第3回 無気力、無頓着になって、服を着るのも面倒になったCさん
突然、Cさんを襲った身体の不調
Cさん(女性56歳・独身)は、つい最近まではおしゃれが大好きでどんな服を着ていこうか、コーディネートはどうしたらいいかと毎日考えるのが楽しみの一つでした。フリーライターとして精力的に仕事をこなし、若い頃から経済的にも自立してきました。
しかし、そんなある日、Cさんを身体の不調が突然襲いました。原因不明のめまい、動悸、発汗、不眠、しびれ、疲労感や倦怠感などがどっと押し寄せてきて、仕事も日常生活も手につかなくなったのです。
しかし、そんなある日、Cさんを身体の不調が突然襲いました。原因不明のめまい、動悸、発汗、不眠、しびれ、疲労感や倦怠感などがどっと押し寄せてきて、仕事も日常生活も手につかなくなったのです。
自分でも“おかしい”と募る不安
その辺りから自分でもおかしいと思い始めました。
何か大変な病気になったのではと不安が募り、いくつかの病院にも行ったのですが、原因はわからずじまいでした。最後に婦人科を受診したところ、「更年期障害」の症状だと言われたのです。Cさんはそれを聞いて、ようやくほっとすることができました。
原因は「更年期障害」だった
更年期障害は、女性の場合では卵巣機能の衰退や女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に低下した場合に症状が強く出ます。ひどい場合にはホルモン療法を実施したり、自立神経調整薬等の薬物療法を行いますが、こういった症状が出ているときに心理的なストレスが加わると、さらにその症状が悪化するため、精神安定薬も処方されます。
自分だけでなく、母のことまで……
更年期障害もストレス性の疾患の一つにあげられています。
Cさんの場合も悩みがありました。田舎で一人暮らしをしている母親が体調を崩し、日常生活に支障をきたしているということでした。
Cさんの兄夫婦が近くに住んではいるのですが、関係があまり良くないため、母親は、毎日のようにCさんに電話をかけてくるようになったというのです。「自分の体調すら思うようにならないのに、母のことまで……」そう思うと、Cさんは落ち込んでしまい、抑うつ感を覚えるというものでした。
Cさんの場合も悩みがありました。田舎で一人暮らしをしている母親が体調を崩し、日常生活に支障をきたしているということでした。
Cさんの兄夫婦が近くに住んではいるのですが、関係があまり良くないため、母親は、毎日のようにCさんに電話をかけてくるようになったというのです。「自分の体調すら思うようにならないのに、母のことまで……」そう思うと、Cさんは落ち込んでしまい、抑うつ感を覚えるというものでした。
悩みが解決することで治まる症状
そこでカウンセラーは、心療内科も受診するように勧め、抗うつ剤が処方されました。結局、話し合いになり、母親は老健施設に入所することになりました。4年ほど続いた症状はようやく出口が見え、Cさんは元気になりました。
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