Vol.49 最期への備え方(上)
川村匡由(社会福祉学者)
死期を感じたら延命治療の是非を
確かに、本欄でもこれまで、終(つい)の棲家(すみか)や相続、遺言、老親、家族の介護・看取り、葬儀の仕方などについてお話ししてきましたが、今回は実生活からみた最期への備え方を述べましょう。
まず介護の場や看取られの場が自宅の場合、自分は延命治療を望むのかどうかをまず考え、家族やかかりつけ医(主治医)に話をしておきましょう。
身寄りのない人の場合、かかりつけ医や友人・知人など、信頼のおける人にそのむねを依頼します。場合によっては、お住まいの自治体や社会福祉協議会に成年後見制度について照会し、弁護士や司法書士などの専門家を後見人として託してもいいでしょう。
施設や病院に入所・入院している人の場合、施設の職員や医師、看護師にあらかじめ申し出ておきましょう。
なお、その際、「医学の発展に貢献したい」という人は、最寄りの大学病院などに臓器の提供や献体を申し込むこともできます。
お付き合いは丁重に辞退する
意外に忘れがちなことは、ふだん何気なくお付き合いしている個人やサークル、団体へのご挨拶です。「立つ鳥、跡を濁(にご)さず」というたとえではありませんが、死期を感じたら、これまでお付き合いしていただいたことを感謝しつつ、残念ながら、今後、辞退したいむねをお話しましょう。
加入しているサークルや団体のなかには退会届を出す必要があるかもしれませんが、そのような場合、所定の手続きに従って退会届を出し、会費の未納や滞納・会合への無断欠席などといわれ、迷惑をかけないように注意しましょう。なかには、その訳をくわしく聞きたがる人もいるかも知れませんが、相手に心配をかけないよう、それとなく丁重に事情をお話して理解していただくよう、対処しましょう。口頭でいいにくい場合、はがきや封書でお知らせするのも一考です。
このほか、金融機関に預貯金をしていたり、公共料金などの口座を設けていたり、新聞の購読やテレビの視聴をしたりしている人は、これらの解約がいつごろなら適当か、早めに考えて手を打っておきましょう。万一、自分がそのときになって、これらの手続きが不可能なような場合、家族や民生委員、ケアマネジャー(介護支援専門員)、訪問看護師、ホームヘルパー(訪問介護員)に依頼しておくといいでしょう。
なお、自分の葬儀のとき、どのような方式で、宗派や戒名はどのようなものか、また、喪主や参列者はだれを望むのかも関係者に話しておくといいでしょう。
加入しているサークルや団体のなかには退会届を出す必要があるかもしれませんが、そのような場合、所定の手続きに従って退会届を出し、会費の未納や滞納・会合への無断欠席などといわれ、迷惑をかけないように注意しましょう。なかには、その訳をくわしく聞きたがる人もいるかも知れませんが、相手に心配をかけないよう、それとなく丁重に事情をお話して理解していただくよう、対処しましょう。口頭でいいにくい場合、はがきや封書でお知らせするのも一考です。
このほか、金融機関に預貯金をしていたり、公共料金などの口座を設けていたり、新聞の購読やテレビの視聴をしたりしている人は、これらの解約がいつごろなら適当か、早めに考えて手を打っておきましょう。万一、自分がそのときになって、これらの手続きが不可能なような場合、家族や民生委員、ケアマネジャー(介護支援専門員)、訪問看護師、ホームヘルパー(訪問介護員)に依頼しておくといいでしょう。
なお、自分の葬儀のとき、どのような方式で、宗派や戒名はどのようなものか、また、喪主や参列者はだれを望むのかも関係者に話しておくといいでしょう。
(2008年11月14日)