インフォーマルサービスはどこに……
ケアプランにはインフォーマルサービスを積極的に位置づけること、と言われていますが、インフォーマル資源が周囲に見あたりません。どのように発見すればよいのでしょうか。
インフォーマルは自分で作る意識が大事
まず、「インフォーマルサービス」と聞くと何を思い出しますか? ボランティアや有料サービス、家政婦さんなどを挙げる人が多いと思います。あるいは、友人・知人の援助や家族による支援もインフォーマルサービスですよね。
確かに、地域によってはボランティア団体などがほとんどない地域もあるでしょう。有料サービスや家政婦さんなどは、位置づけとしてはインフォーマルになると思いますが、利用にはかなりの金銭負担を生じますので、あまり一般的ではないかもしれません。友人・知人や家族の支援も、ケースによっては限界があるかもしれませんね。
しかし、そもそもインフォーマルサービスなんて、充実している地域のほうが珍しいのだと思います。ボランティア活動が盛んな地域であっても、はじめからそうであったわけではないでしょう。おそらく、はじめに誰かが「やろう!」と声をかけて始まったのではないでしょうか。それが、徐々に賛同を得ながら人の輪を広げていったのでしょう。
友人・知人や家族の関係も、今はかかわりがなくても、以前は何らかのかかわりや生活があったことでしょう。それが、要介護状態という状況になって、自ら接点を求めることができなくなったときに、自然と関係が遠のいていき、やがては疎遠になってしまっている、という場合が多いのではないでしょうか。であるならば、支援協力を得られる可能性が全く無いわけではないと思います。
インフォーマルサービスとは、作り上げていくものです。「制度」は国や自治体が作ってくれます。ですから、できたものを私達ケアマネジャーが調整すればよいのでしょう。それがフォーマルサービスです。しかし、インフォーマルサービスは国や自治体は基本的には作ってはくれません。でも、誰かが作ることから始まるのです。では、そのような人が現れるまで待つのでしょうか? それよりも、「そのような人」に自らがなってしまったほうが早いのではないでしょうか。
ケアマネジメントの機能には、「社会資源の開発」というものがありますよね。これは、不足するサービスを作ることです。例えば、フォーマルサービスが不足している地域であれば、行政に意見・要望します。実現しないかもしれませんが、必要と感じたら、ケアマネジャーはどんどん行政に対し声を上げていく必要があります。
しかし、現実的にはインフォーマルサービスのほうが圧倒的に不足しているはずです。ならば、作りましょう! ボランティア団体なんて大げさなものでなくてもよいと思います。例えば、日中独居時の見守りや安否確認が必要ならば、近隣をケアマネジャーが訪問します。そして、お願いするのです。「すみません、私、○○さんの担当のケアマネジャーですけど、実はかくかくしかじかで、この時間を見回っていただけないでしょうか。何かあったら、私に連絡ください!」って(ただし、どこまで事情を説明するかは注意が必要です)。そのような地道な活動が、やがてはその地域にボランタリーな意識を芽生えさせるのです。
家族はどうでしょうか。同じことです。介護に直面し、どうしてよいかわからずに疎遠になってしまった家族と面会し、まずはじっくりと話し合ってみてください。冷たい家族だと思っていたものが、家族の真意が表出され、解決への糸口が見えてくるかもしれません。まずは、「話せば分かる」です。
インフォーマルサービス。無いのは当たり前です。一つひとつ作り上げていきましょう!!
(回答者:能本守康)
確かに、地域によってはボランティア団体などがほとんどない地域もあるでしょう。有料サービスや家政婦さんなどは、位置づけとしてはインフォーマルになると思いますが、利用にはかなりの金銭負担を生じますので、あまり一般的ではないかもしれません。友人・知人や家族の支援も、ケースによっては限界があるかもしれませんね。
しかし、そもそもインフォーマルサービスなんて、充実している地域のほうが珍しいのだと思います。ボランティア活動が盛んな地域であっても、はじめからそうであったわけではないでしょう。おそらく、はじめに誰かが「やろう!」と声をかけて始まったのではないでしょうか。それが、徐々に賛同を得ながら人の輪を広げていったのでしょう。
友人・知人や家族の関係も、今はかかわりがなくても、以前は何らかのかかわりや生活があったことでしょう。それが、要介護状態という状況になって、自ら接点を求めることができなくなったときに、自然と関係が遠のいていき、やがては疎遠になってしまっている、という場合が多いのではないでしょうか。であるならば、支援協力を得られる可能性が全く無いわけではないと思います。
インフォーマルサービスとは、作り上げていくものです。「制度」は国や自治体が作ってくれます。ですから、できたものを私達ケアマネジャーが調整すればよいのでしょう。それがフォーマルサービスです。しかし、インフォーマルサービスは国や自治体は基本的には作ってはくれません。でも、誰かが作ることから始まるのです。では、そのような人が現れるまで待つのでしょうか? それよりも、「そのような人」に自らがなってしまったほうが早いのではないでしょうか。
ケアマネジメントの機能には、「社会資源の開発」というものがありますよね。これは、不足するサービスを作ることです。例えば、フォーマルサービスが不足している地域であれば、行政に意見・要望します。実現しないかもしれませんが、必要と感じたら、ケアマネジャーはどんどん行政に対し声を上げていく必要があります。
しかし、現実的にはインフォーマルサービスのほうが圧倒的に不足しているはずです。ならば、作りましょう! ボランティア団体なんて大げさなものでなくてもよいと思います。例えば、日中独居時の見守りや安否確認が必要ならば、近隣をケアマネジャーが訪問します。そして、お願いするのです。「すみません、私、○○さんの担当のケアマネジャーですけど、実はかくかくしかじかで、この時間を見回っていただけないでしょうか。何かあったら、私に連絡ください!」って(ただし、どこまで事情を説明するかは注意が必要です)。そのような地道な活動が、やがてはその地域にボランタリーな意識を芽生えさせるのです。
家族はどうでしょうか。同じことです。介護に直面し、どうしてよいかわからずに疎遠になってしまった家族と面会し、まずはじっくりと話し合ってみてください。冷たい家族だと思っていたものが、家族の真意が表出され、解決への糸口が見えてくるかもしれません。まずは、「話せば分かる」です。
インフォーマルサービス。無いのは当たり前です。一つひとつ作り上げていきましょう!!
(回答者:能本守康)