Vol.78 年金の損得はここがポイント(9)〜納め過ぎた保険料は取り戻せる〜
川村匡由(社会福祉学者)
満額の老齢基礎年金を受給できない場合
そのためには、25年(300か月。保険料の納付免除期間、および1961(昭和36)年4月〜1986(昭和61)年3月までの国民年金の任意未加入期間などの合算対象期間も含む)以上加入し、保険料を納めていかなければなりません。
また、満額の老齢基礎年金を受給するには計40年(480か月)加入し、保険料を納めていなければなりません。これは厚生年金や共済年金に二重に加入する会社員や公務員、私立学校教職員も同じことです。
しかし、長い人生のことですから、人によっては途中で転職したり、転居したりして、国民年金の被保険者の種別変更届けや住所の変更届けをしないばかりか、保険料を納めることも忘れたり、生活苦のため、納付を一時免除してもらったりした結果、25年(300か月)の受給資格期間は満たしているものの、満額の受給期間である40年(480か月)に達しないこともあります。
また、厚生年金や共済年金にも加入していなかったため、65歳で満額の老齢基礎年金を受給することができない場合さえもあり得ます。
2005(平成17)年3月以前、以後を問わず還付
そこで、このような人については、2005(平成17)年3月以前、以後を問わず、60歳以降、最寄りの社会保険事務所に申し出た時点から、それまでの納付期間と合わせ、満額の老齢基礎年金を受給するため、40年(480か月)をめざし、65歳になるまで国民年金の保険料を納めています。しかし、知らず知らずのうちに40年(480か月)を超え、保険料を納め過ぎてしまった、という人もいないわけではありません。
このため、このような人については、満額の老齢基礎年金を受給するべく、国民年金に任意加入した場合、満額の老齢基礎年金を受給できる40年(480か月)を超え、保険料を納めた分の保険料は還付されます(この項続く)。次回は6月26日(金)、更新予定です。
(2009年6月19日)