどのように仕事をすすめればよいのかだけでなく、刻々と変化する周囲の状況や利用者の感情のありように対して『その場で何を優先させなければならないのか』、組み立てを自由に変えながら対応しているのです。そのために多くの引き出しを持っているということです。
まずはそれに触れて、ノリスケさんの引き出しの数を増やしましょう。
(回答者:安倍信一)
ノリスケさんからみて、お年寄りたちのかかわり方で「この人はすごいな」と思ったことのある先輩が、職場の中にきっといると思います。あらかじめその先輩と、もちろん上司にも相談しておいたうえで、先輩が夜勤の際にノリスケさんも同じ現場に立ち、業務には一切参加せずに少し離れて、その先輩の動きや仕事のすすめ方を観察してください。そして、観察しながら気づいたことを記録するようにしてください。
これはあくまで、ノリスケさん自らの意思に基づいた自主研修ですから、漠然と先輩の動きを追うのではなく、時間を追って先輩の動きや仕事のすすめ方、利用者へのかかわり方、声のかけ方などについて、自分との違いや印象に残ったこと、気づいたことをできるだけ記録してみましょう。
観察のポイントは、仕事の組み立て方やすすめ方ばかりでなく、『利用者のそのときどきの感情のとらえ方と感情のありように対して、どのように働きかけを変化させているか』です。
勤務が終了した時点で、記録に沿って「なぜそのような動き方をしたのか、なぜそのようなかかわり方をしたのか」を先輩に尋ねるのです。そして、よいと思うところや参考になるところを、自分が夜勤に入る際に、自分のできる範囲でやってみます。
もちろん、一度でうまくいくはずはありません。必ず課題が見えてきます。だから、同じことを3回は繰り返してください。繰り返すたびに、最初は見えてこなかったことがより深く見えてくることでしょう。
できれば3回目は、夜勤の中で少し業務が落ち着いた時間に(深夜になるかもしれませんが)、お年寄りの『拒否』はどこからくるのか、そのことをどう考えているのかをその先輩に尋ねてみるのもよいでしょう。
それは、先輩の人生から発していることかもしれませんし、その場の状況からきているのかもしれません。いずれにしても、先輩のとらえ方や人間観に触れてほしいのです。
経験のある職員は、時間に沿ってどのように仕事をすすめればよいのかだけでなく、刻々と変化する周囲の状況や利用者の感情のありように対して『その場で何を優先させなければならないのか』、組み立てを自由に変えながら対応しているのです。そのために多くの引き出しを持っているということです。
まずはそれに触れて、ノリスケさんの引き出しの数を増やしましょう。
(回答者:安倍信一)