Vol.56 心を癒すホテル・旅館の選び方(上)
川村匡由(社会福祉学者)
みなさん、明けましておめでとうございます。新年をどのように迎えたのでしょうか。自宅で家族水いらずのお正月でしょうか。それとも、ふるさとに帰られ、久しぶりにご両親や友人、知人と旧交を温められたのでしょうか。なかには、ホテルや旅館に滞在し、優雅なお正月を過ごされた人もいるのではないでしょうか。
そこで、本欄では、正月やこの1年、ホテルや旅館に泊まって旅行を計画している人たちに、その上手な選び方をお話ししましょう。
そこで、本欄では、正月やこの1年、ホテルや旅館に泊まって旅行を計画している人たちに、その上手な選び方をお話ししましょう。
今も昔も楽しみは「旅」
しかし、だからといって、「ハイ、そうですか」などと、自ら社会におさらばしようものなら、仙人のように隠遁(いんとん)生活をし、挙げ句の果ては、体力はもとより、気力もなくなり、朝から晩までテレビにかじりついたり、昼間からアルコールを浴びてうさを晴らし、家族から煙たがられるのが関の山です。そのようなサラリーマンを「毎日が日曜日」と揶揄(やゆ)したのは城山三郎でしたが、まさに「会社人間」、あるいは「働きバチ」のなれの果て、というにはあまりにも悲しい話です。
現に、このような元サラリーマンを指して、現役のころ、「亭主、元気で留守がいい」といってはばからなかった世の奥様方のなかには、「粗大ゴミ」とか「濡れ落ち葉」、あるいは「産業廃棄物」などといい、邪魔者扱いをしているようです。なかには、年金が夫婦で分割できるようになったからとでもいうのか、離婚状を突きつける、とんでもない人もいるとか。
そんな危機感のあるご夫婦にぜひおすすめしたいものに「旅」があります。旅は、毎日忙しい日々を送っている私たちの心を洗い、しばし癒(いや)してくれるだからです。その旅を一層盛り上げてくれるのが宿、すなわち、ホテルと旅館です。
ホテルと旅館の長所と短所
宿といえば、ホテルか、旅館かということになりますが、みなさんはそのいずれでしょうか。
まず、ホテルはチェックイン後、キー一つで自由に出入りでき、海外の場合でもチップさえ心がければ、あとはどのようなホテルライフを楽しむことも可能です。たとえば食事ですが、泊まっているホテルで取ろうが、近くのホテルやレストランで食事を取ろうが、スーパーやコンビ二エンスストアで食材を買い集め、自炊をしたり、出来合いのもので済ませ、安く上げることもできます。海外でも同じことです。旅館のようにスタッフに気を遣う必要もありません。
しかし、その代わり、セキュリティには十分注意することが大切です。なぜなら、ドアの向こうは“公道”同然ですので、だれがいるか、また、突然、ドアのノックをたたかれるかわからないので、旅にありがちな開放感にどっぷりつかるわけにはいきません。
これに対し、旅館は畳の部屋でくつろげ、しかも食事は基本的には自分の部屋に持ってきてくれるなど、上げ膳・下げ膳のサービスがありますので、家庭的で、時には大名気分を味わうこともできます。女将(おかみ)が挨拶に顔を出してくれれば最高でしょう。
しかし、人によってはこれがかえって、うっとおしいと思うこともあります。そのたびに愛想を崩さなくてはならないばかりか、状況によっては少し包まなければならない場合もあるからです。
まず、ホテルはチェックイン後、キー一つで自由に出入りでき、海外の場合でもチップさえ心がければ、あとはどのようなホテルライフを楽しむことも可能です。たとえば食事ですが、泊まっているホテルで取ろうが、近くのホテルやレストランで食事を取ろうが、スーパーやコンビ二エンスストアで食材を買い集め、自炊をしたり、出来合いのもので済ませ、安く上げることもできます。海外でも同じことです。旅館のようにスタッフに気を遣う必要もありません。
しかし、その代わり、セキュリティには十分注意することが大切です。なぜなら、ドアの向こうは“公道”同然ですので、だれがいるか、また、突然、ドアのノックをたたかれるかわからないので、旅にありがちな開放感にどっぷりつかるわけにはいきません。
これに対し、旅館は畳の部屋でくつろげ、しかも食事は基本的には自分の部屋に持ってきてくれるなど、上げ膳・下げ膳のサービスがありますので、家庭的で、時には大名気分を味わうこともできます。女将(おかみ)が挨拶に顔を出してくれれば最高でしょう。
しかし、人によってはこれがかえって、うっとおしいと思うこともあります。そのたびに愛想を崩さなくてはならないばかりか、状況によっては少し包まなければならない場合もあるからです。
(2009年1月13日)