担当者会議がただの報告会になってしまいます…
サービス担当者会議を開いても、参加者から出てくる発言は現状の確認や連絡事項のみで、同席する家族からも「よくしてもらっているので、特に要望はありません」という言葉しか出てきません。もっと前向きに、活気ある会議にしていきたいのですが。
利用者・家族の意向を押さえること
専門職の側から「ああしたらどうか、こういうことをしてみたらどうか」という提案を持ち出すことは、確かに利用者の可能性を引き出すうえで前向きになり、異論・反論なども含めて会議は活気あるものになるでしょう。
しかし、大切なのはその場の活気ではなく、本人や家族の意向がきちんと叶えられるかということです。一方的に新しいことにチャレンジしようとしても、それがかえって家族の介護負担を増やしたり、そのために本人が「申し訳ない」という心理になっては意味がありません。むしろ順番としては、本人や家族が「いま何を望んでいるのか」をきちんと聞き出すことから始めるべきです。
ただ「何かありませんか」という問いかけでは、ご質問にあるような「特にありません」という言葉になってしまいがちです。
本人や家族への問いかけは、相手が具体的な答えで返さなければならない形を工夫しましょう。たとえば「夜中のトイレはどうですか」と聞くのでは「特に問題ありません」となってしまいますが、「一晩にトイレに行く回数はどれくらいですか。ベッドから降りるときにふらつきはないですか」などという具合に聞いていきます。問われた側は、具体的な答えを口にするうちに心理的な垣根を少しずつ低くしていきます。同時に、答えを出すための記憶を呼び戻すうちに、その場では忘れていた困りごとや叶えてもらいたいことを思い出すことがあり、「実は…」という形で発言になってあらわれやすくなります。
その発言さえ引き出せれば、参加者からは課題解決のための提案が自然に出てくるようになります。つまり、本人や家族のホンネを引き出すことが、そのまま会議を活発にさせる特効薬にもなるというわけです。
(回答者:田中元)
しかし、大切なのはその場の活気ではなく、本人や家族の意向がきちんと叶えられるかということです。一方的に新しいことにチャレンジしようとしても、それがかえって家族の介護負担を増やしたり、そのために本人が「申し訳ない」という心理になっては意味がありません。むしろ順番としては、本人や家族が「いま何を望んでいるのか」をきちんと聞き出すことから始めるべきです。
ただ「何かありませんか」という問いかけでは、ご質問にあるような「特にありません」という言葉になってしまいがちです。
本人や家族への問いかけは、相手が具体的な答えで返さなければならない形を工夫しましょう。たとえば「夜中のトイレはどうですか」と聞くのでは「特に問題ありません」となってしまいますが、「一晩にトイレに行く回数はどれくらいですか。ベッドから降りるときにふらつきはないですか」などという具合に聞いていきます。問われた側は、具体的な答えを口にするうちに心理的な垣根を少しずつ低くしていきます。同時に、答えを出すための記憶を呼び戻すうちに、その場では忘れていた困りごとや叶えてもらいたいことを思い出すことがあり、「実は…」という形で発言になってあらわれやすくなります。
その発言さえ引き出せれば、参加者からは課題解決のための提案が自然に出てくるようになります。つまり、本人や家族のホンネを引き出すことが、そのまま会議を活発にさせる特効薬にもなるというわけです。
(回答者:田中元)