利用者の力って何?
研修などでは、「利用者の力を活かす」ということをよく言われますが、「力」が何を指しているのかよくわかりません。いわゆる残存能力ということでしょうか?
力とは「生きようとする意欲とそのための行動」
ケアマネジメントの目的の一つに「自立支援」がありますよね。利用者からの視点で言えば「自立する」こと、私たち支援する立場から言えば「自立することを支援する」ことです。この「自立」とは一体どういうことでしょうか?
理想論で言えば、「(なんらかの障害をもつ前の)元の暮らしに戻ること」でしょうし、それが無理ならば「できるだけ元の暮らしに近づけること」といえるでしょう。そして、可能であれば自らの力でそれを取り戻すことが望ましいといえます。たとえ手足が動かないとしても、本人が「そうしたい」と思う気持ちがあるかどうかが重要になります。その「気持ち」や、可能であるならば、取り戻すための「行動」が利用者の「力」といえます。そして、本人自らが解決するには力が足りない場合、そこを補うのが私たちケアマネジャーの役割です。また、これは、いつまでも補い続けるのではなく、徐々に利用者の力を高めていくための支援も行います。その具体策が相談援助や社会資源の活用です。そして、利用者の力が高まった分、私たちの力を減らしていくのです。
人間は本来、自分で問題を解決する力を持っています。その力のことを「ストレングス」と呼んでいます。ストレングスは、高齢になったり障害を受けることによって低下し、問題を自ら解決できなくなることもあります。不自由になってしまった自分の体に、今まで元気でいた頃の自分を重ね合わせ、「もう以前のような自分には戻れないのだ」という挫折感から、問題を解決することが難しくなってしまうのです。しかし、ストレングスは生きている限りゼロにはなりません。そこに力を注入していくことが「エンパワメント」です。私たちは、支援を通して利用者の持つ本来の問題解決能力を高めていくことを行えばよいのです。
利用者の力とは、「生きようとする意欲とそのための行動」と捉えていただければよいと思います。
(回答者:能本守康)
理想論で言えば、「(なんらかの障害をもつ前の)元の暮らしに戻ること」でしょうし、それが無理ならば「できるだけ元の暮らしに近づけること」といえるでしょう。そして、可能であれば自らの力でそれを取り戻すことが望ましいといえます。たとえ手足が動かないとしても、本人が「そうしたい」と思う気持ちがあるかどうかが重要になります。その「気持ち」や、可能であるならば、取り戻すための「行動」が利用者の「力」といえます。そして、本人自らが解決するには力が足りない場合、そこを補うのが私たちケアマネジャーの役割です。また、これは、いつまでも補い続けるのではなく、徐々に利用者の力を高めていくための支援も行います。その具体策が相談援助や社会資源の活用です。そして、利用者の力が高まった分、私たちの力を減らしていくのです。
人間は本来、自分で問題を解決する力を持っています。その力のことを「ストレングス」と呼んでいます。ストレングスは、高齢になったり障害を受けることによって低下し、問題を自ら解決できなくなることもあります。不自由になってしまった自分の体に、今まで元気でいた頃の自分を重ね合わせ、「もう以前のような自分には戻れないのだ」という挫折感から、問題を解決することが難しくなってしまうのです。しかし、ストレングスは生きている限りゼロにはなりません。そこに力を注入していくことが「エンパワメント」です。私たちは、支援を通して利用者の持つ本来の問題解決能力を高めていくことを行えばよいのです。
利用者の力とは、「生きようとする意欲とそのための行動」と捉えていただければよいと思います。
(回答者:能本守康)