Vol.41 自分史の意義とその出し方(上)
川村匡由(社会福祉学者)
今、なぜ、自分史か
今、なぜ、自分史なのでしょうか。
一説には、1970年代から80年代にかけ、旅館の美人女将(おかみ)が、職場の同僚や地元の関係者のねたみやいじめに翻弄されながらも、毅然として旅館を切り盛りする『細うで繁盛記』(日本テレビ系列)、また、貧しさのために母親と別れ、奉公に出されたものの、義理や人情を大切にする一方、他人を押しのけてまでして金もうけをせず、人間にとって大切なものは何かを訴えた『おしん』(NHK総合テレビ)がともに高い視聴率をマークし、国民の間に「一代もの」や「根性もの」といったテレビの番組や映画化が人気を集め、自分史のブームの引き金になったといわれています。
そこへ、2007(平成19)年以降、高学歴の団塊世代が大量に退職し、それまで歩んできた自分の人生を振り返り、これからの老後をどのように過ごして生きがいを見出すべきか、また、併せて自分を見つめ直して家族や第三者に記録として残すべく、自分史を出したいことのようです。
自分史を出す目的を考える
なるほど、私たちのようなごく一般の人たちの人生などは所詮、平凡なものにすぎません。しかし、たとえそのような人生であっても、その人にしか経験したり、体験したりすることができなかった人生のドラマもあるはずです。
そこで、そのようなかけがえのない人生のドラマを自分史としてまとめ、家族や友人・知人、後輩などに伝えて残すことは、関係者に対する感謝の気持ちを伝えるというだけでなく、それなりにすばらしい贈り物にもなるはずです。
ただし、自分史とはいえ、世の中に出す以上、なぜ、それを出すのか、その目的をあらかじめはっきりしておくことが大切です。
たとえば、それは自分の生きてきた証(あかし)としてなのか、貴重な経験や体験を関係者に対して教訓や知恵として伝えたいのか、それとも自分の生涯におけるドラマを本として残す喜びのためなのか、などといった具合です。
次に、それはどのような体裁にするのか、検討します。
具体的には、日記やエッセイ、投稿、報告、コメント、写真、読書感想文、絵画、イラスト、ビデオ、詩、俳句、短歌などをまとめるなのか、特定の経験や体験を書き下ろすのか、などです。
そこで、そのようなかけがえのない人生のドラマを自分史としてまとめ、家族や友人・知人、後輩などに伝えて残すことは、関係者に対する感謝の気持ちを伝えるというだけでなく、それなりにすばらしい贈り物にもなるはずです。
ただし、自分史とはいえ、世の中に出す以上、なぜ、それを出すのか、その目的をあらかじめはっきりしておくことが大切です。
たとえば、それは自分の生きてきた証(あかし)としてなのか、貴重な経験や体験を関係者に対して教訓や知恵として伝えたいのか、それとも自分の生涯におけるドラマを本として残す喜びのためなのか、などといった具合です。
次に、それはどのような体裁にするのか、検討します。
具体的には、日記やエッセイ、投稿、報告、コメント、写真、読書感想文、絵画、イラスト、ビデオ、詩、俳句、短歌などをまとめるなのか、特定の経験や体験を書き下ろすのか、などです。
(2008年9月12日)