Vol.69 年金の掛け方と受け取り方(下)
川村匡由(社会福祉学者)
老齢基礎年金の受給額はこう計算される
ちなみに、老齢基礎年金の受給額は次の計算式ではじき出されます。
老齢基礎年金の受給額
*保険料免除期間と老齢基礎年金の受給額
保険料免除期間 | 受給額 |
全額 | 当該期間の年金額の3分の1 |
4分の3 | 当該期間の年金額の2分の1 |
半額 | 当該期間の年金額の3分の2 |
4分の1 | 当該期間の年金額の6分の5 |
もっとも、ただでさえ、不況といわれている折、さまざまな事情によって保険料を未納したり、滞納したりして免除の申請をせず、受給の手続きを迎えますと、このような免除による減額による受給もなく、その期間についての年金の受給額はゼロとされます。また加入実績に“空白”を招き、老齢基礎年金の受給資格期間である最低25年にも影響するなど、「消えた年金」あるいは「宙に浮いた年金」となりかねませんので、十分注意して下さい。
老齢基礎年金の繰り上げ・繰り下げ受給
最後に、この老齢基礎年金の受給開始年齢ですが、老齢基礎年金は原則として65歳から受給することになっています。
しかし、本人が希望すれば60〜64歳からでも受給できますが、この場合、その年齢に応じ、次のように減額され、以後、変更できませんので十分注意して下さい。これを「繰り上げ受給」といいます。
なお、年金を受ける手続きを裁定請求といい、手続きは、市町村の国民年金の窓口(第3号被保険者期間がある場合、社会保険事務所や社会保険事務局、または年金相談センター)となります。
しかし、本人が希望すれば60〜64歳からでも受給できますが、この場合、その年齢に応じ、次のように減額され、以後、変更できませんので十分注意して下さい。これを「繰り上げ受給」といいます。
なお、年金を受ける手続きを裁定請求といい、手続きは、市町村の国民年金の窓口(第3号被保険者期間がある場合、社会保険事務所や社会保険事務局、または年金相談センター)となります。
老齢基礎年金の繰り上げ受給の場合
1941(昭和16)年4月2日以降生まれ | |||||
60歳 (70%) |
61歳 (76%) |
62歳 (82%) |
63歳 (88%) |
64歳 (94%) |
65歳 (100%) |
1941(昭和16)年4月1日以前生まれ | |||||
60歳 (58%) |
61歳 (65%) |
62歳 (72%) |
63歳 (80%) |
64歳 (89%) |
65歳 (100%) |
老齢基礎年金の繰り下げ受給の場合
1941(昭和16)年4月2日以降生まれ
1941(昭和16)年4月2日以降生まれ
支給の繰下げを申し出た日の年齢 | 受取率 |
65歳 | 100% |
66歳 | 108.4〜116.1 % |
67歳 | 116.8〜124.5% |
68歳 | 125.2〜132.9% |
69歳 | 133.6〜141.3% |
70歳〜 | 142.0% |
1941(昭和16)年4月1日以前生まれ
支給の繰下げを申し出た日の年齢 | 受取率 |
65歳 (または65歳に達した日以後に受給権を取得したとき) |
100% |
66歳 (または1年を超え2年に達するまでの期間のとき) |
112% |
67歳 (または2年を超え3年に達するまでの期間のとき) |
126% |
68歳 (または3年を超え4年に達するまでの期間のとき) |
143% |
69歳 (または4年を超え5年に達するまでの期間のとき) |
164% |
70歳以上 (5年を超える期間のとき) |
188% |
出典:社会保険庁:老齢年金(昭和16年4月2日以後に生まれた方)
http://www.sia.go.jp/seido/nenkin/shikumi/shikumi02.htm
出典:社会保険庁:老齢年金(昭和16年4月1日以前に生まれた方)
http://www.sia.go.jp/seido/nenkin/shikumi/shikumi01.htm
http://www.sia.go.jp/seido/nenkin/shikumi/shikumi02.htm
出典:社会保険庁:老齢年金(昭和16年4月1日以前に生まれた方)
http://www.sia.go.jp/seido/nenkin/shikumi/shikumi01.htm
なお、夫(妻)の受けている老齢厚生年金に加算されている加給年金額の対象者になっている妻(夫)が、65歳になると、それまで夫(妻)に支給されていた加給年金額が打ち切られますが、65歳から老齢基礎年金を受けられる場合(1926(大正15)年4月2日〜1966(昭和41)年4月1日までの間に生まれた者に限る)、一定の基準にもとづいて妻(夫)自身の老齢基礎年金の額に加算があります。これを振替加算といいます。
次回は「年金の損得はここがポイント」についてお話ししましょう。
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次回は「年金の損得はここがポイント」についてお話ししましょう。
(2009年4月10日)