ケアサービスを提供するうえで、鍵となる“記録”。その役割を再確認し、実践に活かすにはどうしたらよいか、考えてみましょう。本連載では、施設における“記録”を取り上げていきます。
第19回 介護記録のコンプライアンス―法的枠組み―(4)
『提供サービス記録』(3)
個々の利用者について、日々の「具体的なサービス内容」を明記した記録を残す必要に迫られている現状は前回ご説明しました。
それでは、その要件を満たす記録を残していくにはどのような方法(様式)が考えられるのでしょうか? 全く新たな様式を取り入れなければ不可能なのでしょうか? それは忙しい現場の状況を考えると避けたいところです。
なるべく効率的に導入を図る方法はないでしょうか?
そこで着目したのが、「施設サービス計画書」と「バイタルチェック表」です。これを改良してみましょう。
それでは、その要件を満たす記録を残していくにはどのような方法(様式)が考えられるのでしょうか? 全く新たな様式を取り入れなければ不可能なのでしょうか? それは忙しい現場の状況を考えると避けたいところです。
なるべく効率的に導入を図る方法はないでしょうか?
そこで着目したのが、「施設サービス計画書」と「バイタルチェック表」です。これを改良してみましょう。
「施設サービス計画書」を利用
まずは、資料1と資料2をご覧ください。
見ておわかりいただけるように、資料1は、「施設サービス計画書」の第3表「週間サービス計画表」を、資料2は第4表「日課計画表」を応用したものです。
資料1のAと資料2のA、Bの欄には、それぞれ元の「施設サービス計画書」の該当欄をそのまま転記します。そして、実際行ったサービスと計画との間に「ズレ」(サービスの中止、変更、時間のズレ等)が生じた場合、その箇所を訂正・修正します。
このときは、修正液などは使わずに、一本線を引くなどの方法で対処してください。そうすることで、計画と実際の具体的なサービス内容の状況がチェックできます。
さらに、資料1のB、Cの欄、資料2のCの欄は、「気づき」を記載する「特記事項欄」です。ただし、資料1のC欄は、「備考欄」的な使用がより現実的だと思います。
ここで、資料1と資料2のどちらを使うかは、皆さんのいる施設の計画書が「週間表」を用いているか、「日課表」を用いているかによります。法令では、どちらを採用するかは「事業者裁量」となっていますので、施設の実情に合わせて選択していただければよいでしょう。
資料1のAと資料2のA、Bの欄には、それぞれ元の「施設サービス計画書」の該当欄をそのまま転記します。そして、実際行ったサービスと計画との間に「ズレ」(サービスの中止、変更、時間のズレ等)が生じた場合、その箇所を訂正・修正します。
このときは、修正液などは使わずに、一本線を引くなどの方法で対処してください。そうすることで、計画と実際の具体的なサービス内容の状況がチェックできます。
さらに、資料1のB、Cの欄、資料2のCの欄は、「気づき」を記載する「特記事項欄」です。ただし、資料1のC欄は、「備考欄」的な使用がより現実的だと思います。
ここで、資料1と資料2のどちらを使うかは、皆さんのいる施設の計画書が「週間表」を用いているか、「日課表」を用いているかによります。法令では、どちらを採用するかは「事業者裁量」となっていますので、施設の実情に合わせて選択していただければよいでしょう。
「バイタルチェック表」を利用
次に、「バイタルチェック表」に着目した記録方法が資料3と資料4です。どちらも、バイタルや日々の具体的なサービス内容をチェックし「データ」として残す欄と、「気づき」を文章で残す「特記事項」を組み合わせて作成したものです。
資料3は「個人」に照準を合わせ、一人の利用者の月間のサービス記録を一枚の紙に記載するものです。
資料4は「集団」に照準を合わせ、複数名の記録を日々残していくものです。
どちらも一長一短がありますが、資料4は、ユニットケアを行う際の記載方法として適していると思われます。
資料4は「集団」に照準を合わせ、複数名の記録を日々残していくものです。
どちらも一長一短がありますが、資料4は、ユニットケアを行う際の記載方法として適していると思われます。
ほんの少しの工夫
以上、「どのようなサービスをどんな目的で行い、どういう結果が発生したのか」という具体的な記録を残すという「要件」を反映できる様式4例をご紹介しました。
このように日々のサービス内容のチェック欄と「気づき」を記載する「特記事項」欄を組み合わせることで、要件にあった「提供サービス記録」を作成することが可能だとご理解いただければ幸いです。
このように日々のサービス内容のチェック欄と「気づき」を記載する「特記事項」欄を組み合わせることで、要件にあった「提供サービス記録」を作成することが可能だとご理解いただければ幸いです。
参考文献
『オリジナル様式から考えるケアマネジメント実践マニュアル 施設編』NPO法人神奈川県介護支援専門員協会編集 中央法規出版