Vol.113 老後生活費の調達のポイントはここ(16)〜アパ−ト経営で老後の生活費を調達する(下)
川村匡由(社会福祉学者・行政書士有資格者)
用地の購入から家賃の設定まで
一方、これから用地を探してアパート経営を始めようという人も、入居者を学生など単身世帯か、親子連れや高齢者など夫婦世帯か、入居者の対象を絞り込むとともに、近隣のアパートの入居や新・改築状況を調査します。立地は、最寄りの駅から徒歩10分以内で、かつ都心まで片道30分から1時間以内の閑静な土地などを希望し、不動産仲介業者に物件の紹介を依頼します。
仲介業者はこれを受け、新聞の折り込みチラシやインターネット上で物件を募集しますが、このような業者から連絡を待つだけでなく、その後も頻繁に業者に出入りし、他の依頼者よりも希望の物件をいち早く紹介してもらうよう、コミュニケーションをとります。もちろん、1社だけでなく、複数の業者に売り物件を多数紹介してもらった方が、比較しながら好条件のものを早く探せます。
希望の物件を紹介されたら、必ず現地に何度も足を運び、日照時間や交通量、近隣のまちのたたずまい、近所付き合い、ゴミ出し、町内会・自治会活動、また、建物の建ぺい率や容積率を確認します。そのうえで用地を購入します。その次に、設計・施工業者と契約を結び、間取りや設備・備品などを検討しますが、近隣のアパート、また、将来、できるであろうアパートよりも充実したものとなるよう、予算が多少オーバーしても広めの部屋とします。さらに、オートロックや内階段などを設けたり、キッチンと浴室は分離させたりします。駐輪のスペースも可能な限り設け、エコをアピールするのも手でしょう。
このほか、洗濯物は室内で干せるようにしたり、入居希望者が下見にきたら、即座に契約してくれるような仕上げにしたりします。このような専門書やインターネット、あるいは業者が開催する相談会などで経営のノウハウを習得しましょう。そして、アパートの設計ができたら着工となりますが、その前に近所に挨拶回りをして、工事やアパート経営への協力をお願いします。
家賃は、用地の購入や設備投資が割高になれば高めに設定したいところですが、入居者からみれば建物や設備・備品、環境、セキュリティがよく、また、交通が至便でも安いに越したことはないため、近くに同じような物件がであれば、そちらに流れてしまいます。
そこで、入居者を募集してくれる仲介業者が示す適正家賃か、それよりも若干高めの家賃にとどめ、入居者の募集をしましょう。それというのも、あまりに高すぎて空室が目立つようだと“ブラックリスト”に載せられてしまうからです。その意味で、竣工の時期は引っ越しシーズンの3〜4月がベストですので、このころに入居者を募集するように計画します。
いずれにしても、50代ともなれば定年はもう目の前ですので、用地の購入はもとより、アパートを建てる場合もできれば住宅ローンは組まず、現金で用立てするよう、家族や兄弟に協力をお願いしてから決断した方がいいと思われます。
なお、アパートを一括借り上げし、空室でも家賃を保証するシステムもありますが、入居者が集まらない地域や物件はまず適用されません。また、都心回帰やバブル崩壊後の地価の下落のせいか、ワンルームマンションへの投資や満室の賃貸アパートの譲渡などの話もありますが、どのような事情によるものなのか、よく調べて判断しましょう。
その点、現在住んでいる自宅を改修したり、新築の住宅でも賃貸併用住宅の場合、高額の住宅ローンなどを借りなくても家賃収入が見込めるうえ、固定資産税も軽減されるなど、少ない自己資金で夢が実現し、かつ節税もできるものと思われます。
仲介業者はこれを受け、新聞の折り込みチラシやインターネット上で物件を募集しますが、このような業者から連絡を待つだけでなく、その後も頻繁に業者に出入りし、他の依頼者よりも希望の物件をいち早く紹介してもらうよう、コミュニケーションをとります。もちろん、1社だけでなく、複数の業者に売り物件を多数紹介してもらった方が、比較しながら好条件のものを早く探せます。
希望の物件を紹介されたら、必ず現地に何度も足を運び、日照時間や交通量、近隣のまちのたたずまい、近所付き合い、ゴミ出し、町内会・自治会活動、また、建物の建ぺい率や容積率を確認します。そのうえで用地を購入します。その次に、設計・施工業者と契約を結び、間取りや設備・備品などを検討しますが、近隣のアパート、また、将来、できるであろうアパートよりも充実したものとなるよう、予算が多少オーバーしても広めの部屋とします。さらに、オートロックや内階段などを設けたり、キッチンと浴室は分離させたりします。駐輪のスペースも可能な限り設け、エコをアピールするのも手でしょう。
このほか、洗濯物は室内で干せるようにしたり、入居希望者が下見にきたら、即座に契約してくれるような仕上げにしたりします。このような専門書やインターネット、あるいは業者が開催する相談会などで経営のノウハウを習得しましょう。そして、アパートの設計ができたら着工となりますが、その前に近所に挨拶回りをして、工事やアパート経営への協力をお願いします。
家賃は、用地の購入や設備投資が割高になれば高めに設定したいところですが、入居者からみれば建物や設備・備品、環境、セキュリティがよく、また、交通が至便でも安いに越したことはないため、近くに同じような物件がであれば、そちらに流れてしまいます。
そこで、入居者を募集してくれる仲介業者が示す適正家賃か、それよりも若干高めの家賃にとどめ、入居者の募集をしましょう。それというのも、あまりに高すぎて空室が目立つようだと“ブラックリスト”に載せられてしまうからです。その意味で、竣工の時期は引っ越しシーズンの3〜4月がベストですので、このころに入居者を募集するように計画します。
いずれにしても、50代ともなれば定年はもう目の前ですので、用地の購入はもとより、アパートを建てる場合もできれば住宅ローンは組まず、現金で用立てするよう、家族や兄弟に協力をお願いしてから決断した方がいいと思われます。
なお、アパートを一括借り上げし、空室でも家賃を保証するシステムもありますが、入居者が集まらない地域や物件はまず適用されません。また、都心回帰やバブル崩壊後の地価の下落のせいか、ワンルームマンションへの投資や満室の賃貸アパートの譲渡などの話もありますが、どのような事情によるものなのか、よく調べて判断しましょう。
その点、現在住んでいる自宅を改修したり、新築の住宅でも賃貸併用住宅の場合、高額の住宅ローンなどを借りなくても家賃収入が見込めるうえ、固定資産税も軽減されるなど、少ない自己資金で夢が実現し、かつ節税もできるものと思われます。
次回も「老後生活費の調達のポイントはここ」についてお話しましょう。3月19日に更新の予定です。
(2010年3月12日)