Vol.61 北海道移住(下)
川村匡由(社会福祉学者)
友人の看護師、A子さんの場合
A子さんは東京生まれの仙台育ちで、高校を卒業後、看護師養成の専門学校に進学し、看護師の資格を取りました。卒業後、病院の看護師や老人ホームの介護職として働く一方、介護保険制度が導入された2000年、ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格も取りました。
当時、大阪の老人ホームで働いていましたが、“雇われの身”として働くことに限界を感じ、自分の力をもっと他の地で発揮できないかと、資格と経験を売り物にして北海道へ移住することを決断しました。
それにしても、なぜ、北海道なのか。交際範囲の広いA子さんですので、北海道にも看護師の友人がいないことはなかったのですが、北海道のおおらかな土地柄、また、それにもましてピンときたのは、本土と比べて遅れている福祉への関わりでした。
そこで、新聞やインターネットで看護師、施設経営者の求人募集に目をやったり、口コミで照会したりした結果、道東の某市郊外でデイサービスやグループホームを自前で経営することになりました。今から7年前のことです。
現在では自治体の施設運営の委託も受けるなど事業は拡大、スタッフも十数人を抱える“実業家”にのしあがり、趣味に山歩きを始めたということです。
現地を下見して最終的な結論を
誤解のないようにしてほしいのは、A子さんが北海道への移住が成功したからといって、では、だれもがA子さんのように北海道への移住がスムーズに可能かどうかは、いちがいにいえません。
ただ、いえることは、A子さんは自分の資格や特技、人脈、また、社会のニーズの的確な把握、さらに、機敏な行動力があったからこそ、北海道への移住が実現したのではないでしょうか。その意味で、みなさんもA子さんのように、あらかじめ北海道への移住について入念な計画を立て、周りの状況もよく考えて行動すれば、それも可能ではないかと思われます。
そのためには、移住しようという北海道の土地柄や求人情報などを旅行や研修などで現地に行ったようなとき、下見をしたり、移住の“先輩”たちにアドバイスを受けたりしたいものです。結果的に、A子さんにはこのような計画性はあまり感じられませんが、それは、A子さんの意気込みと自信、また、猪突猛進的な(?)性格に由来しているかもしれません。それにしても、A子さんの決断と実行力には脱帽です。
ただ、いえることは、A子さんは自分の資格や特技、人脈、また、社会のニーズの的確な把握、さらに、機敏な行動力があったからこそ、北海道への移住が実現したのではないでしょうか。その意味で、みなさんもA子さんのように、あらかじめ北海道への移住について入念な計画を立て、周りの状況もよく考えて行動すれば、それも可能ではないかと思われます。
そのためには、移住しようという北海道の土地柄や求人情報などを旅行や研修などで現地に行ったようなとき、下見をしたり、移住の“先輩”たちにアドバイスを受けたりしたいものです。結果的に、A子さんにはこのような計画性はあまり感じられませんが、それは、A子さんの意気込みと自信、また、猪突猛進的な(?)性格に由来しているかもしれません。それにしても、A子さんの決断と実行力には脱帽です。
(2009年2月13日)