Vol.82 年金の損得はここがポイント(13)〜年金便の見方・読み方(1)〜
川村匡由(社会福祉学者・行政書士有資格者)
「宙に浮いた年金」などにならないように
一昨年から今年にかけ、公的年金の加入の記録や受給もれなどの問題がマスコミに「宙に浮いた年金」、あるいは「消えた年金」などと大きく報道され、みなさんも耳にタコができてしまったことでしょう。
しかし、その後、政治とカネをめぐる問題や「派遣切り」、「雇い止め」、「正社員切り」に代表されるような「100年に一度の経済危機」などといわれる問題で霧散霧消したかのように思われがちですが、そうではありません。
安部元総理の「国民のお一人お一人まで、すべて問題を解消します」という公約もどこへやら、その後の福田、麻生首相もまだこの問題に決着がつけらないまま、衆院総選挙を目前に控え、頓挫しているのが実態です。
このようななか、さすがの政府も年金の受給者だけでなく、毎月保険料を納めている現役世代に対し、それぞれの年金の受給額や加入暦などを照会する文書を通知し、問題の解決に当たっています。
しかし、相変わらずのお役所用語で一方的に郵送しているだけですので、多くの国民は自分の年金について関心を持つようになったものの、送られてきた文書をどのように見ればいいのか、わからない人たちも少なくありません。
そこで、今回はこの年金の通知の見方や読み方を説明しましょう。
しかし、その後、政治とカネをめぐる問題や「派遣切り」、「雇い止め」、「正社員切り」に代表されるような「100年に一度の経済危機」などといわれる問題で霧散霧消したかのように思われがちですが、そうではありません。
安部元総理の「国民のお一人お一人まで、すべて問題を解消します」という公約もどこへやら、その後の福田、麻生首相もまだこの問題に決着がつけらないまま、衆院総選挙を目前に控え、頓挫しているのが実態です。
このようななか、さすがの政府も年金の受給者だけでなく、毎月保険料を納めている現役世代に対し、それぞれの年金の受給額や加入暦などを照会する文書を通知し、問題の解決に当たっています。
しかし、相変わらずのお役所用語で一方的に郵送しているだけですので、多くの国民は自分の年金について関心を持つようになったものの、送られてきた文書をどのように見ればいいのか、わからない人たちも少なくありません。
そこで、今回はこの年金の通知の見方や読み方を説明しましょう。
「ねんきん特別便」はこうだ
まず「ねんきん特別便」ですが、これは2008(平成20)年4〜10月、すでに公的年金を受給している人や現役の加入者に対し、過去、いずれの公的年金に加入し、保険料を納めてきたのか、その種類や期間を確かめるため、送られたものです(下・画像)。
そこで、これまでの勤務先やそこで支給された給料から毎月差し引かれた公的年金の種類や加入期間、保険料および標準報酬月額の額をチェックします。
しかし、途中で勤め先を変えたり、会社員から自営業、あるいは公務員から会社員、さらには自営業から会社員や公務員に変わった場合、そのつど、加入する公的年金が厚生年金から共済年金、あるいは国民年金、もしくは新制度に適用されています。このため、国民年金に二重加入していたりするなど、複雑になるので注意が必要となります。
また、女性は、会社員や公務員から結婚退職して専業主婦になったり、子育てを終えて職場復帰したり、また、夫の転職に伴って国民年金の被保険者の資格も第2号被保険者から第3号被保険者、さらには第1号被保険者に変わる場合もあるほか、結婚して苗字が変わったりする場合もありますので、男性以上に確認が必要です。名前の読み方も念のため、確認します。
その意味で、本来なら、年金手帳のほか、当時の保険料の納付済みの証明書(領収書)を保管していれば問題はありませんが、昔のことですので、それが無理なら、適当に回答せず、当時の勤め先や住所と基礎年金番号を明記した年金手帳、給与明細書、家計簿などを近くの社会保険事務所に持参し、確認してもらいましょう。
本来ならこの確認作業は終わっているはずですが、「ねんきん特別便」がいまだに郵送されていない場合、ただちに社会保険事務所に問い合わせましょう。すでに確認届を出したものの、新たに疑問がわいてきた場合も、遠慮なく社会保険事務所に照会しましょう。
次回は「ねんきん定期便」について解説します。7月24日(金)に更新の予定です。
しかし、途中で勤め先を変えたり、会社員から自営業、あるいは公務員から会社員、さらには自営業から会社員や公務員に変わった場合、そのつど、加入する公的年金が厚生年金から共済年金、あるいは国民年金、もしくは新制度に適用されています。このため、国民年金に二重加入していたりするなど、複雑になるので注意が必要となります。
また、女性は、会社員や公務員から結婚退職して専業主婦になったり、子育てを終えて職場復帰したり、また、夫の転職に伴って国民年金の被保険者の資格も第2号被保険者から第3号被保険者、さらには第1号被保険者に変わる場合もあるほか、結婚して苗字が変わったりする場合もありますので、男性以上に確認が必要です。名前の読み方も念のため、確認します。
その意味で、本来なら、年金手帳のほか、当時の保険料の納付済みの証明書(領収書)を保管していれば問題はありませんが、昔のことですので、それが無理なら、適当に回答せず、当時の勤め先や住所と基礎年金番号を明記した年金手帳、給与明細書、家計簿などを近くの社会保険事務所に持参し、確認してもらいましょう。
本来ならこの確認作業は終わっているはずですが、「ねんきん特別便」がいまだに郵送されていない場合、ただちに社会保険事務所に問い合わせましょう。すでに確認届を出したものの、新たに疑問がわいてきた場合も、遠慮なく社会保険事務所に照会しましょう。
次回は「ねんきん定期便」について解説します。7月24日(金)に更新の予定です。
(2009年7月17日)