Vol.99 老後生活費の調達のポイントはここ(2)〜老後の生活費の上手な調達法(下)
川村匡由(社会福祉学者・行政書士有資格者)
会社員、Aさん夫婦の老後設計
ここで、知人の会社員、Aさんご夫婦の場合をご紹介しましょう。
Aさんは現在、プレ団塊世代の55歳で、専業主婦の妻と大学生の長男、それに義母の3人暮らしで、都下に住んでいます。Aさんは、これまで年金や老後のことなどまったく関心がなかったのですが、最近、妻から促される形で老後設計を妻と一緒に考えるようになりました。
そのAさんが妻とまず検討したのが定年の年齢で、会社に聞いたところ、自分は61歳で定年退職しなければならない。また、その後の子会社などへの再就職の紹介は不景気のため、無理だとわかりました。
Aさんは現在、プレ団塊世代の55歳で、専業主婦の妻と大学生の長男、それに義母の3人暮らしで、都下に住んでいます。Aさんは、これまで年金や老後のことなどまったく関心がなかったのですが、最近、妻から促される形で老後設計を妻と一緒に考えるようになりました。
そのAさんが妻とまず検討したのが定年の年齢で、会社に聞いたところ、自分は61歳で定年退職しなければならない。また、その後の子会社などへの再就職の紹介は不景気のため、無理だとわかりました。
毎月20万円の調達が可能なため、個人年金には加入せず
そこで、肝心の公的年金ですが、65歳にならないと満額にならないものの、61歳から毎月3万円の厚生年金基金、さらに個人年金の一種で、毎月、給料から天引きされて掛金を納めている財形年金(貯蓄)が、61歳から毎月約10万円出ることがわかりました。妻はAさんよりも3歳年下のため、Aさんが64歳になった時点で、国民年金からの老齢基礎年金(毎月約6万円)の受給は見込めません。
しかし、今までの預貯金を取り崩せば、総額で、現在の毎月の支出である月額20万円に達することがわかりました。このほか、妻がこれまで生命保険やガン保険に掛けているため、老後に健康を患っても公的医療保険や公的介護保険もあるため、何とかなりそうだということもわかりました。
そんなこんなで、毎日、忙しく働いているAさんの影で、実は妻がしっかりと老後に備え、さまざまな手を打っていたおかげで、Aさんは、いずれマイカーを手放す一方、外食も控えれば、とくに個人年金に入らなくても大丈夫だとわかりました。これにはAさん、「持つべきものは先を見通す妻……。ほんとに感謝、感謝です」と、ちょっぴり反省気味ながら、おのろけも。
もちろん、「100年に1度の経済危機」といわれている折、この先、まだまだ予断は許せませんが、Aさんのように、老後設計にあたっては妻など家族と日ごろからよく相談し、公的年金と企業年金、退職金、預貯金、生命保険などをよく調べ、個人年金はあくまでも“第三の年金”と考え、無理に掛けないようにするのも一考でしょう。
しかし、今までの預貯金を取り崩せば、総額で、現在の毎月の支出である月額20万円に達することがわかりました。このほか、妻がこれまで生命保険やガン保険に掛けているため、老後に健康を患っても公的医療保険や公的介護保険もあるため、何とかなりそうだということもわかりました。
そんなこんなで、毎日、忙しく働いているAさんの影で、実は妻がしっかりと老後に備え、さまざまな手を打っていたおかげで、Aさんは、いずれマイカーを手放す一方、外食も控えれば、とくに個人年金に入らなくても大丈夫だとわかりました。これにはAさん、「持つべきものは先を見通す妻……。ほんとに感謝、感謝です」と、ちょっぴり反省気味ながら、おのろけも。
もちろん、「100年に1度の経済危機」といわれている折、この先、まだまだ予断は許せませんが、Aさんのように、老後設計にあたっては妻など家族と日ごろからよく相談し、公的年金と企業年金、退職金、預貯金、生命保険などをよく調べ、個人年金はあくまでも“第三の年金”と考え、無理に掛けないようにするのも一考でしょう。
次回も「老後生活費の調達のポイントはここ」についてお話ししましょう。12月4日更新の予定です。
(2009年11月27日)