Vol.75　年金の損得はここがポイント（６）〜国民年金保険料の前納制度の手続き方法〜

　この国民年金の保険料の前納制度は、１年のうちでいつでも利用できるというものではなく、６か月分の前払いの場合はその年の４〜９月分と10月〜翌年３月分、１年分の前払いの場合はその年の４月〜翌年３月分というように、その期間があらかじめ決められています。


　そこで、口座振替による前払いを利用したい場合、その年の２月までに、預貯金の通帳や届出印、毎年４月上旬に郵送されてくる国民年金保険料納付案内書を郵便局や銀行、または社会保険事務所のいずれかに持参し、そのむね申し込みます。この手続きが終われば、４月30日に６か月、あるいは１年分の保険料が、指定した口座から自動的に振り込まれることになります。


　また、口座振替ではなく、現金で支払う場合、国民年金保険料納付案内書につづられているため、これを利用し、４月中に保険料を前払いすることになります。


　いずれにしても、この前納制度は、一度申し込みをすれば翌年度以降、自動的に継続されることになっているため、次年度にまた同じような手続きをする必要はありません。


　なお、国民年金の保険料は、年金に対する被保険者、とくに若い方々の不信感や将来への不安感、また、一部による納付免除制度の悪用などによって全体の４割が支払っておらず、制度全体の運営に大きな支障を招いています。
　しかし、年金保険（公的年金）は老後（退職）や障害、死亡など、万一のときの生活保障を国民全体で支えていく社会保障制度であるため、よほど生活に困っている人ならいざ知らず、そうでない人は国民年金の保険料を必ず支払っていきましょう。もちろん、そのためにも、政府は、このような年金に対する被保険者の不信感や不安感を解消するよう、さらに努力する必要があることはいうまでもありません。


　次回も、「年金の損得はここがポイント」についてお話ししましょう。