Vol.79 年金の損得はここがポイント(10)〜納め過ぎた保険料は取り戻せる〜
川村匡由(社会福祉学者)
Aさんの場合はこうなる
お話を具体的にするため、Aさんの場合でみてみましょう。
Aさんは67歳で、60歳になるまで、過去38年(456か月)、国民年金の保険料を納めたため、原則として65歳から老齢基礎年金を受給できる受給資格期間(25年(300か月)以上は満たしているものの、満額の老齢基礎年金を受給できる40年(480か月)には少し足りませんでした。そこで、60歳になってすぐに国民年金に任意加入し、65歳になるまで、毎月、保険料を納めた結果、国民年金の加入期間は計43年(516か月)になってしまいました。
Aさんが満額の基礎年金を受給するには、40年(480か月)−38年(456か月)=2年(24か月)ですので、あと2年(24か月)任意加入し、その分の保険料だけ納めれば十分だったのでした。
そこで、43年(516か月)−40年(480か月)=3年(36か月)分の保険料は納め過ぎていたため、還付されます。言い換えれば、国民年金の任意加入は計40年(480か月)となる62歳まででよかった、というわけです。
図 Aさんの払いすぎの場合保険料は返される
Aさんは67歳で、60歳になるまで、過去38年(456か月)、国民年金の保険料を納めたため、原則として65歳から老齢基礎年金を受給できる受給資格期間(25年(300か月)以上は満たしているものの、満額の老齢基礎年金を受給できる40年(480か月)には少し足りませんでした。そこで、60歳になってすぐに国民年金に任意加入し、65歳になるまで、毎月、保険料を納めた結果、国民年金の加入期間は計43年(516か月)になってしまいました。
Aさんが満額の基礎年金を受給するには、40年(480か月)−38年(456か月)=2年(24か月)ですので、あと2年(24か月)任意加入し、その分の保険料だけ納めれば十分だったのでした。
そこで、43年(516か月)−40年(480か月)=3年(36か月)分の保険料は納め過ぎていたため、還付されます。言い換えれば、国民年金の任意加入は計40年(480か月)となる62歳まででよかった、というわけです。
図 Aさんの払いすぎの場合保険料は返される
〜60歳 | 〜65歳 |
過去38年(456か月) 強制加入(保険料納付) |
5年(50か月) 任意加入(保険料納付) 計43年(516か月) ↓ 還付3年(36か月)の保険料は納め過ぎ [2年(24か月)任意加入でOK] |
出典:筆者作成
この手続きは、社会保険事務所にそのむねの申出書と国民年金保険料還付請求書を提出することになります。
万一、本人がすでに死亡している場合、相続人である人が代わって請求することができます。もっとも、この場合、死亡した人との関係を確認するため、戸籍謄本、または戸籍の全部記載事項証明書が必要となる場合があります。
いうまでもありませんが、これは一つのケースにすぎず、実際はさまざまなことがあり得ますので、個々の問題は最寄りの社会保険事務所に尋ねて下さい。
なお、それ以外でも、たとえば、何らかの事情で同じ月に保険料をダブって2回納めたり、厚生年金や共済年金とは別に国民年金の保険料を納めたりした場合も、保険料を納め過ぎたことになるため、必要な手続きをとればその分の保険料は還付されます。また、老齢基礎年金の受給資格期間の25年(300か月)、および満額の受給期間の40年(480か月)については、生年月日や中高齢者によっては短縮される人もいます。
いずれにしても、このような人に対しては社会保険庁から個別にお知らせがあるはずですので、心当たりのある人は手元の資料などで確認して下さい。
次回も「年金の損得はここがポイント」についてお話ししましょう。
万一、本人がすでに死亡している場合、相続人である人が代わって請求することができます。もっとも、この場合、死亡した人との関係を確認するため、戸籍謄本、または戸籍の全部記載事項証明書が必要となる場合があります。
いうまでもありませんが、これは一つのケースにすぎず、実際はさまざまなことがあり得ますので、個々の問題は最寄りの社会保険事務所に尋ねて下さい。
なお、それ以外でも、たとえば、何らかの事情で同じ月に保険料をダブって2回納めたり、厚生年金や共済年金とは別に国民年金の保険料を納めたりした場合も、保険料を納め過ぎたことになるため、必要な手続きをとればその分の保険料は還付されます。また、老齢基礎年金の受給資格期間の25年(300か月)、および満額の受給期間の40年(480か月)については、生年月日や中高齢者によっては短縮される人もいます。
いずれにしても、このような人に対しては社会保険庁から個別にお知らせがあるはずですので、心当たりのある人は手元の資料などで確認して下さい。
次回も「年金の損得はここがポイント」についてお話ししましょう。
(2009年6月26日)