Vol.95 年金の損得はここがポイント(26)〜60歳以後の給料と年金の両方を受け取るには〜
川村匡由(社会福祉学者・行政書士有資格者)
65歳以上の場合はこうなる
前回は、65歳未満の場合を説明しました。
一方、65歳以上の場合、本来支給の老齢厚生年金の基本月額+総報酬相当額、すなわち、給料の場合、合計が月額48万円以下なら老齢厚生年金は全額支給されます。これに対し、月額48万0001円以上なら老齢厚生年金の一部が支給停止となります。
具体的には次の図をご参照下さい。
一方、65歳以上の場合、本来支給の老齢厚生年金の基本月額+総報酬相当額、すなわち、給料の場合、合計が月額48万円以下なら老齢厚生年金は全額支給されます。これに対し、月額48万0001円以上なら老齢厚生年金の一部が支給停止となります。
具体的には次の図をご参照下さい。
65歳以上の在職老齢年金の支給停止のしくみ
出典:社会保険庁ホームページ
そこで、このような在職老齢年金の制度をどう活用するかがポイントになりますので、それぞれの定年の年齢や再就職の見込み、さらに、老後の生活設計を考える場合、注意したいものです。
ちなみに、筆者の知人の元会社員、Aさんは60歳で定年退職し、会社の元取引先であるB社から再就職を請われたため、雇用条件を聞いたところ、「63歳まで採用し、勤務は週5日。給料は月額20万円」ということでした。
Aさんの特別支給の老齢厚生年金は月額20万円になりますので、老齢厚生年金の基本月額+総報酬相当額、すなわち、給料の合計が月額28万円以下となるよう、「月額8万円でいいから週2日で…」と希望しましたが、「いや、週5日は何とかお願いしたい」といわれました。これにはAさん、「この年になっても週5日とは…」と再就職を断念し、老親の介護に備えてホームヘルパーの資格を取ることにしました。
考えてみれば、このAさんのように経済的な見通しが少しでも立てれば、無理して再就職するよりも老後に備えたり、地域でボランティア活動を始めたりして、世の中の役立つ生き方の方を選択してもいいかも知れません。
次回も、「年金の損得はここがポイント」についてお話ししましょう。11月6日の更新の予定です。
そこで、このような在職老齢年金の制度をどう活用するかがポイントになりますので、それぞれの定年の年齢や再就職の見込み、さらに、老後の生活設計を考える場合、注意したいものです。
ちなみに、筆者の知人の元会社員、Aさんは60歳で定年退職し、会社の元取引先であるB社から再就職を請われたため、雇用条件を聞いたところ、「63歳まで採用し、勤務は週5日。給料は月額20万円」ということでした。
Aさんの特別支給の老齢厚生年金は月額20万円になりますので、老齢厚生年金の基本月額+総報酬相当額、すなわち、給料の合計が月額28万円以下となるよう、「月額8万円でいいから週2日で…」と希望しましたが、「いや、週5日は何とかお願いしたい」といわれました。これにはAさん、「この年になっても週5日とは…」と再就職を断念し、老親の介護に備えてホームヘルパーの資格を取ることにしました。
考えてみれば、このAさんのように経済的な見通しが少しでも立てれば、無理して再就職するよりも老後に備えたり、地域でボランティア活動を始めたりして、世の中の役立つ生き方の方を選択してもいいかも知れません。
次回も、「年金の損得はここがポイント」についてお話ししましょう。11月6日の更新の予定です。
(2009年10月23日)