特定の職員に苦手意識をもつ利用者への対応は?
私はユニット型特養に勤務している、53歳の女性職員です。脳梗塞の後遺症で左半身まひの女性・Aさんが最近、入所されました。以前入居していた施設では職員間とのトラブルが解決されず、施設側から退所希望を出され、ほかの施設を探して入所という経緯があります。
Aさんがいうには、前の施設では50代の女性職員にとても陰湿な虐めをされたらしく、入所時の面接で、ケアマネジャーに「私は、50代以降の中年の女性は合わない(嫌い)よ」と言われたそうです。
そうした経緯なので、50代の女性職員は皆同じだという先入観をもち、中年の女性職員には拒否反応をされます。
少しでも介助の仕方が悪い(気に入らない)と、「もうあなたはいいから、他の人に代わって!」ともの凄い剣幕で怒り、介助をさせてくれません。お手伝いをさせてくださいとお願いをしても、何を言ってもダメです。
ユニットには、パートを含めて中年の女性職員が4名いますが、4人とも受け入れてもらえません。
その先入観・固定観念を解き解し、受け入れてもらうにはどうすればいいのでしょうか?
脳梗塞を発症する前は絵の講師をされていた方で、若い職員の行儀を注意するなど、言い方も命令口調で、先生気質とでもいうのか、強い気性の持ち主です。
まずは気の合う職員がかかわり、信頼を深めよう
「どうしたらかかわりをもたせていただけるのでしょう?」と心を痛め、「自分たちとの関係性から生じたことではないし」と、そのきっかけもつかめない方のサポート方法ですね。
さて、論点を整理してみましょう。
入居時の面談で、利用者から「50代以降の女性とは合わない」と言われた方と入居契約しているのですから、その意向をふまえてケアをしていくことが基本(契約に則る)になります。ですから、最初は気の合う職員で体制をつくっていくことになると思います。
次は、ケアを任せていただけることについてです。具体的に、排泄ケアで考えてみましょう。私自身、プライベートなことは「この人にはお願いするが、あの人は嫌」と人を選ぶと思います。その判断基準は、相手を信頼できるか否かです。
しかし今のケアの現場では、お世話にならないといけないのでそんなことはいえないとあきらめている利用者がいると思いますし、私たちも選ばれること(信頼されること)に鈍感になっている、任せてもらえるものだと思い込んでいると思います。
相手(人)に心を開いてもらうことは、そんなにたやすいことではありません。考えてみてください。何の縁もない私たちに、「あなただったら」と簡単に心を開くことができますか? 特に、以前の施設で心に傷を負った場合、その修復には時間がかかって当たり前でしょう。
いつもの顔見知りの職員が専任でケアにあたれる「少人数介護」がユニットケアのしくみですので、その原理をうまく使っていけばいいと思います。まずは気の合う職員たちが専任でケアをし、真摯にその利用者と向き合うことで信頼を得ていきます。そしてこのケアの水準は、他の職員も同じであることを話していくことです。
利用者に「この施設の職員は信頼できる」と思っていただければ、その先は問題ないでしょう。ただし、時間はかかると思いますので、焦らずに、皆でその方針(ケアプラン)を統一していくべきです。何といっても、利用者に安心して暮らしていただけることをサポートするのが私たちの仕事ですからね。
(回答者:秋葉都子)
さて、論点を整理してみましょう。
入居時の面談で、利用者から「50代以降の女性とは合わない」と言われた方と入居契約しているのですから、その意向をふまえてケアをしていくことが基本(契約に則る)になります。ですから、最初は気の合う職員で体制をつくっていくことになると思います。
次は、ケアを任せていただけることについてです。具体的に、排泄ケアで考えてみましょう。私自身、プライベートなことは「この人にはお願いするが、あの人は嫌」と人を選ぶと思います。その判断基準は、相手を信頼できるか否かです。
しかし今のケアの現場では、お世話にならないといけないのでそんなことはいえないとあきらめている利用者がいると思いますし、私たちも選ばれること(信頼されること)に鈍感になっている、任せてもらえるものだと思い込んでいると思います。
相手(人)に心を開いてもらうことは、そんなにたやすいことではありません。考えてみてください。何の縁もない私たちに、「あなただったら」と簡単に心を開くことができますか? 特に、以前の施設で心に傷を負った場合、その修復には時間がかかって当たり前でしょう。
いつもの顔見知りの職員が専任でケアにあたれる「少人数介護」がユニットケアのしくみですので、その原理をうまく使っていけばいいと思います。まずは気の合う職員たちが専任でケアをし、真摯にその利用者と向き合うことで信頼を得ていきます。そしてこのケアの水準は、他の職員も同じであることを話していくことです。
利用者に「この施設の職員は信頼できる」と思っていただければ、その先は問題ないでしょう。ただし、時間はかかると思いますので、焦らずに、皆でその方針(ケアプラン)を統一していくべきです。何といっても、利用者に安心して暮らしていただけることをサポートするのが私たちの仕事ですからね。
(回答者:秋葉都子)