ケアプランと個別計画が連動しません
老健のケアマネジャーです。ケアプランと個別リハ計画がそれぞれ独自に動いているような感じで、同じ目標に向かってうまく連動させることができません。ケアプランと職種ごとの個別計画の位置づけは、どのように考えればいいのでしょうか。
情報を会議で共有し、全体の整合性を考える
例えば、個別リハ計画の場合、計画されたリハビリをPTなどの機能訓練の担当者だけが実践するというのはまず不可能ですし、日常生活に密着していないリハビリでは、あまり意味はありません。つまり、現場で入居者にもっとも接することの多い介護職が、リハ計画の内容を頭に入れながら実践することが必要になるわけです。
その際、現場の介護職が「介護計画」などを別に作成しているかどうかにかかわらず、必ずケアプランが基本指針となります。そこで、ケアプランと個別リハ計画がバラバラであったりすると、時としてダブルスタンダードのような状況が生まれ、現場のケアに大きな混乱をきたす恐れが生じます。
基本としては、(1)各職種がとったアセスメントをベースとしながら、(2)それをもとにケアマネジャーがケアプランを立案し、(3)そのケアプランを現場におとすうえで個別計画が具体的な仕様書になるという流れが理想でしょう。とはいえ、実際には(1)と(2)、(2)と(3)の間に大きなズレが生じてしまい、それがケアプランと個別計画の連動を阻害する要因となっているケースが多いようです。
(1)においては、各職種がケアマネジャーにアセスメントを提出する際、ただアセスメント項目をチェックしたシート等を出すのでは深めたアセスメントは難しいでしょう。そこから考えられる課題を分析し、課題達成のための短期目標を各自が設定したうえでワンセットにして提出するなどの工夫を施すことで、専門性が表れたより意義のあるアセスメントとできると思います。
さらに、(2)で立案したケアプラン原案をカンファレンスにかける際、各職種もそれぞれの個別計画の原案を持ち寄って、同時にカンファレンスの場でケアプランとの整合性を検証するといいでしょう。すでに課題分析や短期目標の設定はケアプランと連動させているので、大きなズレは生じないはずです。
なお、カンファレンス当日にぶっつけ本番で整合性を検証しようとすると、どうしても矛盾点を見逃してしまう恐れもあります。そこで、ケアプランおよび個別計画の原案はカンファレンスの前々日までに作成し、前日にはカンファレンスの参加者全員の目にふれさせるという段取りを組むことが求められるでしょう。
さらに、短期目標を実践してみた後に、どうもうまく行かないという状況が発生した場合、そこにはケアプランとのズレが生じている可能性もあります。短期目標の実践状況をチェックする「支援経過」の帳票類などは、ケアマネジャーが毎日目を通し、少しでも「変だ」と感じる部分があれば、すぐにケアマネジャーあるいは担当者が再アセスメントを行い、ケアプランと個別計画を見直すために、その結果を会議にかけるような対応が理想的です。
(回答者:田中元)
その際、現場の介護職が「介護計画」などを別に作成しているかどうかにかかわらず、必ずケアプランが基本指針となります。そこで、ケアプランと個別リハ計画がバラバラであったりすると、時としてダブルスタンダードのような状況が生まれ、現場のケアに大きな混乱をきたす恐れが生じます。
基本としては、(1)各職種がとったアセスメントをベースとしながら、(2)それをもとにケアマネジャーがケアプランを立案し、(3)そのケアプランを現場におとすうえで個別計画が具体的な仕様書になるという流れが理想でしょう。とはいえ、実際には(1)と(2)、(2)と(3)の間に大きなズレが生じてしまい、それがケアプランと個別計画の連動を阻害する要因となっているケースが多いようです。
(1)においては、各職種がケアマネジャーにアセスメントを提出する際、ただアセスメント項目をチェックしたシート等を出すのでは深めたアセスメントは難しいでしょう。そこから考えられる課題を分析し、課題達成のための短期目標を各自が設定したうえでワンセットにして提出するなどの工夫を施すことで、専門性が表れたより意義のあるアセスメントとできると思います。
さらに、(2)で立案したケアプラン原案をカンファレンスにかける際、各職種もそれぞれの個別計画の原案を持ち寄って、同時にカンファレンスの場でケアプランとの整合性を検証するといいでしょう。すでに課題分析や短期目標の設定はケアプランと連動させているので、大きなズレは生じないはずです。
なお、カンファレンス当日にぶっつけ本番で整合性を検証しようとすると、どうしても矛盾点を見逃してしまう恐れもあります。そこで、ケアプランおよび個別計画の原案はカンファレンスの前々日までに作成し、前日にはカンファレンスの参加者全員の目にふれさせるという段取りを組むことが求められるでしょう。
さらに、短期目標を実践してみた後に、どうもうまく行かないという状況が発生した場合、そこにはケアプランとのズレが生じている可能性もあります。短期目標の実践状況をチェックする「支援経過」の帳票類などは、ケアマネジャーが毎日目を通し、少しでも「変だ」と感じる部分があれば、すぐにケアマネジャーあるいは担当者が再アセスメントを行い、ケアプランと個別計画を見直すために、その結果を会議にかけるような対応が理想的です。
(回答者:田中元)