第7回 再就職先でプライドを傷つけられたCさんのリカバリー
Cさんを襲ったきつい一撃
Cさん(男性)は、あと2年で60歳になります。しかし、会社の事情でリストラ退職を余儀なくされました。これまで、人事や労務などの仕事をこなし、部長にもなりました。
そういったキャリアを活かそうと、友人に紹介され、今度はコンサルティング会社に再就職することができたのです。
しかしその数か月後から、寝つきが悪くなったり、早朝に覚醒があったりして、よく眠れない日々が続くようになりました。また周りから何か言われたり、テレビを見ていて悲しい場面があると、すぐに泣けてしまいました。考えてみると、再就職したことによって給料が下がり、職場環境にも慣れていないため、気を遣ったりストレスになることが多いのは確かでした。
しかし、Cさんにとってもっともきつかったのは、そんなことではなかったのです。
そういったキャリアを活かそうと、友人に紹介され、今度はコンサルティング会社に再就職することができたのです。
しかしその数か月後から、寝つきが悪くなったり、早朝に覚醒があったりして、よく眠れない日々が続くようになりました。また周りから何か言われたり、テレビを見ていて悲しい場面があると、すぐに泣けてしまいました。考えてみると、再就職したことによって給料が下がり、職場環境にも慣れていないため、気を遣ったりストレスになることが多いのは確かでした。
しかし、Cさんにとってもっともきつかったのは、そんなことではなかったのです。
誰にも言えないストレスの表出
「何でこんなこともわからないの? 常識でしょう!」
「よくそれで人事部長までやってたね」
「ここに来たら、一からやり直しだよ」
それも他の同僚たちの前でやられるので、ひどくプライドが傷ついてしまいました。年功序列だった前の職場では、こんなことはなかったからです。
Cさんは、そんなとき決まって、「こんな仕事に就かなければ良かった。いっそのこと、辞めてしまおうか」と思ってしまうのです。そして、給料が下がったことも、職場環境の変化も、すべて後悔の種に思えてしまうのです。よく眠れないことも、涙もろくなることも、誰にも言えないCさんのストレスの表現だったのです。
カウンセラーが思いに寄り添うことで回復
その後、Cさんは、こっそりとカウンセリングにやってきました。
最初は躊躇していたCさんだったのですが、カウンセラーが「私に話ができそうですか」と伝えると、堰を切ったように話し出しました。
カウンセラーは、Cさんの気持ちをよく理解し、「そんな苦しいなかで、どうやって自分を支えてきたんですか?」と尋ねました。
Cさんは「まだ息子も大学生なので、仕事を辞めるわけにはいきません。女房にも心配をかけたくないと思って、頑張ろうと自分に言い聞かせていました」と答えました。
カウンセラーが「もし私があなただったら、同じように苦しんだと思います」と伝えると、Cさんは「本当ですか? こんなこと恥ずかしくて誰にも言えませんでした。ここに来て良かったです」と言って帰りました。
2回目に来所したときは、表情がとても明るくなり、「何とかやっています。上司の小言はやり過ごしています」と言いました。
最初は躊躇していたCさんだったのですが、カウンセラーが「私に話ができそうですか」と伝えると、堰を切ったように話し出しました。
カウンセラーは、Cさんの気持ちをよく理解し、「そんな苦しいなかで、どうやって自分を支えてきたんですか?」と尋ねました。
Cさんは「まだ息子も大学生なので、仕事を辞めるわけにはいきません。女房にも心配をかけたくないと思って、頑張ろうと自分に言い聞かせていました」と答えました。
カウンセラーが「もし私があなただったら、同じように苦しんだと思います」と伝えると、Cさんは「本当ですか? こんなこと恥ずかしくて誰にも言えませんでした。ここに来て良かったです」と言って帰りました。
2回目に来所したときは、表情がとても明るくなり、「何とかやっています。上司の小言はやり過ごしています」と言いました。
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