職種間の溝をなくしたい
私どもの施設では、介護職と看護職の間の溝が大きく、「看護側は介護職に指導する立場」という風土になっています。そのため、職種間のコミュニケーションがうまくとれず、ケアマネジャーとして、どう間に入ってアプローチすべきか悩んでいます。そもそもケアマネジャーがかかわる問題なのかを含めて、アドバイスいただければと思います。
労力はかかりますが、システムの再考を
長年にわたり出来上がってしまった風土を打ち破ることは、かなりのエネルギーを必要とします。施設トップの強力なリーダーシップをもってしても、現場からの反発などによってしばらくは混乱状態になることも覚悟しなければなりません。ましてや現場のケアマネジャー一人で背負うとなれば、過剰なストレスに悩まされる危険も生じるでしょう。
看護職や栄養職などの専門職が介護職より上の立場になってしまうのは、(1)現場の指示系統がそういう流れになっているという組織上の問題と、(2)対等のコミュニケーションでケアマネジメントを進めていく流れになっていないという業務習慣上の問題という2点が複雑に絡み合って生じていると考えられます。
従って、組織だけフラットにしても、あるいは対等のコミュニケーション機会だけを設けても、どちらか一方だけでは改革を進めていくのは難しいことになります。
この問題については、「こうすべき」という回答はないと思いますが、職種間の風通しがよい施設では以下のような工夫が多く見られます。
まず、(1)については組織図の上での各職種の縦割りをなくし、すべての職種で構成される「生活支援部」のような一つのチームを作るのが有効ではないかと思います。そのうえで、ベテランの相談員(ソーシャルワークだけでなく、看護、介護の知識にも長けている人材がベスト)などに、チームを統括する役割を担ってもらい、現場からの報告はここに集中させます。
同時に、(2)について、短期目標ごとのケアカンファレンス(モニタリング会議)を2〜3日に1回程度のペースで開催します。会議の頻度は多くなりますが、1回につき1テーマで15分程度という短時間に集中させ、これによって職種同士が対等に話す習慣を築くことを狙います。会議では、ケアマネジャーは各職種の意見を聞き、スムーズに司会進行を行なうことに専念しましょう(そのため、できれば専任体制が理想的だと思います)。
この(1)、(2)を進めるうえで、最初は現場から「うまく機能しない」などの不満の声が必ず上がってくることと思います。従来の看護主任、介護主任は、ここで「不満を聞く」役割に徹しながら、主任同士が吸い上げた不満を管理者会議のような形で交換します。そして、特に不満が強い担当者や部署に対して、マネジメントを行いながら不満が内部にたまらないような配慮を施すようにします。
このように、現場からの“風圧”がケアマネジャーなど特定の職種に集中しないような仕組みを整えることが、組織の改革においては絶対に必要になると考えてください。
(回答者:田中元)
看護職や栄養職などの専門職が介護職より上の立場になってしまうのは、(1)現場の指示系統がそういう流れになっているという組織上の問題と、(2)対等のコミュニケーションでケアマネジメントを進めていく流れになっていないという業務習慣上の問題という2点が複雑に絡み合って生じていると考えられます。
従って、組織だけフラットにしても、あるいは対等のコミュニケーション機会だけを設けても、どちらか一方だけでは改革を進めていくのは難しいことになります。
この問題については、「こうすべき」という回答はないと思いますが、職種間の風通しがよい施設では以下のような工夫が多く見られます。
まず、(1)については組織図の上での各職種の縦割りをなくし、すべての職種で構成される「生活支援部」のような一つのチームを作るのが有効ではないかと思います。そのうえで、ベテランの相談員(ソーシャルワークだけでなく、看護、介護の知識にも長けている人材がベスト)などに、チームを統括する役割を担ってもらい、現場からの報告はここに集中させます。
同時に、(2)について、短期目標ごとのケアカンファレンス(モニタリング会議)を2〜3日に1回程度のペースで開催します。会議の頻度は多くなりますが、1回につき1テーマで15分程度という短時間に集中させ、これによって職種同士が対等に話す習慣を築くことを狙います。会議では、ケアマネジャーは各職種の意見を聞き、スムーズに司会進行を行なうことに専念しましょう(そのため、できれば専任体制が理想的だと思います)。
この(1)、(2)を進めるうえで、最初は現場から「うまく機能しない」などの不満の声が必ず上がってくることと思います。従来の看護主任、介護主任は、ここで「不満を聞く」役割に徹しながら、主任同士が吸い上げた不満を管理者会議のような形で交換します。そして、特に不満が強い担当者や部署に対して、マネジメントを行いながら不満が内部にたまらないような配慮を施すようにします。
このように、現場からの“風圧”がケアマネジャーなど特定の職種に集中しないような仕組みを整えることが、組織の改革においては絶対に必要になると考えてください。
(回答者:田中元)