Vol.51 ペットの飼い方と楽しみ方(上)
川村匡由(社会福祉学者)
最新ペット事情
確かに、私たちの周りを見渡しますと、一戸建ての住宅はもとより、今までペットを飼えないとされていたマンションやアパートでも、新築のところは「ペット可」でなければ売れないのか、このような看板や案内のチラシまで見られるようになりました。
おかげで動物病院は大はやりで、土・日曜日はもとより、平日でも「この子の体調がちょっとおかしいので、先生に診てもらおうと思って…」などと、ペットを抱いたマニアが訪れています。
ペットショップやペットホテルも連日、“満員御礼”で、「血統書付きのペットもいいけど、雑種も可愛くて…」などと、ケースに入れられたイヌやネコなどを眺めながら品定めをしたり、「1週間ほど旅行に出かけるので預かってもらおうと。○○ちゃんにはかわいそうだけど、しばらく我慢してね」などと、若いカップルや親子連れ、年配のご夫婦などの姿を毎日のように見かけます。
また、老人ホームや幼稚園、保育園でペットを飼い、入所している高齢者の笑いを誘っていたり、通園の児童たちの人気者になったりしています。
しかし、飼い主に捨てられたペットが公園や商店街、工場に群れ集まり、えさを求めてゴミ袋のなかの食べ残しをあさったり、台所にあった食料品を拝借したりしているかと思えば、住民のなかには、えさを与えるなどして世話をしているところもあります。
一方、途中で飼うのをやめ、保健所に持ち込んで処分されるペットも年間20万匹前後に上るほか、児童や大人がいじめたり、殺したりしています。また、ヘビやトカゲ、ワニなど、ペットとして国内で飼育できない動物を密輸し、マニアに通信販売をしていた関係者が逮捕されているなど、動物虐待事件まで引き起こしています。
ペット・ブームを考える
それにしても、今、なぜ、ペット・ブームなのでしょうか。
これにはさまざまな背景が考えられるでしょうが、一つは、親子同居から別居というように家族形態が変化してきたことや、少子高齢化の進展のため、高齢者だけの世帯や一人暮らしの高齢者、あるいは女性の社会進出がめざましくなったほか、晩婚化・非婚化によってシングルライフを楽しむ職業女性が増えてきたため、その寂しさをまぎらすべく、ペットとの生活を楽しむようになったのではないでしょうか。
もう一つは、このような背景と背中合わせともいえますが、毎日、仕事に追われるばかりで、趣味や娯楽を楽しむ時間もないため、ペットを飼うことによって癒(いや)しの時間を確保したい、という願いが込められているのではないでしょうか。
しかし、私たち人間と彼らとは会話ができないため、ペットとして飼う以上、それなりのケアも心がけなければ動物虐待となります。
そこで、今回はペットの飼い方と楽しみ方についてお話ししましょう。
これにはさまざまな背景が考えられるでしょうが、一つは、親子同居から別居というように家族形態が変化してきたことや、少子高齢化の進展のため、高齢者だけの世帯や一人暮らしの高齢者、あるいは女性の社会進出がめざましくなったほか、晩婚化・非婚化によってシングルライフを楽しむ職業女性が増えてきたため、その寂しさをまぎらすべく、ペットとの生活を楽しむようになったのではないでしょうか。
もう一つは、このような背景と背中合わせともいえますが、毎日、仕事に追われるばかりで、趣味や娯楽を楽しむ時間もないため、ペットを飼うことによって癒(いや)しの時間を確保したい、という願いが込められているのではないでしょうか。
しかし、私たち人間と彼らとは会話ができないため、ペットとして飼う以上、それなりのケアも心がけなければ動物虐待となります。
そこで、今回はペットの飼い方と楽しみ方についてお話ししましょう。
(2008年11月28日)