Vol.55 新年に向けての“家計のやりくり”
川村匡由(社会福祉学者)
今年の反省の上に立って新年を
今年は、秋口になってやっとガソリンの価格が正常に戻りつつあったのも、つかの間、アメリカのサブプライムローンの問題に端を発した金融危機に、世界のトヨタをはじめ、「ビッグ3」といわれるアメリカの三大自動車メーカーも販売不振に陥り、バブル崩壊の1990年代前半を上回るほどの雇用不要がわが国にも及ぼし、先行きがますます不透明となっています。
それだけに、新年を前に、リストラにあったり、おびえたり、大学生の子どもの内定の取り消しを受けた人たちも少なくなかったのではないでしょうか。
そんななか、本欄では、「50代からの人生設計」と題し、定年退職前後のサラリーマンや自営業、あるいは独身の方々を対象に、「5K」、すなわち、健康、経済、心(生きがい)、家族、交流の5つをキーワードに、さまざまな生活の知恵を紹介したり、助言めいたお話をしてきました。
なかには、定年後、あるいは老後や死への準備まで触れてきましたが、大事なのは、経済の動向になるべく左右されないよう、日ごろから生活防衛に徹し、かつ少しでも心身とも充実させるとともに、将来の生活も考え、計画な人生設計を常に点検し、掲げた目標を着実に実行していくことではないでしょうか。折しも師走ですので、今年の反省の上に立って新年を迎えよう、ということです。
そこで、この1年の締めくくりに、新しい年を無事に迎え、来年は今年よりもさらに充実した年になるよう、新年に向けての“家計のやりくり”についてお話をしましょう。
家計簿を点検して、やりくりを
年末といえば、その金額の多少はともかく、ボーナス(賞与)を手にする人たちがごく一般的ではないでしょうか。自営業の方々も、それに代わるものとして、たとえばわが身をほめて“大入り袋”などを自分にあげる、などといった向きもあるかもしれません。
そこで、まずこの1年の家計簿で収入と支出について、黒字で終わったのか、それとも赤字になってしまったのか、家族全員で総点検しましょう。そして、その原因を突き止め、黒字でしたら、その分を来年に繰り越しし、さらに黒字を重ねるように計画を立てましょう。
逆に、赤字でしたら、やはりその原因を究明し、来年は赤字を埋めるとともに、黒字に転換できるよう、計画を立てましょう。
その際、赤字はボーナス(賞与)や“大入り袋”などで埋め合わせることを最優先し、他の買い物はなるべく控えましょう。たとえば、マイカーやアナログテレビの地上デジタル用への買い替え、海外旅行の代わりに国内旅行で我慢をする、などといった具合です。
また、奥さんが専業主婦ならパート勤めを始めるとか、大学生の子どもがいればアルバイトで授業料を多少でも捻出してもらうとか、本代や食事代、小遣いくらいは稼いでもらいましょう。もちろん、通勤や通学では1つ駅か、バス停まで歩き、そこから乗車するなど、経費節減に努めるといった具合です。
つまり、赤字で終わったら、来年はその赤字を家族全員で埋め、リスクをシェアリングしては、というわけです。そうすることで、今まで、ややもすると不足がちであった家族同士のコミュニケーションを図ることができますので、「一石二鳥」にもなります。
いずれにしても、「1年の計は元旦にあり」です。思い思いに今年1年を振り返り、すがすがしい気持ちで新年を迎えてはいかがでしょうか。
そこで、まずこの1年の家計簿で収入と支出について、黒字で終わったのか、それとも赤字になってしまったのか、家族全員で総点検しましょう。そして、その原因を突き止め、黒字でしたら、その分を来年に繰り越しし、さらに黒字を重ねるように計画を立てましょう。
逆に、赤字でしたら、やはりその原因を究明し、来年は赤字を埋めるとともに、黒字に転換できるよう、計画を立てましょう。
その際、赤字はボーナス(賞与)や“大入り袋”などで埋め合わせることを最優先し、他の買い物はなるべく控えましょう。たとえば、マイカーやアナログテレビの地上デジタル用への買い替え、海外旅行の代わりに国内旅行で我慢をする、などといった具合です。
また、奥さんが専業主婦ならパート勤めを始めるとか、大学生の子どもがいればアルバイトで授業料を多少でも捻出してもらうとか、本代や食事代、小遣いくらいは稼いでもらいましょう。もちろん、通勤や通学では1つ駅か、バス停まで歩き、そこから乗車するなど、経費節減に努めるといった具合です。
つまり、赤字で終わったら、来年はその赤字を家族全員で埋め、リスクをシェアリングしては、というわけです。そうすることで、今まで、ややもすると不足がちであった家族同士のコミュニケーションを図ることができますので、「一石二鳥」にもなります。
いずれにしても、「1年の計は元旦にあり」です。思い思いに今年1年を振り返り、すがすがしい気持ちで新年を迎えてはいかがでしょうか。
(2008年12月26日)