Vol.90 年金の損得はここがポイント(21)特別支給の老齢厚生年金の繰上げ支給
川村匡由(社会福祉学者・行政書士有資格者)
一部繰上げと全部繰上げ
Vol.88で、男性は1941(昭和16)年4月2日〜1949(昭和24)年4月1日生まれ、女性は1946(昭和21)年4月2日〜1954(昭和29)年4月1日生まれの場合、希望すれば60〜64歳から特別支給の老齢厚生年金を受けられることをお話しました(図:老齢厚生年金の特別支給の支給開始年齢を参照)。
そこで、今回は、これに関連し、この人たちに限り、特別支給の老齢厚生年金のうち、定額部分を早く受け取りたいと申し出れば、老齢基礎年金とともに繰上げて受けられることをお話ししましょう。
具体的には、この繰上げには「一部繰上げ」と「全部繰上げ」の2種類があります。
このうち、「一部繰上げ」は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分と老齢基礎年金について、繰上げ支給を申し出た月から、特別支給の開始年齢に到達する月の前月まで、および65歳に達する月の前月までの月数に応じ、月単位で減額されます。もっとも、この定額部分は繰上げ調整額として減額して加算されます。
一方、「全部繰上げ」の場合、特別支給の老齢厚生年金の定額部分は支給停止され、老齢基礎年金についてのみ、繰上げ支給を申し出た月から、65歳に達する月の前月までの月数に応じた減額が行われます。
この結果、一部繰上げ支給の場合、特別支給の老齢厚生年金の定額部分と老齢基礎年金を一体的に繰り上げることになるため、老齢基礎年金の減額率は全部繰上げの場合よりも高くなります。
そこで、今回は、これに関連し、この人たちに限り、特別支給の老齢厚生年金のうち、定額部分を早く受け取りたいと申し出れば、老齢基礎年金とともに繰上げて受けられることをお話ししましょう。
具体的には、この繰上げには「一部繰上げ」と「全部繰上げ」の2種類があります。
このうち、「一部繰上げ」は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分と老齢基礎年金について、繰上げ支給を申し出た月から、特別支給の開始年齢に到達する月の前月まで、および65歳に達する月の前月までの月数に応じ、月単位で減額されます。もっとも、この定額部分は繰上げ調整額として減額して加算されます。
一方、「全部繰上げ」の場合、特別支給の老齢厚生年金の定額部分は支給停止され、老齢基礎年金についてのみ、繰上げ支給を申し出た月から、65歳に達する月の前月までの月数に応じた減額が行われます。
この結果、一部繰上げ支給の場合、特別支給の老齢厚生年金の定額部分と老齢基礎年金を一体的に繰り上げることになるため、老齢基礎年金の減額率は全部繰上げの場合よりも高くなります。
したがって、たとえば60歳0か月から老齢基礎年金の一部繰上げを申し出た場合、定額部分の繰り上げ調整額、および老齢基礎年金の一部繰上げによる受給額は、図2のように計算されます。