Vol.57　心を癒すホテル・旅館の選び方（下）

　そこで、宿を予約する際に迷うのがホテルか、旅館のいずれかということになるわけですが、一般的には、結局はその人、あるいはご夫婦の考え方次第でしょう。


　このため、今回の旅ではいずれの方がベターなのか、じっくり話し合って決めればいいわけですが、その場合、自分たちの考えだけで決めるのはなく、行き先が決まったら、あらかじめインターネットで地元のホテルや旅館の情報、それも実際に宿泊した方々の感想を検索しましょう。
　そして、これに対するホテルや旅館の回答もみて、信頼がおけるか、また、良心的であるかをチェックします。その結果、リピーターの好感度な書き込みがより多くあればまず間違いないでしょう。

　さて、気になるのは料金ですが、ホテルの場合、ルームチャージ制のため、部屋代と税金が込みになっているのが基本です。これに対し、旅館の場合、一泊二食付きで、これに税金とサービス料が込みになっているのが一般的です。


　このため、予算が限られているものの、ホテルを利用したい場合、食事代を押え、浮かせた分、建物の豪華さや部屋の雰囲気、ロケーションのよいところにお金を回して予約し、少しでもリッチなホテルライフをエンジョイするようにすればいいでしょう。もっとも、一口にホテルといってもシティホテル、リゾートホテル、ビジネスホテルと分かれているため、それぞれの目的や交通手段などを考えて選びましょう。

　ところで、バブル崩壊後、俄（が）然、注目されているのが「公共の宿」ですが、これも実はさまざまです。


　たとえば、休暇村や国民宿舎、厚生年金休暇センター、厚生年金会館、自治体の保養施設、「かんぽの宿」などがその代表的なものですが、なかでもダントツの人気は休暇村です。


　これは全国の国立公園や国定公園の周辺にある環境庁系の施設で、他の「公共の宿」と違い、あらかじめ会員などとして加入金などを支払う必要がなく、一般のホテルや旅館と同様、だれでも電話やインターネットで気軽に予約できるのが特徴です。アクセスも、何人かのグループか、他の宿泊者と同乗であれば最寄りの駅まで送迎してくれるので、おすすめです。何よりも客室が広いうえ、ロケーションがバツグンなのがうれしいです。料理も凝（こ）っており、お堅いイメージではありません。


　なお、最近、多くのホテルで、顧客を確保しようとポイント制を導入しているようですが、このようなホテルを利用する場合、全国チェーンのところにすれば、全国、好きな時季に、好きなチェーンのホテルを利用してポイントを稼ぎ、割安感を味わうことができます。また、旅館も、オフシーズンに少しでも客を迎えて部屋の稼動率をあげようと、旅行社や電車・バス会社と提携し、割安なパッケージツアーを企画しているところもありますので、上手に使えば割安に楽しめます。


　問題は、週末や連休は予約が取りにくいことですが、そのためにも、できるだけ早めに予約を入れたり、キャンセルの部屋がないか、まぎわに聞いてみることです。それでも、一度予約を取った以上、悪天でも宿泊しなければ違約金を取られることがネックです。


　そこで、予約はせず、天気予報をみて、晴天に間違いないことを見届けてから出かけたいという人は、ビジネスホテルに限定して探せばいいでしょう。