サービス付き高齢者向け住宅への転職について
サービス付き高齢者向け住宅に併設されている、居宅介護支援事業所への転職を考えています(デイやヘルプも併設)。ケアマネといっても、介護プラン作成の経験はほとんどないため、経験豊富なベテランのケアマネが指導的立場でいらっしゃるということから勉強になるかなと、新しい職場で心機一転チャレンジしてみようかと検討しています。しかし、就職説明会では、「減算覚悟(事業者は、これは減算ではないとなぜか言い切りました)で100%自社サービスを利用してもらいます」と宣言されてしまいました。事業所は、他業種からの初参入のようで、ほとんどコンサル会社が仕切っています。入社したら、これでいいのか?というジレンマとの戦いになりそうです……。
そのサ高住はおすすめできません
サービス付き高齢者向け住宅(以下:サ高住)のケアマネジメントは、「居住系ケアマネジメント」といわれ、急速で普及する一方、その内実では、多くの問題を抱えています。
サ高住のケアマネジメントで現実に起こっている問題点の第1は、ケアプランのワンパターン化です。個別性はなく金太郎飴のようなプランが散見されます。
第2は、サービスありきのケアプランになっていること。事業の収益モデルが、同じ建物内のデイサービスや訪問介護などを支給限度額いっぱいに使うことを前提としているため、利用者に過度な経済的負担を強いているケースを多く見かけます(当然、自立支援の基本は無視されています)。
第3は、サ高住の入居にあたって、居宅介護支援事業所を変更することを条件にしていたり、同一建物内のサービス利用を強制したりしている点です。
介護保険法上、利用者側にはサービス事業所の選択権(変更を含む)があるにもかかわらず、「減算覚悟で自社サービスを100%利用してもらいます」と宣言している確信犯的な事業所は、いずれ都道府県の監査対象となるでしょう。利用者の基本的権利を侵害していることすら気がついていないコンサルの存在が、介護市場を歪めることになるからです。
あなたの場合は、まずは5〜7人ほどのケアマネジャーが在籍する在宅系の居宅介護支援事業所でさまざまなケースを経験され、基本的なスキルを身につけられることをおすすめします。
(回答者 高室成幸)
サ高住のケアマネジメントで現実に起こっている問題点の第1は、ケアプランのワンパターン化です。個別性はなく金太郎飴のようなプランが散見されます。
第2は、サービスありきのケアプランになっていること。事業の収益モデルが、同じ建物内のデイサービスや訪問介護などを支給限度額いっぱいに使うことを前提としているため、利用者に過度な経済的負担を強いているケースを多く見かけます(当然、自立支援の基本は無視されています)。
第3は、サ高住の入居にあたって、居宅介護支援事業所を変更することを条件にしていたり、同一建物内のサービス利用を強制したりしている点です。
介護保険法上、利用者側にはサービス事業所の選択権(変更を含む)があるにもかかわらず、「減算覚悟で自社サービスを100%利用してもらいます」と宣言している確信犯的な事業所は、いずれ都道府県の監査対象となるでしょう。利用者の基本的権利を侵害していることすら気がついていないコンサルの存在が、介護市場を歪めることになるからです。
あなたの場合は、まずは5〜7人ほどのケアマネジャーが在籍する在宅系の居宅介護支援事業所でさまざまなケースを経験され、基本的なスキルを身につけられることをおすすめします。
(回答者 高室成幸)