事前の利用者情報が少ない…これで訪問介護に入っていいの?
ホームヘルパーとして仕事をしています。今の事業所は、初めての利用者さんのところには上司が同行するか、電話での説明だけを受けて仕事に入り、計画書や業務手順書などを見せてもらうことがありません。情報が限られて、利用者さんの病歴などがわからないこともあり、サービスに入るのがとても不安です。上司に言っても聞き入れてもらえず、地図だけ送られてくるようなことも…。他の事業所でもあることなのでしょうか?
(Mさん)
目的がわからないままで訪問介護の仕事はできません
まず、ホームヘルパーの仕事は「訪問介護」です。
「なぜその方に訪問介護が必要か」「訪問介護がその方の生活のなかでどんな役割をはたすか」を把握しなければ、訪問介護サービスを提供することはできません。ご質問のような状況ではとても、ヘルパーは適切な介護を提供できないでしょう。
訪問介護事業所は、事業所として、訪問介護の依頼を受けているのですから、上司がサービスを提供するために必要な情報や計画をヘルパーと共有することは当然です。電話で確認できる情報もありますが、ヘルパー自身がこのように不安に思うほど情報不足の状態で訪問するということは考えられません。
私たちの事業所では、新しい利用者さんのサービスに入ってもらうときには、ヘルパーに事前に事業所に一度来てもらいます。そこで利用者さんの個人ファイルを見ながら、サービス提供責任者が基本情報や計画の説明をし、実際のサービスに入ってもらいます。事業所として新規に受けるケースでも同じことで、事前にヘルパーに情報を伝え、利用者さんに関する訪問介護計画を把握してもらいます。更に具体的な業務の内容などを示した個別援助計画書の策定にも、実際にサービスに入るヘルパーにかかわってもらいます。
また、このご質問のケースでは、事業所自体が利用者さんの情報を掴みきれていない、という可能性もあります。
新規利用者の情報は、ケアマネジャーなどから郵送や手渡しでもらうことが多いと思いますが、訪問介護を提供する上で不足した情報があることもあります。その場合はサービス提供責任者などが不足情報を問い合わせ・確認しながら、サービス担当者会議などを経て計画を策定していくことになります。そのプロセスが不十分な場合、事業所はそもそもヘルパーに手渡す情報をもっていないこともあるわけです。
喀痰吸引などが必要な利用者さんならなおさら、病名や医師からの指示内容を把握していなければ、訪問介護はその役割を果たすことはできません。
ホームヘルパーは、『お手伝いさん』ではありません。在宅介護を担う専門職の一人です。その仕事を行うために必要な情報は得ておく必要があります。
『訪問介護事業所 サービス提供責任者仕事ハンドブック 三訂版』では、サービス提供責任者の業務だけでなく、訪問介護事業所が行う業務の全体がわかります。全体像が見えれば、自分が訪問介護を行う際や、事業所とやりとりする際にも自信を持てると思いますので、参考にしていただければと思います。
(回答者:前川 静恵)
「なぜその方に訪問介護が必要か」「訪問介護がその方の生活のなかでどんな役割をはたすか」を把握しなければ、訪問介護サービスを提供することはできません。ご質問のような状況ではとても、ヘルパーは適切な介護を提供できないでしょう。
訪問介護事業所は、事業所として、訪問介護の依頼を受けているのですから、上司がサービスを提供するために必要な情報や計画をヘルパーと共有することは当然です。電話で確認できる情報もありますが、ヘルパー自身がこのように不安に思うほど情報不足の状態で訪問するということは考えられません。
私たちの事業所では、新しい利用者さんのサービスに入ってもらうときには、ヘルパーに事前に事業所に一度来てもらいます。そこで利用者さんの個人ファイルを見ながら、サービス提供責任者が基本情報や計画の説明をし、実際のサービスに入ってもらいます。事業所として新規に受けるケースでも同じことで、事前にヘルパーに情報を伝え、利用者さんに関する訪問介護計画を把握してもらいます。更に具体的な業務の内容などを示した個別援助計画書の策定にも、実際にサービスに入るヘルパーにかかわってもらいます。
また、このご質問のケースでは、事業所自体が利用者さんの情報を掴みきれていない、という可能性もあります。
新規利用者の情報は、ケアマネジャーなどから郵送や手渡しでもらうことが多いと思いますが、訪問介護を提供する上で不足した情報があることもあります。その場合はサービス提供責任者などが不足情報を問い合わせ・確認しながら、サービス担当者会議などを経て計画を策定していくことになります。そのプロセスが不十分な場合、事業所はそもそもヘルパーに手渡す情報をもっていないこともあるわけです。
喀痰吸引などが必要な利用者さんならなおさら、病名や医師からの指示内容を把握していなければ、訪問介護はその役割を果たすことはできません。
ホームヘルパーは、『お手伝いさん』ではありません。在宅介護を担う専門職の一人です。その仕事を行うために必要な情報は得ておく必要があります。
『訪問介護事業所 サービス提供責任者仕事ハンドブック 三訂版』では、サービス提供責任者の業務だけでなく、訪問介護事業所が行う業務の全体がわかります。全体像が見えれば、自分が訪問介護を行う際や、事業所とやりとりする際にも自信を持てると思いますので、参考にしていただければと思います。
(回答者:前川 静恵)