Vol.36 介護保険制度の利用のポイント(4)―介護保険サービス利用にあたっての重要な心構え
石山麗子(ケアマネジャー)
「どこで、どのように生きたいのか」を明確に
前回お話したように、突然の救急での搬送や人の手を借りての療養生活、あるいは死――。これらはだれも予測できるものではありません。人生の岐路における重要な方針を在院日数である、10〜20日という短い期間で決めることができるでしょうか。
また、重要な方針を考えたり、具体的に準備するには、時間だけではなく、精神力と体力を必要とします。突然、病気になり、混乱した状況の中では問題の解決力を日ごろと同等に発揮するのは簡単なことではありません。
しかし、人生の主役はあなた自身です。介護が必要になってからでもそのことに変わりはありません。
そこで、アクティブに活動できる今のうちに、もし、自分に介護が必要になったときには「どこで、どのような生活を送りたいのか」を明確にしておきましょう。そして、身近な人に「どのように生きたいのか」、もっといえば「どのような死を迎えたいのか」について話をし、しっかりと理解してもらっておくことが大切です。
あなたが意識不明で意思表示できない状態になってから、ご家族があなたの気持ちを推察して「おそらくこうだろう…」と決めざるをえなかった「生きること・死ぬこと」について選択した場合は、事によってはご家族にとって、後で後悔したり、「本当にこれでよかったのかしら」と、何年も自問自答し続けることになるかもしれません。
ですから、あなたが「どこで、どのように生きたいのか」を身近な人に伝えておくことは、あなたの身近な人を大切にすることにもなるのです。そして、どのような臨終を迎えたいか、また、死後のさまざまな取り決めについては「遺言書」を公正証書としておくことが重要です。
「介護を受けること」、そして、「死を迎えること」は何も特別なことではありません。「生きること」と同様、そのこと自体が「生活そのもの」なのです。
筆者は30代後半ですが、すでに家族には、仮にどんな病気になっても事実を告知してほしいこと、延命をしないこと、重度の介護や医療が必要となっても最期まで往診や訪問看護・訪問介護などを受けながら自宅ですごしたいこと、死を迎えるときに聴かせてほしい音楽や、たとえ意識不明で反応がなくても語りかけて欲しいこと、最期のときには手を握っていてほしいこと、葬儀の会場で流してほしい音楽、生命保険の利用方法などをしっかりと伝えてあります。
何度も繰り返しますが、人生の主役はあなた自身です。大切なことはあなた自身が「どこで(場所)、どのように暮らしたいか」がしっかりと決まっていて、「ご家族(身近な人)もそのことを認識している」ということなのです。
酸素や経管栄養などが必要となり、寝たきりとなっても、ご家族の支援や在宅療養支援診療所(往診)、介護保険サービスなどを利用することで、あなたは自分の部屋の窓から見慣れた外の風景を眺め、ご家族が生活する聞きなれた音を聞き、大切なご家族と語らいながら生活することは十分可能であり、現実に多くの人がこのように生活されています。
もし、「家族には迷惑をかけたくない」、「自宅での介護は難しい」という人、「家族がなく、一人は淋しいし不安…」という人は介護施設を選択することもできます。施設には、有料老人ホームや特別養護老人ホーム、老人保健施設などの種類があります。
また、重要な方針を考えたり、具体的に準備するには、時間だけではなく、精神力と体力を必要とします。突然、病気になり、混乱した状況の中では問題の解決力を日ごろと同等に発揮するのは簡単なことではありません。
しかし、人生の主役はあなた自身です。介護が必要になってからでもそのことに変わりはありません。
そこで、アクティブに活動できる今のうちに、もし、自分に介護が必要になったときには「どこで、どのような生活を送りたいのか」を明確にしておきましょう。そして、身近な人に「どのように生きたいのか」、もっといえば「どのような死を迎えたいのか」について話をし、しっかりと理解してもらっておくことが大切です。
あなたが意識不明で意思表示できない状態になってから、ご家族があなたの気持ちを推察して「おそらくこうだろう…」と決めざるをえなかった「生きること・死ぬこと」について選択した場合は、事によってはご家族にとって、後で後悔したり、「本当にこれでよかったのかしら」と、何年も自問自答し続けることになるかもしれません。
ですから、あなたが「どこで、どのように生きたいのか」を身近な人に伝えておくことは、あなたの身近な人を大切にすることにもなるのです。そして、どのような臨終を迎えたいか、また、死後のさまざまな取り決めについては「遺言書」を公正証書としておくことが重要です。
「介護を受けること」、そして、「死を迎えること」は何も特別なことではありません。「生きること」と同様、そのこと自体が「生活そのもの」なのです。
筆者は30代後半ですが、すでに家族には、仮にどんな病気になっても事実を告知してほしいこと、延命をしないこと、重度の介護や医療が必要となっても最期まで往診や訪問看護・訪問介護などを受けながら自宅ですごしたいこと、死を迎えるときに聴かせてほしい音楽や、たとえ意識不明で反応がなくても語りかけて欲しいこと、最期のときには手を握っていてほしいこと、葬儀の会場で流してほしい音楽、生命保険の利用方法などをしっかりと伝えてあります。
何度も繰り返しますが、人生の主役はあなた自身です。大切なことはあなた自身が「どこで(場所)、どのように暮らしたいか」がしっかりと決まっていて、「ご家族(身近な人)もそのことを認識している」ということなのです。
酸素や経管栄養などが必要となり、寝たきりとなっても、ご家族の支援や在宅療養支援診療所(往診)、介護保険サービスなどを利用することで、あなたは自分の部屋の窓から見慣れた外の風景を眺め、ご家族が生活する聞きなれた音を聞き、大切なご家族と語らいながら生活することは十分可能であり、現実に多くの人がこのように生活されています。
もし、「家族には迷惑をかけたくない」、「自宅での介護は難しい」という人、「家族がなく、一人は淋しいし不安…」という人は介護施設を選択することもできます。施設には、有料老人ホームや特別養護老人ホーム、老人保健施設などの種類があります。
ケアマネジャーはあなたを一人にしない
前回、利用までのプロセスを紹介したとおり、要介護認定の申請からその結果の通知を受けるまでには少なくとも30日かかります。しかし、前述のように、病院の在院日数は医療制度の改正に伴って次第に短縮化の方向に向かっており、20日以下の場合が多くなってきているのが現状です。
そこで、介護保険を利用する場合、必要性を感じた時点ですぐに要介護認定申請をされることをおすすめします。
ケアマネジャーは、介護についてのご相談役です。いつもあなた心に寄り添い、「あなたの望む生活」の実現に努めます。介護保険の利用にあたっては、あなた自身が望む生活を確認することから始めましょう。ケアマネジャーは、あなたを一人にしません。
そこで、介護保険を利用する場合、必要性を感じた時点ですぐに要介護認定申請をされることをおすすめします。
ケアマネジャーは、介護についてのご相談役です。いつもあなた心に寄り添い、「あなたの望む生活」の実現に努めます。介護保険の利用にあたっては、あなた自身が望む生活を確認することから始めましょう。ケアマネジャーは、あなたを一人にしません。
(2008年8月11日)