ケアサービスを提供するうえで、鍵となる“記録”。その役割を再確認し、実践に活かすにはどうしたらよいか、考えてみましょう。本連載では、施設における“記録”を取り上げていきます。
第21回 介護記録のコンプライアンス―法的枠組み―(6)
『研修記録』
6回にわたりお伝えしてきた「介護記録のコンプライアンス―法的枠組み―」も、今回で最後になります。その最後を飾る「記録」が「研修記録」です。
研修記録は、今まで取り上げた記録とは異なり、運営規定の条文上に明確にその必要性が示されているわけではありません。しかし、ケアサービスに従事する者にとって「質の向上」は決して避けては通れないことなので、その重要性は、今まで取り上げた記録と何の遜色のないものと言えます。
その証拠に、ケアサービスの事業所、特に「施設系サービス」を行っている事業所であれば尚更ですが、全く「研修」を行ったことがないということや、その記録が全く残っていないということは皆無に等しいでしょう。
では、その残し方はきちんとしたものになっているでしょうか? 今回は、その点を取り上げたいと思います。
研修記録は、今まで取り上げた記録とは異なり、運営規定の条文上に明確にその必要性が示されているわけではありません。しかし、ケアサービスに従事する者にとって「質の向上」は決して避けては通れないことなので、その重要性は、今まで取り上げた記録と何の遜色のないものと言えます。
その証拠に、ケアサービスの事業所、特に「施設系サービス」を行っている事業所であれば尚更ですが、全く「研修」を行ったことがないということや、その記録が全く残っていないということは皆無に等しいでしょう。
では、その残し方はきちんとしたものになっているでしょうか? 今回は、その点を取り上げたいと思います。
研修記録の残し方
なぜ、改めて「コンプライアンス」のこの回で取り上げているのか不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は、「研修記録」は、記録として存在はしていても、その機能を全く果たしていないものが巷に氾濫している状況があるからなのです。
今一度、あなたの施設の「研修記録」を確認してみてください。「研修記録」として何が残っていますか?
研修の「実施日時」、「テーマ(講師名含む)」、「参加者(受講者)」程度の情報を一覧表か何かで「研修記録」として残しているのでしょうか?
もしそうだとしたら、それは「研修記録」として機能していない恐れがあります。なぜならば、そこからは大事なことが抜け落ちているからです。
例えば、外部研修に参加した場合、「実施日時」「テーマ(講師名含む)」「参加者(受講者)」程度しか明記していないと、その受講の真偽が問われた際に、本当に受講したかどうかを証明することができません。受講したことを証明するためには、研修の「内容」を明記しておく必要があります。明確な「内容」を記録しておかないと「研修記録」としては成立しないのです。
それには、参加(受講)者が詳細なレポートを作成するのも一つの手ですが、手軽に活用できるのが、研修当日配布される「レジュメ」です。このレジュメ(参加(受講)者が当日メモを書き込んだものでよいので)を複写して、「研修記録」に綴じ込むことで、「内容」証明として「記録」に活かすことができます。
今一度、あなたの施設の「研修記録」を確認してみてください。「研修記録」として何が残っていますか?
研修の「実施日時」、「テーマ(講師名含む)」、「参加者(受講者)」程度の情報を一覧表か何かで「研修記録」として残しているのでしょうか?
もしそうだとしたら、それは「研修記録」として機能していない恐れがあります。なぜならば、そこからは大事なことが抜け落ちているからです。
例えば、外部研修に参加した場合、「実施日時」「テーマ(講師名含む)」「参加者(受講者)」程度しか明記していないと、その受講の真偽が問われた際に、本当に受講したかどうかを証明することができません。受講したことを証明するためには、研修の「内容」を明記しておく必要があります。明確な「内容」を記録しておかないと「研修記録」としては成立しないのです。
それには、参加(受講)者が詳細なレポートを作成するのも一つの手ですが、手軽に活用できるのが、研修当日配布される「レジュメ」です。このレジュメ(参加(受講)者が当日メモを書き込んだものでよいので)を複写して、「研修記録」に綴じ込むことで、「内容」証明として「記録」に活かすことができます。
省力化を図ることも重要
ところで、外部の研修だと、書籍が資料として配布されたり、行政担当者の基調報告で、かなり詳細な「報告書」が配布されたりすることも多いと思いますが、それも「内容」として、綴じ込む必要があると思いますか?
これについては、記録の鉄則「無駄な事は極力省く」を活かし、その書籍や報告書の題名のみを示し、「どこに(誰が)保管しているのか」を明確にしておけばそれで充分だとご理解ください。表紙のみ複写して、それに一言、所在を明記するのもよい方法でしょう。
ご説明してきたこれらの方法は、内部研修でも適用できます。資料をご覧ください。内部研修で講師を務める人は、このようなレジュメを必ず作成し、配布しておく必要があります。講師は、(1)研修名(2)実施期日(年を忘れずに!)(3)テーマ及び講師名(所属役職)(4)講義の簡単なポイント等を盛り込むことを忘れないようにしてください。
あとは、これを「内容」として「研修記録」に閉じ込めば、記録としては完成です。今後、「研修記録」の重要性が益々高まることは、21年度の「介護報酬改正」にも現れている通りです。あまり手間をかけずにできることでもあるので、これを契機に整備されることをおすすめします。
これについては、記録の鉄則「無駄な事は極力省く」を活かし、その書籍や報告書の題名のみを示し、「どこに(誰が)保管しているのか」を明確にしておけばそれで充分だとご理解ください。表紙のみ複写して、それに一言、所在を明記するのもよい方法でしょう。
ご説明してきたこれらの方法は、内部研修でも適用できます。資料をご覧ください。内部研修で講師を務める人は、このようなレジュメを必ず作成し、配布しておく必要があります。講師は、(1)研修名(2)実施期日(年を忘れずに!)(3)テーマ及び講師名(所属役職)(4)講義の簡単なポイント等を盛り込むことを忘れないようにしてください。
あとは、これを「内容」として「研修記録」に閉じ込めば、記録としては完成です。今後、「研修記録」の重要性が益々高まることは、21年度の「介護報酬改正」にも現れている通りです。あまり手間をかけずにできることでもあるので、これを契機に整備されることをおすすめします。