ケアサービスを提供するうえで、鍵となる“記録”。その役割を再確認し、実践に活かすにはどうしたらよいか、考えてみましょう。本連載では、施設における“記録”を取り上げていきます。
第13回 他者に伝える(6)
情報共有の“Key Word”『ツール(道具)の活用(2)』
前回から、「文字」のかわりに活用できる便利な情報伝達・共有のツール(道具)をご紹介していますが、もう一つ便利なツールをご紹介します。
家族の情報を視覚的にするツール
このツールは、ケアサービスを実践するために欠かせない情報である「利用者を取り巻く人的環境」、つまり「人間関係」について、伝達・共有するためのツールです。
利用者の人的環境と言っても様々ですが、このツールは、その中でも最も重要な家族関係を表す「家族構成図(若しくは世代間関係図)」を作成するために用います。名前をジェノグラム(genogram)と言います。
ジェノグラムは、利用者を取り巻く家族の情報を、視覚的に捉え、他者に伝達するのに非常に有効です。特に、高齢者を取り巻く血縁関係は、複雑な場合も多く、それを「文字」で他者に伝えるのは非常に困難を伴いますが、このジェノグラムを用いると、比較的簡単に共有することができます。
利用者の人的環境と言っても様々ですが、このツールは、その中でも最も重要な家族関係を表す「家族構成図(若しくは世代間関係図)」を作成するために用います。名前をジェノグラム(genogram)と言います。
ジェノグラムは、利用者を取り巻く家族の情報を、視覚的に捉え、他者に伝達するのに非常に有効です。特に、高齢者を取り巻く血縁関係は、複雑な場合も多く、それを「文字」で他者に伝えるのは非常に困難を伴いますが、このジェノグラムを用いると、比較的簡単に共有することができます。
実際に使うには
ジェノグラムという名前だけ見ると、非常に複雑で、その技術を会得するのに、時間と労力を必要としそうな気がしますが、基本は非常に単純で明快です。資料として、その基本的なルール(図1)と例(図2)を掲載しておきますので、自分で一度描いてみてください。
ただ、その際に、書き慣れていない方は、広めのスペースを確保して描くことをおすすめします。慣れてくれば、情報を得た段階で「このくらいの家族関係であれば、この程度の広がりで済む」という判断も可能ですが、慣れていないと、情報を整理する段階で、次から次へと「新しい関係」が見つかり、スペースに収まりきれないという事態が発生しがちです。
また、利用者とインテーク面接等を行う際に、利用者の目の前でジェノグラムを描いていくと、混乱しがちな利用者の血縁関係が意外とスムーズに情報として入手できることがあります。ぜひこれも現場で試し、活用していただければと思います。
ただ、その際に、書き慣れていない方は、広めのスペースを確保して描くことをおすすめします。慣れてくれば、情報を得た段階で「このくらいの家族関係であれば、この程度の広がりで済む」という判断も可能ですが、慣れていないと、情報を整理する段階で、次から次へと「新しい関係」が見つかり、スペースに収まりきれないという事態が発生しがちです。
また、利用者とインテーク面接等を行う際に、利用者の目の前でジェノグラムを描いていくと、混乱しがちな利用者の血縁関係が意外とスムーズに情報として入手できることがあります。ぜひこれも現場で試し、活用していただければと思います。