家族が在宅復帰に消極的です
老人保健施設に勤務するケアマネジャーです。入所者のなかには、ADL面などで十分在宅に戻れる人もいますが、家族側が在宅復帰に消極的なため、なかなか戻ることができません。この場合、どのように家族を説得すればいいでしょうか。在宅復帰を前面に押し出さず、家族をフォローしながら
在宅復帰に関しては、本人の身体状況だけでなく、家族介護者や家屋、居宅サービス資源の状況なども重要です。これができていないと、復帰後に本人が寝たきり状態になったり、介護者のストレスが虐待などに結びつくリスクも高くなります。
家族が在宅復帰に消極的であるならば、まずはその背景に何があるのかをチームで話し合い、「どうすれば在宅復帰の可能性が高まるのか」を検討します。このあたりは、ケアプランにおける課題分析と同様と考え、在宅復帰プランなどを立案する方法があります。居宅のケアマネジャーに参加してもらえれば、より有効な話し合いができるでしょう。
在宅復帰に結びつける具体的な方法としては、入居時から家族と連絡をとり、家族のなかでの居場所や存在感をなくさないようにしたり、また、いわゆるお試し外泊を繰り返したりといったアプローチが考えられます。また、いつでも再入所や短期入所が可能という保障は家族の安心感にもつながり、在宅復帰への拒否感をやわらげることができます。
重要なのは、在宅復帰を目標とする場合、それのみを目標とするのではなく、「在宅復帰を果たすことで、入居者とその家族がどんな生活を実現できるのか」という点を考えることです。在宅復帰だけを目標にしてしまうと、その空気が家族に伝わってしまうことで、在宅復帰への消極性が払拭できなくなることもあるからです。
目標は入居者によって異なりますが、例えば「在宅において住み慣れた地域の人々との交流を図る」などの長期目標も考えられるでしょう。外泊などを通じて在宅復帰に慣れてもらうといった場合にも、ただ外泊をするのではなく、その際に長期目標が達成できるような仕掛けをほどこしていきます。前述の長期目標であれば、「外泊の際に地域の人々が集まる公園や飲食店などにお連れする」などが考えられます。これを短期目標として設定するわけです。
いずれにせよ、復帰後に少しでもリスクが発生するようであれば、すぐさま再入所できる体制を整え、その旨を家族にきちんと説明しながら安心感を得ていくことが大切です。
(回答者:田中元)
家族が在宅復帰に消極的であるならば、まずはその背景に何があるのかをチームで話し合い、「どうすれば在宅復帰の可能性が高まるのか」を検討します。このあたりは、ケアプランにおける課題分析と同様と考え、在宅復帰プランなどを立案する方法があります。居宅のケアマネジャーに参加してもらえれば、より有効な話し合いができるでしょう。
在宅復帰に結びつける具体的な方法としては、入居時から家族と連絡をとり、家族のなかでの居場所や存在感をなくさないようにしたり、また、いわゆるお試し外泊を繰り返したりといったアプローチが考えられます。また、いつでも再入所や短期入所が可能という保障は家族の安心感にもつながり、在宅復帰への拒否感をやわらげることができます。
重要なのは、在宅復帰を目標とする場合、それのみを目標とするのではなく、「在宅復帰を果たすことで、入居者とその家族がどんな生活を実現できるのか」という点を考えることです。在宅復帰だけを目標にしてしまうと、その空気が家族に伝わってしまうことで、在宅復帰への消極性が払拭できなくなることもあるからです。
目標は入居者によって異なりますが、例えば「在宅において住み慣れた地域の人々との交流を図る」などの長期目標も考えられるでしょう。外泊などを通じて在宅復帰に慣れてもらうといった場合にも、ただ外泊をするのではなく、その際に長期目標が達成できるような仕掛けをほどこしていきます。前述の長期目標であれば、「外泊の際に地域の人々が集まる公園や飲食店などにお連れする」などが考えられます。これを短期目標として設定するわけです。
いずれにせよ、復帰後に少しでもリスクが発生するようであれば、すぐさま再入所できる体制を整え、その旨を家族にきちんと説明しながら安心感を得ていくことが大切です。
(回答者:田中元)