Vol.45 老親の看取りと送り方(上)
川村匡由(社会福祉学者)
圧倒的に多い病院での看取り
まず私たちのライフステージ、すなわち、長い人生における節目を整理してみますと、サラリーマンは定年、また、定年のない自営業は年齢からくるリタイアを機に、“第二の人生”、いえ、“第三の人生”である老後をそれぞれ迎えることになります。そして、このようなライフステージにおいて生ずるのが老親との死別です。
そこで、老親との死別とどのように向き合うべきかということで、看取りという問題が起きてくるわけです。ちなみに厚生労働省などの調査によると、毎年100万人以上が死亡していますが、そのうち、病院で看取られるのは全体の8割で、本人が自宅で死を迎えたいと希望してもきわめて困難となっています。しかも、延命治療や無意識な状態であるにもかからず、過酷な検査や治療を受けながらというのが実態です。
看取りの場の選択肢の拡大を
しかし、だからといって、現状のままでいいわけではありません。なぜなら、だれでも最期は自分らしく、人間としての尊厳を持って人生のフィナーレを迎えたいからです。
それでは、どうすればいいのでしょうか。そのためには、やはり老親はもとより、だれでも、自分の見取りの場所について、病院だけでなく、自宅や施設など、希望するところを自由に選ぶことができるよう、地域社会において環境を整備・拡充することが必要です。
具体的には、まず病院ですが、できるだけ自宅の近くの地域の機関病院が望ましいでしょう。それも、かかりつけ医(主治医)と連携が図られており、診療科目が多く、かつ救急の患者をいつでも受け入れている社会保険指定の病院です。
次に、自宅の場合、かかりつけ医が訪問診療、あるいは看護師が訪問看護、もしくはホームヘルパー(訪問介護員)がターミナルケアまで行っているかどうかがポイントとなります。このため、地域にこのようなサービスが整っているのかどうか、かかりつけ医や機関病院、自治体、地域包括支援センター、社会福祉協議会などに照会しておくことが大切です。
なお、施設の場合、ケアマネジャー(介護支援専門員)や地域の特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、ホスピスなどに直接照会しましょう。
いずれにしても、わが国では生活圏域における医療サービスや看取りの場所の選択肢がきわめて限られているため、国や自治体は早急な対策を講ずることが望まれています。
それでは、どうすればいいのでしょうか。そのためには、やはり老親はもとより、だれでも、自分の見取りの場所について、病院だけでなく、自宅や施設など、希望するところを自由に選ぶことができるよう、地域社会において環境を整備・拡充することが必要です。
具体的には、まず病院ですが、できるだけ自宅の近くの地域の機関病院が望ましいでしょう。それも、かかりつけ医(主治医)と連携が図られており、診療科目が多く、かつ救急の患者をいつでも受け入れている社会保険指定の病院です。
次に、自宅の場合、かかりつけ医が訪問診療、あるいは看護師が訪問看護、もしくはホームヘルパー(訪問介護員)がターミナルケアまで行っているかどうかがポイントとなります。このため、地域にこのようなサービスが整っているのかどうか、かかりつけ医や機関病院、自治体、地域包括支援センター、社会福祉協議会などに照会しておくことが大切です。
なお、施設の場合、ケアマネジャー(介護支援専門員)や地域の特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、ホスピスなどに直接照会しましょう。
いずれにしても、わが国では生活圏域における医療サービスや看取りの場所の選択肢がきわめて限られているため、国や自治体は早急な対策を講ずることが望まれています。
(2008年10月10日)