介護報酬で通院介助の援助内容が算定できるのは、指定訪問介護事業者の訪問介護員による身体介護か通院等乗降介助を行った場合です。
　Ｂさんは、デイサービスセンターからの通院介助（身体介護）を希望していますが、たとえ指定訪問介護事業者の訪問介護員が行う場合でも、介護保険法第７条に、訪問介護は「居宅において行われるもの」と位置づけられているように、原則は居宅→病院→居宅で、居宅が起点でないと算定はできません。
　また、急な状態変化でデイサービスセンターから直接スタッフが通院介助を行った場合でも、介護報酬の算定はできず、緊急時の対応については、契約時にＢさんや家族とよく話し合い、取り決めておく必要があります。
　定期的な通院の場合、Ｂさんの身体的負担を考えるのであれば、通院日とデイサービス利用日が重ならないようスケジュールを見直すことも必要ではないかと思いますが、Bさんがどうしても同じ日に通院介助を希望する場合は、家族のサポートも含めた他の社会資源を検討しましょう。
　まずは、デイサービスからの通院を希望する理由が何か（デイサービスセンターと病院が近い、デイサービスの友人関係が良好で病院も担当医が勤務する曜日が限られている、どちらも曜日をずらせない……）を把握し、その対応方法をＢさんや家族と一緒に考えるとよいでしょう。
（回答者：笠原泰子）