Vol.52 ペットの飼い方と楽しみ方(下)
川村匡由(社会福祉学者)
イヌとネコの場合
まずその共通する飼い方と楽しみ方ですが、ペットとして飼う以上、わが子と同様の愛情を注いであげることが大切です。このため、毎日の起床や食事、排泄、入浴、就寝などは、私たち人間と同じく規則正しい生活を送らせるなかで行うよう、幼年期からしつけることが大切です。
また、これらの行動はどこでならいいのか、所定の場所について学習を重ねて憶えさせます。もちろん、家族はだれとなく、彼らの行動を温かく見守り、わずかなしぐさの変化にも注意し、体調不良を訴えていないかどうか、観察します。
たとえば、食事の好き嫌いが顕著になったか、行動に急な変化がみられるようになったか、排泄物の形状に変化が生ずるようになったかなど、細部にわたってチェックします。その結果、少しでも異状と感じたら最寄りの動物病院に連れていきましょう。
さらに、飼う場所は室外か室内か、室外なら近所の人たちに迷惑をかけないよう、十分なしつけをしましょう。とくに毎年春は「恋の季節」を迎えますので、妊娠をすすめるか、中絶するかを早めに判断し、しかるべき処置をかかりつけ医にお願いしましょう。
最後に、イヌやネコは私たちよりも寿命が短いため、老年期を迎えても捨てず、最期まで愛情と責任を持って世話をしましょう。つまり、介護や看取りも人間と同様、きちんとするということです。
大の愛猫家として…
うち1匹は「チビたん」です。10年ほど前、拙宅の隣りの公園に捨てられていた生後間もない幼猫でしたが、とある日、当時、すでに飼っていた「ミンちゃん」がいた、わが家に遊びにくるようになったため、2匹目のペットとして仲間に加えました。
しかし、その数か月後の早朝、バイクにはねられ、急逝してしまいました。そのあまりのはかなさに、家族全員が1週間ほど泣きの涙でした。
以来、室内で飼うことに決めましたが、近所の主婦が私たちのあまりのショックを和らげようと、ペットの1匹の幼猫を譲ってくれました。それが今の「チビちゃん」です。
その後、「ミンちゃん」と「チビちゃん」はわが家のアイドルとして可愛がり、癒されましたが、「ミンちゃん」は昨年、私たちの懸命な介護にもかかわらず、あの世に旅立ってしまいました。天寿をまっとうできたとはいえ、長年、家族の一員として過ごした思い出は尽きず、やはり悲嘆にくれました。
そこへ、2年前、縁あって、何と沖縄から空路、わが家に4匹目として迎え入れたのが「パクちゃん」です。ですから、現在は「チビちゃん」と「パクちゃん」の2匹がわが家のペットですが、彼らについても生涯にわたって愛情を注ぎ、苦楽をともにしていきたいと思っています。
みなさんのペットはいかがですか。
(2008年12月5日)