認知症の利用者の自己決定とは
ソーシャルワークの基本原則のひとつとして「自己決定の原則」がありますが、認知症の利用者の場合、意向自体がつかめなかったり判断力に疑問もあるため、本当に「自己決定」に任せてよいのか迷います。そのため、家族や援助者の思いが色濃く出た支援になってしまいがちです。認知症の利用者の自己決定とは、どのように捉えればいいのでしょう。まず、「その人」を理解することに努める
確かに重度の認知症の方であれば、意思表示はできませんね。でも、ケアマネジメントは利用者本位、利用者の自己決定が原則。では、このような場合どうすればよいのでしょうか。
まずは、できるだけその方を理解しようとすることです。少しでも話ができるなら、たとえ話がかみ合わなくても、たくさん会話してみてください。会話のなかから、何かのヒントが見つかるかもしれませんよ。さらには、本人からのインテークが難しければ、家族や知人などから以前の状況を聞きだすことです。アルバムを見せてもらったり、以前の趣味の物などを見せてもらうのもよいでしょう。そのようにして、できるだけその方を理解していきます。
そして、もし病気になっていなかったら、今だったらどのような生活をしていたのかをイメージしてみてください。確かに、ご質問のように家族や援助者の思いが入ってしまうかもしれませんが、利用者を理解しようと試みたあとの思いであれば大丈夫です。もちろん、私たちの価値観がそこに加味されてはいけません。不明な点を私達の基準で決めてしまうことは危険です。分からないことは分からないままでもよいと思いますよ。
ケアマネジメントという手法は、利用者が認知症であろうとなかろうと、その人のことをどこまで理解できたか、信頼関係が醸成されたかによって、もたらされる効果が異なります。ですから、ケアマネジャーは普段からいろいろなことに興味を持って、仕事も遊びも趣味も(許されるなら恋愛も失恋も)、たくさん経験するべきだと思います。本を読んだり映画を観たり、とにかくいろんな「人間ドラマ」を体験してください。そうすることによって、ケアマネジャーとして、いや、人間としての厚みが出てくるのです。感受性が豊かになり、人の喜怒哀楽が素直に感じられるようにならないと、この仕事はうまくいかないと思うのです。
そのようなケアマネジャーであれば、認知症であっても、意思表示ができなくても、その人に近いケアマネジメントが可能になると思うのです。参考になりましたか? 頑張ってくださいね。
(回答者:能本守康)
まずは、できるだけその方を理解しようとすることです。少しでも話ができるなら、たとえ話がかみ合わなくても、たくさん会話してみてください。会話のなかから、何かのヒントが見つかるかもしれませんよ。さらには、本人からのインテークが難しければ、家族や知人などから以前の状況を聞きだすことです。アルバムを見せてもらったり、以前の趣味の物などを見せてもらうのもよいでしょう。そのようにして、できるだけその方を理解していきます。
そして、もし病気になっていなかったら、今だったらどのような生活をしていたのかをイメージしてみてください。確かに、ご質問のように家族や援助者の思いが入ってしまうかもしれませんが、利用者を理解しようと試みたあとの思いであれば大丈夫です。もちろん、私たちの価値観がそこに加味されてはいけません。不明な点を私達の基準で決めてしまうことは危険です。分からないことは分からないままでもよいと思いますよ。
ケアマネジメントという手法は、利用者が認知症であろうとなかろうと、その人のことをどこまで理解できたか、信頼関係が醸成されたかによって、もたらされる効果が異なります。ですから、ケアマネジャーは普段からいろいろなことに興味を持って、仕事も遊びも趣味も(許されるなら恋愛も失恋も)、たくさん経験するべきだと思います。本を読んだり映画を観たり、とにかくいろんな「人間ドラマ」を体験してください。そうすることによって、ケアマネジャーとして、いや、人間としての厚みが出てくるのです。感受性が豊かになり、人の喜怒哀楽が素直に感じられるようにならないと、この仕事はうまくいかないと思うのです。
そのようなケアマネジャーであれば、認知症であっても、意思表示ができなくても、その人に近いケアマネジメントが可能になると思うのです。参考になりましたか? 頑張ってくださいね。
(回答者:能本守康)