ケアサービスを提供するうえで、鍵となる“記録”。その役割を再確認し、実践に活かすにはどうしたらよいか、考えてみましょう。本連載では、施設における“記録”を取り上げていきます。
第2回 記録を残す
さて、第2回では、「記録を残す」ということの目的について、考えることにいたします。
まず、ケアサービスが支えているのは、利用者という一人の人間の生きる営みです。サービス提供者は、その営みに休みなく係わり続けなければなりません。
また、人の営みは大変デリケートなものであり、プライベートな部分も多いことから、できれば、係わる提供者は限られた範囲である方が望ましいのかもしれません。
しかし、現実的にはそれは不可能なことですし、よしんば、それを行えたとしても、いずれはどこかに重大な歪みが生じることは容易に予測することができます。
例えば、提供者自身が過重な労働を強いられることにより、疲労を蓄積させ、事故を誘発させてしまったり、提供者の偏った価値判断に基いて一方的なサービスの提供を押し付けてしまい、利用者の生活の質そのものを落とし込める結果を招いてしまうこと等が考えられます。
そうならないためにも、提供者は個人としてではなく、プロの集団として適切なサービスの提供に努めることになります。
それが「チームケア」ということになります。「チームケア」で対応するということは、様々な経験や考え方を持った者が、様々な場面において利用者と係わってサービスを提供していくということになります。
「チームケア」において、様々な情報を共有するためにも、記録が必要となるのです。
まず、ケアサービスが支えているのは、利用者という一人の人間の生きる営みです。サービス提供者は、その営みに休みなく係わり続けなければなりません。
また、人の営みは大変デリケートなものであり、プライベートな部分も多いことから、できれば、係わる提供者は限られた範囲である方が望ましいのかもしれません。
しかし、現実的にはそれは不可能なことですし、よしんば、それを行えたとしても、いずれはどこかに重大な歪みが生じることは容易に予測することができます。
例えば、提供者自身が過重な労働を強いられることにより、疲労を蓄積させ、事故を誘発させてしまったり、提供者の偏った価値判断に基いて一方的なサービスの提供を押し付けてしまい、利用者の生活の質そのものを落とし込める結果を招いてしまうこと等が考えられます。
そうならないためにも、提供者は個人としてではなく、プロの集団として適切なサービスの提供に努めることになります。
それが「チームケア」ということになります。「チームケア」で対応するということは、様々な経験や考え方を持った者が、様々な場面において利用者と係わってサービスを提供していくということになります。
「チームケア」において、様々な情報を共有するためにも、記録が必要となるのです。
(1)「記録」は利用者の状態や心理面および生活環境を把握する
第一の目的「利用者の生活の証を記す」とは、どういう事でしょうか?
例えば、「食事を残す」という日常的にありがちな行為も、支援するケアサービスにおいては重要な意味を含んでいることが多く、それを単に事実のみを「記録」していても利用者の本当の生活は把握できないと考えられます。
つまり、「利用者の生活の証を記す」とは、「なぜ食事を残したのか」等、なぜ?を確認できるようにすることなのです。
日々意識して「利用者の生活の証」を記していれば、利用者の健康状態や、心理状態が見えてきます。
そうすると、たとえある日の「記録」が単なる事実の記載のみで終わっていたとしても、サービス提供者が「記録」の重要性、必要性を認識して、その時の記録と前後の記録を照らし合わせれば、何が問題なのか、今利用者に何が起こっているのかを捉えることが可能になります。それができれば、自ずと次に何をやるべきか明確になるはずです。
例えば、「食事を残す」という日常的にありがちな行為も、支援するケアサービスにおいては重要な意味を含んでいることが多く、それを単に事実のみを「記録」していても利用者の本当の生活は把握できないと考えられます。
つまり、「利用者の生活の証を記す」とは、「なぜ食事を残したのか」等、なぜ?を確認できるようにすることなのです。
日々意識して「利用者の生活の証」を記していれば、利用者の健康状態や、心理状態が見えてきます。
そうすると、たとえある日の「記録」が単なる事実の記載のみで終わっていたとしても、サービス提供者が「記録」の重要性、必要性を認識して、その時の記録と前後の記録を照らし合わせれば、何が問題なのか、今利用者に何が起こっているのかを捉えることが可能になります。それができれば、自ずと次に何をやるべきか明確になるはずです。
(2)「記録」は提供者の支援の内容を明確にする
「チームケア」を行う際、係わる各々が、個人の判断・考えにおいてサービスを提供したらどうなるでしょうか?
また、提供者によってサービスの手順が異なっていたり、技量に明らかな差があったりしたらどうでしょうか?
さらに、利用者から貴重な情報の提供があったのに、一人の提供者がそれを抱え込んでしまい、他の従事者と共有しなければどうなるでしょうか?
以上のこと、どれが発生してもケアサービスは停滞するし、放置すれば、利用者とのトラブルや、重篤な事故につながりかねません。そうならないためにも重要なのが、適切な「記録」を残し、他のメンバーと「共有」することなのです。
つまり「記録」を適切に作成することにより、一個人の知識、技量、アイデア、経験、感覚等を他のメンバーにつなぎ、様々な情報等をチーム間の周知の事実として共有することができるのです。
また、そうすることによって、チーム全体のスキルを高め、サービスの質の均一化(均質化)を図ることができます。
「個人の知」を「組織の知」へ。これが、「記録」の第二の目的「提供者の支援の証を残す」ということになります。
また、提供者によってサービスの手順が異なっていたり、技量に明らかな差があったりしたらどうでしょうか?
さらに、利用者から貴重な情報の提供があったのに、一人の提供者がそれを抱え込んでしまい、他の従事者と共有しなければどうなるでしょうか?
以上のこと、どれが発生してもケアサービスは停滞するし、放置すれば、利用者とのトラブルや、重篤な事故につながりかねません。そうならないためにも重要なのが、適切な「記録」を残し、他のメンバーと「共有」することなのです。
つまり「記録」を適切に作成することにより、一個人の知識、技量、アイデア、経験、感覚等を他のメンバーにつなぎ、様々な情報等をチーム間の周知の事実として共有することができるのです。
また、そうすることによって、チーム全体のスキルを高め、サービスの質の均一化(均質化)を図ることができます。
「個人の知」を「組織の知」へ。これが、「記録」の第二の目的「提供者の支援の証を残す」ということになります。