嘔吐を繰り返す利用者への対応
障害者施設(通所)に、食後少量の嘔吐を繰り返す利用者がいます。体調は悪くなさそうなので、わざとしているように思います。少し前までは食後に吐き気をもよおして、口の中で反芻して再度飲み込む行為がみられましたが、最近ではすべて外に出してしまいます。胃食道逆流現象の疑い
対象の利用者が、身体障害のある場合を想定してお答えします。
脳性まひなど身体障害のある人が嘔吐症状を繰り返す場合、頻度として一番多いのは、胃食道逆流現象です。この症状は、健常な人にもまれにみられるため、現象という表現になっています。
食道と胃は横隔膜のほぼ中央に空いた孔を境に上下に分かれていますが、満腹になった時に胃の内部の圧力が高まり、食道のほうに逆流することが知られています。立位がしっかりとれる場合、満腹になると胃が重さで下に下がり、その際、軽度のねじれを伴うため逆流しにくいのですが、身体障害があり立位がとれない場合、この機能が低下しているために逆流しやすいとされます。
横隔膜自体も筋肉組織であるため、まひがあるとゆるみがちになり、食道と胃を隔てる能力が発揮できないことも理由の一つとなります。
この場合、1回に食べる量を減らす工夫、食事に中休みを入れて満腹にならないようにする工夫が考えられます。また、食後の一定の時間、立位(座位)をとることも有効です。治療としては、胃液の量を減らす薬や、消化管の動きを良くし、胃での滞留時間を短縮する薬などが使われます。
他に考えられる疾患としては、消化管機能の低下、慢性胃炎、逆流性食道炎などです。これらを鑑別するためには、医療機関の受診が必要です。
脳性まひなど身体障害のある人が嘔吐症状を繰り返す場合、頻度として一番多いのは、胃食道逆流現象です。この症状は、健常な人にもまれにみられるため、現象という表現になっています。
食道と胃は横隔膜のほぼ中央に空いた孔を境に上下に分かれていますが、満腹になった時に胃の内部の圧力が高まり、食道のほうに逆流することが知られています。立位がしっかりとれる場合、満腹になると胃が重さで下に下がり、その際、軽度のねじれを伴うため逆流しにくいのですが、身体障害があり立位がとれない場合、この機能が低下しているために逆流しやすいとされます。
横隔膜自体も筋肉組織であるため、まひがあるとゆるみがちになり、食道と胃を隔てる能力が発揮できないことも理由の一つとなります。
この場合、1回に食べる量を減らす工夫、食事に中休みを入れて満腹にならないようにする工夫が考えられます。また、食後の一定の時間、立位(座位)をとることも有効です。治療としては、胃液の量を減らす薬や、消化管の動きを良くし、胃での滞留時間を短縮する薬などが使われます。
他に考えられる疾患としては、消化管機能の低下、慢性胃炎、逆流性食道炎などです。これらを鑑別するためには、医療機関の受診が必要です。
(回答者 江川文誠)