Vol.46 老親の看取りと送り方(下)
川村匡由(社会福祉学者)
送り方
そこで、いざというとき、あまりの悲しさと気の動転によって、どのように対処すればいいのかわからず、やむなく病院の医師による死亡診断書の作成や役所への死亡通知・火葬の手続き、僧侶などの手配、通夜および告別式の執行は葬儀社というように、さまざまな手順があるため、関係者にいわれるまま、あるいは任せきりとなりがちです。その結果、故人のため、あのような方法でよかったのか、それとも、もう少し別の方法があったのではないかなどと、後悔したりすることも珍しくありません。
実は、かくいう筆者も以前、実と義理の父親を亡くしていますが、いずれも病院で最期を迎え、看護師に死に化粧をしてもらったあと、自宅に引き取り、関係者の助言をいただきながら、湯かんや旅装束の身づくろい、納棺をして送ったものです。
もちろん、死の直前まで家族で交代で病院に寝泊りし、故人を勇気づけたり、医師や看護師に容態を尋ねたりしました。しかし、今なお、本当に病院で逝かせてよかったのかどうか、あるいは故人の性格や人生観も考え、生前に病名を告知せず、送ったことに対して後悔の念がまったくなかったのかどうかといえば、今でもわからないのが正直なところです。
生前、話し合っておきたい葬儀や死後処理
では、家族が万一のとき、本人も家族も納得のいくような看取りをし、かつ送るには生前にどう心がけておけばいいのでしょうか。
それには、家族で自分がいざというとき、どこで看取られ、どのような方法で送ってほしいのか、あるいは送るべきか、話し合っておくことでしょう。
具体的には、看取りの場所は自宅なのか、病院なのか、施設なのか。延命治療を受け入れるのか、断るのか。献体や臓器の提供を考えるのか。また、通夜や告別式は仏式なのか、神式なのか、特定の宗教によらないのか。参列者はだれがいいのか。戒名はどうするのか。埋葬は先祖代々のお墓なのか、それとも散骨などの自然葬か。遺産の分割や遺留分は遺言にするのか…。
このほか、家族や親戚など、ごく親しい関係者だけの密葬で済ませるのか、それとも元気なうちに「葬儀」を済ませてしまい、実際の葬儀は執り行わないのかなど、それぞれの家族が希望する事柄を話し合い、関係者にいわれるまま、あるいは任せっ放しにしないことです。
なお、地域によっては社会福祉協議会やシルバー人材センター、農業協同組合が葬儀の一切を割安で引き受けたり、施設や団地の集会所で葬儀を引き受けたりしているところもあります。そこで、家族であらかじめこれらの情報を集め、考えておくことも一考でしょう。
それには、家族で自分がいざというとき、どこで看取られ、どのような方法で送ってほしいのか、あるいは送るべきか、話し合っておくことでしょう。
具体的には、看取りの場所は自宅なのか、病院なのか、施設なのか。延命治療を受け入れるのか、断るのか。献体や臓器の提供を考えるのか。また、通夜や告別式は仏式なのか、神式なのか、特定の宗教によらないのか。参列者はだれがいいのか。戒名はどうするのか。埋葬は先祖代々のお墓なのか、それとも散骨などの自然葬か。遺産の分割や遺留分は遺言にするのか…。
このほか、家族や親戚など、ごく親しい関係者だけの密葬で済ませるのか、それとも元気なうちに「葬儀」を済ませてしまい、実際の葬儀は執り行わないのかなど、それぞれの家族が希望する事柄を話し合い、関係者にいわれるまま、あるいは任せっ放しにしないことです。
なお、地域によっては社会福祉協議会やシルバー人材センター、農業協同組合が葬儀の一切を割安で引き受けたり、施設や団地の集会所で葬儀を引き受けたりしているところもあります。そこで、家族であらかじめこれらの情報を集め、考えておくことも一考でしょう。
(2008年10月17日)